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ダンマス(異端者)  作者: AN@RCHY


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492話 果樹園

アクセスありがとうございます。

 朝、起きる位の時間に三幼女が俺の部屋に突撃してきた。突撃というのは、部屋に入ってくるなり、俺のお腹や胸、足にダイブしてきたのだ。


「「「おにーちゃーん(あーにーさーまー)!!!」」」


 最近は一人で寝る事も増えてきたので、ちょっと寂しいなと思う事も増えたが、一人なら一人でゆっくり寝れるので、問題はないかな? 別に仲が悪くなったわけじゃないよ! 年少組は三幼女に連れられて、土木組の家に行って、よく一緒に寝ているそうだ。


 年中組、年長組はディストピアにいる時は、色々な仕事をしているようで、寝る時間が遅くなっているそうだ。姉御組に関しては、一部門を任されていることもあり、俺が街の外に出ることで仕事がたまるので、一段落するまでは仕事をガッツリやる傾向にある。


 ちなみに、カエデは鍛冶や大工等の生産系のトップで、ミリーは冒険者ギルドや庁舎の入っている建物の管理を任されていて、リンドは商売系のまとめ役、商人ギルドみたいなもののトップといったところだろうか。


「起こしに来てくれるのはいいけど、飛び込んでくるのはやめてくれ」


「「「エへへへ」」」


 可愛らしく笑ってもダメなものはダメ!


「どうかしたのか?」


「兄様が今日暇なのか確認しに来た!」


「俺自体には大した仕事はないから暇だけど、なんかあるのかい?」


「今日ね、土木組の子たちと孤児院の子たちも一緒に、果実狩りに行くの! その後に果実を使った何かを作るみたいだけど、一緒に行くかなと思って!」


 ほ~、いつの間に果樹園みたいなのができたのだろうか? あるとしたらワームたちが耕した畑エリアの一角に作ったのかな? 面白そうだから行ってみよう。何ができてるんだろうな?


「いいよ、孤児院の子たちからしたら、職業訓練みたいな物かな? いろんなことを体験させて、向いている事や興味のあることを、見つけてもらう感じかな?」


「孤児院の先生も同じようなこと言ってたよ!」


 孤児院の先生たちは、よくやってくれているようだな。休みもなく頑張っているみたいだから、人員を増やして休める日をあげたいところだ。


「今日はいけるメンバーみんなで果実狩りに行こうか!」


 起こされて俺は着替えを始める。着替えている姿を見られるのって、恥ずかしいな。でも赤の他人ではないし、邪険にもできないから気にしない事にしよう。


 そのまま食堂に行って朝食の前に果実狩りに行く話をする。今は、どんなことがあっても朝食だけは、可能な限りみんな一緒に食べるというのが、我が家のルールになっている。


 その場で全員参加が決まったが、一部のメンバーは連絡を入れてから合流するとの事だった。


「頑張って果実を取ろ~」


「待ってください! 今からとってもらうのは、ブドウですので、あちらです」


「お? 自由にとるわけじゃないのか、すまんすまん」


 ブドウと言っても、何種類のブドウがここにはなっているんだ? 何となくわかるのは巨峰くらいだ。すまん、嘘を言った。巨峰みたいにでかい粒の品種がいくつもあったので、俺の知識は当てにならないな。


 品種はよくわかっていない、というより複数の品種を一ヵ所で作りすぎて、色々がまざってしまったらしい。美味しくなかったブドウの木は、すでに取り除いているので、ここに残っているのは一定ラインを超えた味という事だ。


 土を作っているのがワームと精霊たちなので、美味い物ができるのは当たり前ってところかな?


「まずは、ここら辺のブドウを取ってもらっていいですか? 一つとってみんなで食べてみましょう」


 みんなから喜びの声が聞こえる。


 うん、甘い。俺が地球で食っていたブドウが微妙に感じる……ってもう味覚えてなかったわ。ってかこの世界にもブドウってあるんだな……と思っていた時期がありました。あるにはあったようだが、美味しくないのに毎年それなりに取れるので、家畜の餌とかに使われているようだった。


 品種改良されたブドウは、これだけうまいってわかったら、ワイン作る人が増えるのかな? まてよ、この世界の酒って、どうやって造られてるんだ? いろんな酒があった気がするけど……気にしてもしょうがない! ここから広めていけばいずれ広がるだろう。


「では、みなさん。ここの範囲内になる実ったブドウを取っていきますよ」


 範囲内と軽く言っているが、まぁまぁ広い。五十人以上で三時間程かけて収穫した。量は……たくさんだ。ここでいったん休憩をはさむようだ。ご飯はシルキーたちが畑の休憩エリアに色々準備してくれた。まぁピクニックの雰囲気なので、行楽弁当のような物を準備してくれている。


 昼食の後は少し休んだ後に作業を開始する。休憩の時には、どこから集まって来たのか、俺の従魔が勢ぞろいしており、スライムたちとクロとギンは土木組や孤児院の子たち、年少組とガッツリ遊んでいた。


 コウとソウの狐組は、年中組にすり寄ってブラッシングをしてもらっていた。ハクは俺の膝に納まって撫でれと、圧力をかけてきたのに、ブラッシングを行いながら撫でくり回してやった。


「皆さん、これからワイン作りをしていこうと思います。とったブドウをこの桶の中に入れていきます。五つ桶を準備しているので、分かれて作業してくださいね」


 二十分位すると全部のブドウを入れ終わった。俺この風景写真で見たことある! 桶のサイズが直径五メートル位ある所にブドウを入れて踏みつぶすんんだよね!


「皆さん、こっちにきてしっかり足を洗ってください。そしたら、この板の上を通って樽の前に移動してください」


 キャッキャ言いながらみんなが足を洗っている。それにしても、女性率がすごいことになってるな。昔先輩に聞いた看護学校みたいな比率ではないだろうか?


「皆さん、桶の中に入ってブドウを潰していきましょう」


 言われた子どもたちはちょっと戸惑ってるな。


 普通、これだけおいしいブドウを踏みつぶすなんて、抵抗があるよな。ワイン作りに必要な工程だと俺がみんなに言い聞かせて、食材を足蹴にしても怒らないから潰すように話す。それを聞いてやっと潰し始めた。量が量なので、みんな一生懸命潰していた。


「皆さんお疲れ様です。潰したブドウは今度、この樽の中に入れて発酵させていきます。しばらく発酵させたら、今度は漉していきますが、今日は漉す作業は無いので、また今度になります。


 もしできても、アルコールなので皆さんには早い飲み物です。ですが、大人の飲み物の造る手伝いをしてもらいましたので、今日は新しく作った飲み物を飲んでもらいたいと思います」


 出てきたのは、なんだろな? 見た感じ搾りたての漉して無い、リンゴジュースみたいに濁っている気がするんだけどな。


「これは、今さっき摘み取ったブドウと同じもので作った、ぶどうジュースの原液です。それにこの魔道具を使ってさらに美味しくしようと思います」


 ぶどうジュース? 皮をむいて絞ったのかな? それにしても見覚えのあるシュワシュワした感じだな、炭酸飲料か?


 初めて飲む炭酸はびっくりしたようだが、皆に受け入れられたようだ。嫌いな子が一人はいるかなと思ったけど、みんな美味しそうに飲んでいるな。


 休憩をはさんだ後、ももやリンゴ、キウイフルーツ、オレンジ等の様々な果実の収穫をした。今回のメインはブドウだったようで、他の果実はほどほどの収穫量だった。

読んでくださり、ありがとうございます。

ブクマや評価をしていただけると幸いです。

これからもよろしくお願いします。

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