465話 防衛の自己評価
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「バザール! しばらく、お前専用のエレベーターを動かしておくから、不具合がなければそのまま使えるぞ。今回作ったダンジョンの詳細はこれな。ってあれ? お前ってダンマスだったから、権限与えたらダンジョンまでいじれるっぽいな。便利な奴だ!
おまけで、ゴーストタウンのしたのエリア全体をいじれるように、お前に権限与えといてやるよ。ダンジョンバトルで稼いだDPは、自分で使えるようにするからな、そっちの方がやる気が出るだろ?」
「ありがたき幸せ!」
お前、骸骨で目がないのに目が光っているような、エフェクト付けるのやめろや! やる気になってくれたのは、良かったから頑張ってくれるだろう。
「間違っても弱い敵以外には、圧勝はするなよ?」
「かしこまりました!」
なぜそこで敬礼するんだよ。お前のなかの設定って、どうなってるか一度話し合いが必要かもしれないな。
することも終わったしのんびりと、DBS部屋に行ってダイジェストを観戦しようか。
「「「「ご主人様お帰りなさい」」」」
残っていたメンバーが俺が帰ってくると声をかけてきた。
「様子はどう?」
「そうですね、ダンジョンバトルも終盤に差し掛かっているせいか、弱い魔物が少ないような気がしますね。いくつかは初めから見ると上層の魔物が分かるかもしれませんね」
「そっか、ダイジェストでも上層の戦いが見られるとは限らないのか。それなら最初っからいくつか見れないと、状況が分からないかもな。俺のダンジョンの上層の魔物なんて、いくら沸いても進攻を抑えるのには役に立たないもんな~チョイスが間違ったかな?」
「問題ないと思うの! だって、ゲームのダンジョンもご主人様のダンジョンみたいに、上の敵は雑魚ばっかり! 初めは調子よく進んでいくんだから、相手のダンマスは油断してくれると思うの! 最後はバザールが頑張ってくれるから、負ける事は無いと思うの!」
シェリルがゲームから得た知識で、俺を励ましてくれている。
「ダンジョンが弱くても、ボスが頑張れば問題ないか? ノーライフキングはアンデッドだけど、分類とすれば、亜人でも間違ってないから、ボスとしてはありだよな。今思い出したけど、ヴローツマインのダンジョンのボスも亜人だよな?
ビックオリハルコンゴーレムとかビックミスリルゴーレム、あれ連れてくれば負けは無かったか? ってもあれは耐久と質量による攻撃力が強いだけで、Sランクではないからな、そういう意味ではやっぱりバザールの起用はありかな?」
先程から、DBS部屋に残っていたメンバーが首をかしげている。代表してキリエが質問してきた。
「ご主人様、先程から話に出てきているばざーるって何ですか?」
「あぁ、さっき俺たちがノーライフキングに会いに行ったよな? その時にあいつに名前を付けてやったんだ。ござる口調だったから、何となく命名したら鑑定に、バザールって出るようになったんだよ」
「あの薄汚いアンデッドの名前でしたか。あの者に任せて本当に大丈夫なんですか?」
あれ? キリエも若干黒くなってないか? ピーチみたいにならないでくれよ。
「大丈夫だと思うよ。しばらく放っておいたら農民になったみたいで、嬉々として畑を耕してたよ。魔法を使った革新的な農作業方法だったね。ワームを使うくらい便利そうだったよ。
で、ダンジョンバトルで稼いだDPは、フロアを拡張するために使っていいってことにしたら、めっちゃ喜んでたしね。自分の手に負えなくなるまで、ゴーストタウンの下には畑が広がってくと思うよ」
残っていた年中組のメンバーは、何とも微妙な顔をしているな。わからなくもないけど、俺も久々に会ってあそこまで変わったとは思わなかったさ。でももし反抗的だったとしても、隷属化されてるから俺等に、害を与える事は出来ないからな。
「気持ちはわからなくもないけど、今のあいつは、マジックファーマーとでも呼べばいいのかな? そんな感じで落ち着いたから大丈夫だ」
「でもでもご主人様! ノーライフキングの取り巻きがオーガキングってどうなの?」
ネルの質問に俺ははっとした!
「っ! 確かにそれは取り巻きとしては拙いな。バザールは魔法系だから、前衛系のアンデッドがいい所だな。俺の召喚できるアンデッドで一番強いのは、バンパイアレディかリッチーあたりか? あいつらどっちも後衛タイプだな。Bランク上位じゃ微妙だ。デュラハンでもいればよかったのにな」
「デュラハンってゲームで良く出てくる、上位アンデッドだよね! 頭をわきに抱えて首なしで、アンデッドホースにのってるよね!」
「ご主人様、デュラハンはSランクですので、ノーライフキングと一緒のランクですよ」
キリエからもたらされた情報は、デュラハンはこの世界では、災害的扱いのSランクの魔物の様だ。
以前、Sランクは災害的な扱いなはずなのに、届いてくる情報がないと首をかしげていたらミリーに、「Sランクの魔物なんてそう簡単に現れないですよ。出現した時代でSランク以上の冒険者を動員して倒してますよ」との事だった。
そうポンポン現れないから、情報だけしか残っていないSランクも多いらしい。
「お! リビングアーマーも分類するとアンデッドじゃん! てっきりゴーレム系だと思ってたよ。これで前衛だけじゃなく、隊列組めるな!
タンクとして四体、中衛として槍を四体、後衛扱いで弓を四体と魔法使いを二体、遊撃で双剣を二体の合計十四体で、バザールを守らせれば完璧だな! いつも通りミスリル合金製のアダマンコーティングをしたフルプレートに乗り移らせて、バザールの所へ送り出した。一応日本語で書いた手紙を持たせている。
「色々調べてみるもんだな! さてダンジョンバトルの方はっと」
「ご主人様! おそらくですが四番のモニターのバトルは、最終ボスとの戦いだと思います」
防衛側の魔物は……あれはなんだ? 粘液系のスライムだろうか? 形が一秒たりとも同じ形でとどまる事のない流動的な魔物だ。それに対して攻めているのは、獣系の魔物が中心の部隊だ。かなり広いボス部屋に、攻め手の魔物が次々となだれ込んでいる。
「これは物量で攻めているってことか、それにしても多いな。これだけの魔物を呼べば、自分のダンジョンの防衛が甘くならないか? DPが結構かかるのにな……それだけもらえるDPが多いから、出し惜しみをしてないとか? いろいろ見て実際に参加してみないとわからんか」
攻め手の獣系の魔物は、特殊能力としてブレスが吐けるタイプが多くいるようだ。スライムらしき巨大な粘液に対して、代わる代わるブレスを吐いている。直接攻撃も行っている魔物もいた。
様子を見て見ようと思ったが、ダイジェストだったみたいで場面が切り替わる。そうすると明らかにスライムらしき物体は小さくなっていた。時間を見ると、前の画面から二日が過ぎているようだ……どんだけ長時間戦ってるんだよ。
攻め手はここだと思ったのか、強い魔物も送り込んでいるようだ。ワイプで多尾狐たちが走っている姿が見える。
相手の死へのカウントダウンの如く、予想到着時間まで出していた。もう一度画面が変わると、多尾狐たちがスライムの様なものの前で、炎系の魔法を使って攻撃している場面になる。これはちょうど今現在の様のようだ。
「おぉ、もう決着つきそうだな。二日間猛攻に耐えるってことは、Sランクの魔物かな? ビックオリハルコンゴーレムと同種のAランク上位か?
今回の攻め手なら、下層のボスも物量で倒せるけど、さすがにバザールを倒すことはできないだろうな。魔法に完全耐性があったとしても、リビングアーマーを付けたから大丈夫だろう」
今回の敵の戦力評価は問題なさそうだ。守りの事しか考えてなかったけど、攻める魔物はどうしよっかな?
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