501話 ダンジョンバトル途中経過
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土日は、航海を楽しんだ。初めの頃はお金がなくて苦労したけど、生産系のスキルと取引スキルを頑張ってあげた。クエストもこなして、少しずつ必要なアイテムも回収している。
「月曜日がやってきました。みんな土日遊びすぎて、眠くないかい? 無理をしないように頑張りましょう」
今日は、敵の推定Sランクの魔物ダゴン(仮名)が、俺が強化したアリゲーター(骨)と遭遇する予定なので、今日はダンジョンの研究は後回しだ。
「バザール、このダゴン(仮名)と強化骨ゲーターの戦闘をどうみる?」
「ダゴンの(仮名)はまだわかるでござるが、強化骨ゲーターは名前としてどうなんでござるか?」
「気にするな! で、どうみる?」
「そうでござるな。このダゴンは、特殊能力の高いタイプの魔物でござるが、Sランクでござるから、アダマンタイトでコーティングしているとはいえ、勝てないと思うでござる。これが水のない場所での戦闘となれば、おそらくアリゲーターの方が有利になるでござろうが……」
「やっぱりそうみるか、強化と数で補おうとしたけど、やっぱり厳しいか。後はあれだなアダマンタイト自体が重いから、薄くコーティングしているとはいえ、水の中でどれだけ動けるかだな。倒せなくてもいいから、痛手を負わせてくれれば助かるんだがな」
バザールとダンジョンの様子を見ながら会話を続ける。
ここで予想外の事が起こった。俺たちが攻め手に使っているスケルトンキングたちが、五度目のボス部屋にたどり着いてしまったようだ。今の階層が二十階なので、四階毎にボス部屋ある計算になるな。
このダンジョンのボス部屋は、階層を丸々使ったタイプの部屋ではなく、階層の一角の部屋を大きくして使っているタイプだ。ボス部屋の扉をあけるためのギミッグ、がめんどくさそうだったけど、スケルトンキングたちが頑張ってくれたようだ。
「バザール、相手のダンジョンのボスって、Sランクの魔物だと思うか?」
「どうでござろう? 多分でござるが、自分のダンジョンでござったら、Sランクの魔物ではないと思うでござる」
やっぱり俺と同意見か、ダンジョンバトルでどのくらい稼いでるか分からないが、DPの事を考えると水没しているダンジョンだと、継続的にDPを稼ぐ能力が低い気がするんだよな。これがセカンドダンジョンって可能性もあるけど、Sランクを二体呼びだすためには、運が必要だからな。
Sランクの魔物の召喚は、基本的一回しかできないと聞いている。メギドのレッドドラゴンに関しては、ダンジョンに付与する形で、一〇〇倍近いDPを払って召喚しているので、カウントは一回なんだとさ。
「二体もSランクの魔物を召喚できる、運のいいダンマスがどれだけいるでござろうか?」
「俺も大体同じ考えだな。そういう意味では、Sランクの魔物を複数従えてたお前って、それなりにすごいんじゃねえか? お前自身もSランク指定の魔物だしな」
「DBSを知っていれば!!!」
「引きこもりっぽかったし、途中でノーライフキングになっちまったから、神に半分放置されたんじゃねえか?」
おっと両手両膝をついてしまった。
「どうせ引きこもりでござるよ。でもいいでござる! 今は快適な農民ライフとブッ君に、オンラインゲームのできるノートパソコンを手に入れたでござるから、気にしないでござる!」
「その割にはダメージ大きそうだぞ。おっと言い過ぎたすまんな。何て言ってる間に、スケルトンキングたちが戦い始めだぞ」
ボーンフィッシュとアンデッドタートルは、水中でも問題なく戦えているな。戦ってるところ見るのは初めてなので、何とも言い難いビジュアルの戦闘だな。
魚人が骨の魚や亀にバリバリ食われている姿見ると、何とも言えなくなる。問題なのは、かみ砕いたのはいいが、骨なので胃もなく垂れ流しになり、グロテスクな光景なのだ。あ、魔物の魚人の血って赤いんだ。何かサメが人を食う、パニック映画のワンシーンみたいだな。
「アダマンタイトでコーティングしているでござるから、攻撃されてもダメージがほとんど通っていないでござる。アダマンタイトの鎧を全身に、まとっているようなものでござるから、当たり前でござるな。
でも打撃には注意が必要でござる。衝撃はアダマンタイトを貫通していくでござるし、骨の魔物の弱点は打撃系の攻撃でござるからな」
今までアダマンコーティングを施したのって、武器や防具、爪とか牙くらいだったからな、中にどんな影響があるかまでは考えてなかったな。全身コーティングしたのって、リビングアーマー位だしな。俺が知るわけないか。
「あれ? アンデッドタートルって、亀なのに打撃に弱いのか?」
「あ、甲羅は強いでござるけど、甲羅だけでござる」
「それもそうか、普通の亀も甲羅は硬いけど、生身の部分は脆いもんな。首引っ込めればダメージが全く通らない、なんて言うゲームの敵もいたもんな」
「そうでござるな、顔出す前に攻撃すると、強い攻撃を返してくるモンスターがいたでござるな」
何となく同じゲームのボスを連想している気がする。
「攻めは、今の所問題なさそうだな。それにしても、ここの魚人ってそこそこ良さそうな武器もってる気がするな。海用の武器を作ったり、召喚したりしているってことかな?」
「水の抵抗のためでござるか、切る武器ではなく突き刺す武器が多いでござるな。槍の先が三叉になっている、トライデントでござったか? 広い範囲に攻撃できる武器が多いでござるな。
水の中で打撃系の攻撃は多くないでござるが、質量の大きい魔物に体当たりされると、ボーンフィッシュじゃつらいかもしれないでござる」
そういう風に考えるよな。サメとか噛むのも十分怖いけど、人間からしたら体当たりでも十分に致命傷になりえるもんな。
「お? 骨ゲーターを配置したボス部屋に、ダゴン君が来たようだぞ、ってかあのダゴン君の武器って魔導具か? よく見ると水を操っているようにも見えるんだが、どうおもう?」
「う~~む、確かに泳ぎだけではない力が、加わっているように見えるでござる。でも、あの武器のせいではない気がするでござるが、気のせいでござろうか?」
「魔法かスキルか何かの効果かな? あの武器はあの武器で、攻撃に使う効果があるようだな。骨ゲーターたちが吹っ飛ばされてるな。Sランク水棲魔物で、水を生み出しながら侵攻していくか……凶悪だな」
「でも、骨ゲーターたちも奮闘しているでござるよ? あっ! 今噛み付いたワニ、いい感じでダメージ与えれているでござる!」
「これなら倒せなくても、痛手を負わせられそうだな。このまま撤退してくれると助かるんだけどな」
一時間程、水中の三次元機動を見学していると、召喚した半数以上が倒されてしまったが、何とか撃退することができたようだ。これも運がいいからなのかな?
「ダゴン君が攻めてこないのなら、負けはないだろうな。念のため、骨ゲーターを追加で召喚しておくか、魔力回復ポーションを召喚して、強化を施していく」
「主殿、ダンジョンバトルが終わったら骨っ子たちはどうするでござるか?」
「お前の所に池でも作って、放し飼いかな?」
「了解でござる! 本日はこの辺で終わりでござるか?」
「もうすることないし、研究にもどるわ」
バザールは鍬を取り出したので、そのまま畑仕事に行くのだろう。あの鍬は俺の特注で、金属の部分はフルアダマンタイトで作ってある。何でも砕くぜ!
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