480話 住居完成
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「あー失敗したな~、川から水をひくことを考えてたのに、開通した時の事を考えてなかったな。みんなごめんね。戻る間にちょっと説明しておこうか。
ため池の出口の所に、鍵付きの鉄格子を付けて完成になるから、今日の作業は終了だよ。明日は、奴隷たちが住む場所づくりのために、二個目のため池がある所をちょっと拡張してから、そこに建物を作るよ」
「ご主人様、何でため池の所に鉄格子を付けるの? 何で鍵付き?」
ネルからの質問だ。
「川からの侵入者を防ぐために鉄格子を付けて、鍵はたまったごみを綺麗にするためだよ」
なるほど、と言いながら俺の話に全員で返事を返してきた。わいわい穴を歩いていると、出口が見えてきたので、ミリーに結界を張ってもらい、俺は出口に作る鉄格子と鍵に集中する。一人でもできなくはないが、分担したほうが楽なのでミリーに結界を張ってもらった。
「みんなにはまだ難しいだろうけど、こうやってこうすると鍵の穴が作れて、イメージ次第では複雑なカギが作れるけど、下手すると全く開けられなくなるのからカギに関しては、対応している鍵をDPで召喚してるよ」
簡単な説明とちょっとの雑談をはさみながら土木組に伝えていく。
「よ~し終わった。みんな上にあがるよ、みんなが上がったらミリーは結界解除してくれ。一気に水が流れ込んできたな。川の方は、しばらく水量が減るか? 繋がってるのは魔物のいる森だし多少減ったところで、水場にしてる魔物が困るだけだろう。足りないなら、そこでバトルが繰り広げられるだけだろう」
しばらく雑談しながらため池の様子を見ている。問題がなさそうなので野営地に戻ることとした。
みんなと雑談の続きをしながら野営地に戻った。
「さぁ! 七日目の作業開始だよ! 昨日も話したように、今日は二段目のため池と同じ段に、奴隷たちの住む場所を作っていくよ。でも、地上に建てるんじゃなくて、穴を掘った部分に建てるからちょっとやり方が違うけど、そこらへんは見ながら覚えてね」
野営地を出る前に簡単に声をかける。そのまま出発して十分ほどで現場に到着した。
「まずは高さ三メートル位の穴を掘っていこう、ある程度でいいから適当でいいよ」
俺の指示に従ってドンドン穴を掘っていく土木組。俺はその間に簡単な建物のイメージを固めていく。地上の建物と違うので、ある程度サイズを決めた部屋を状況に応じて、組み替えていくタイプを考えている。イメージはプレハブといった感じだろう。基本は出入口が一つで換気をできるようにしている。
色々考えている間に、良い広さの空洞が完成していた。
「みんなお疲れ。今までは土とか石とかの加工ばかりだったけど、これからは木材を使った加工だよ。クリエイトゴーレムは、基本的に生物や魔物でなければ使用が可能だからね、魔力的な話をするなら土よりよっぽど少なくて済むけど、その分形を整えるのが難しくなるから、徐々に慣れるようにね」
色々説明しながら実演していく。
地面を平らに整地する。整地した後に何か所も十五センチメートル程の土台を作成する。その上に隙間を作るために日本家屋の床下をイメージして作る。
土台は魔力で圧縮して石のようになっているので、その上に更に木を這わせる土台になる突起を作り、突起の上に角材を並べて床板を張っていく。地面に直で板を張ると、カビとかが気になるので空気の通り道を作った。
フローリングというよりは、板床といった方がイメージが近いだろう。床はただある程度の厚みにして、厚みを揃えて並べて固定するだけだ。
柱をいくつも立て、その柱に乗るように角材を乗せていく。しっかりとクリエイトゴーレムで接着した後は、床板と同じように壁や床も張っていく。こんな建て方は普通ならありえないが、今はこんなもんでいいだろう。
問題があるなら、ここに移住してくるドワーフたちに改装してもらってくれ。
「今回は簡単に作ったけど、これは応用すれば機能的な家も作れるから、今度勉強しような。今日は同じようにマネが出来れば十分だよ。アンソニにもあんまり上等な物を作るのはやめてくれっていわれているからね。ただ寒さや暑さをしのげるようにはしてやるつもりだから、その辺りは後でな」
土木組が五人一組になって散っていった。ちなみに、カエデやリンドはクリエイトゴーレムを使わない大工仕事ができるため、今作っているようなプレハブは問題なく作れている。ミリーもディストピアにきて勉強をしたため、問題なくこの位は出来るようになっている。
三人に監督を任せて、俺は奴隷たちの仕事の肝となる、身体を清潔に保つ風呂の準備をする。ここら辺では温泉は出来ないので、アリスたちが前に作ってくれた水を生み出せる魔道具と、塩を作る時に作った魔導鍋の亜種を、湯船に隣接する形でセットして、ボイラーみたいな形にして使えるようにした。
ここで重要な事は、クリエイトゴーレムでないと治せないものは使わないという事だ。
アリスたちの作った魔導具であれば、ちょっと訓練は必要になってくるが、市井の魔道具職人でも、簡単な修理位はできるように改良したので問題ないそうだ。
「飲料水を確保する人員だから、やっぱり身綺麗にしといてもらわないとな。この位はいいだろう。シャワーみたいなのを作りたいけど……さすがにそれは拙いからな。体を洗うお湯を桶ですくう場所と、つかる場所を分ければいっか。後は男と女を分けて……こんなもんかな」
クリエイトゴーレムを使ってドンドンと洞窟の中を加工していく。風呂場の作成が終わり、俺は食事を作るキッチンを作っていく。体を壊されて労働力が減るのは困るからな。戦闘能力があれば、下水のスライム処理を行わせてもいいか?
キッチンにもアリスたちが作ってくれた、魔導コンロや魔導オーブンを設置している。ここには刃物が置かれるので、強い制限がかかる奴隷の首輪をつけて働いてもらう予定だ。関係のない人間は、許可がない限りは入れないようにもしないとな。
お風呂やキッチンは、ため池側に作り、住居になるプレハブのような物は奥に作っている。トイレはさらにその奥に作っている。
お風呂が手前にあるのは、住居になる場所を可能な限り清潔に保つように、出入りの際に必ず風呂に入ることを義務化させる予定だ。ここの排水は、俺がクリエイトゴーレムで下水までの排水溝を作っている。
キッチンも手前にあるのは、魔導コンロや魔導オーブンなどを利用できるようにしてはいるが、火も使うので、中毒にならないように換気のしやすい外側にセットしている。もちろん他にも空気の流れを作れるように工夫をした。
昼食をはさみ、建物や洞窟の微調整を行っていたら、夕食の時間になっていた。完成したから良しとしよう。
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