422話 27階へ
ブクマが1000件を超えていて、ちょっと震えています。
思い付きから始まって書き続けている小説を読んでくださりありがとうございます。
感想に色々な意見はありますが、これからもゆるく書いていきますので、『異端児』をよろしくお願いします。
夜が明けて朝になる……今はダンジョンの中で、空を設定しているダンジョンではないので、時間による起床だ。周りはダンジョン独特の通路、部屋が光っている状態だ。その光も普通の人なら十メートル先が見えるくらいだ。冒険者なら三十メートルほど見える者もいるらしい。
朝食の準備をしていると、他のパーティーから差し入れみたいなものがあったが、俺たちの食事を見ると無言で引き返して行ってしまった。ちょっと悪いことしたかな……
ちょっと悪い事をしたと思ったので、昨日の夜食で余った分を、他のパーティーに持って行ってもらった。可愛い女の子からもらった方が良いよね! 女の冒険者なら、カッコいい男やダンディーなおじさんの方がいいか?
俺は……その……うん、見ないことにしよう。レイリーならドラゴニュートだから、体がガッチリしててダンディーだからこっちのほうが良かったか?
ダンジョンアタックの準備が整い出発するころになると、各パーティーメンバーが俺たちを激励してくれた。本当に回復ポーションが、安く手に入った事を喜んでくれていた。売れた理由として、金があっても売っていないことが多いらしい。
素材の問題もあるし、作る人間の問題もある。一番は高ランクの回復ポーションは、商会が買い占めて伝手のある人間に高く売るため、買うこと自体が難しいらしい。
これって冒険者の足元見てる商人たちだよな。理にかなってるとは言っても、命をかけて仕事している相手に対する配慮がないよな。その冒険者がとってくる素材を売って儲けてるんだから、これはちょっと考えないといけないな。
回復ポーションを作れる人間を増やすか? そこらへんは俺の商会を管理させてる人間に聞いてみるか。
回復ポーション自体が高いから、もっと稼げる場所に行ってしまうかもしれないよな。奴隷だとそれはそれで面倒くさいだろうし、どうすっかな。
今考える事じゃないか。という事で後で考えよう。こうやって考えなくなったことって、どれだけあるんだろうな。もう忘れてしまっていて思い出せない事とかも多いしな。今度からメモでもしておくか?
さて、気を取り直したダンジョンアタックだ。ちょっと進んだらボスなんだけどな。
この階層のボスは前情報通りなら、ドールではなくマリオネットと言われる、ドール系の上位種が出てくるとの事だ。何がどれだけ出てくるかは、ランダムなようで多い時は、ボス部屋に二十匹以上ワラワラと沸いていることがあるようだ。
魔物にあう事もなく階段に到着し、ボス部屋へ向かっていく。中にいたのは、アダマンタイトマリオネットが十匹だった。
ちょっと魔物のLv一気に上がってねえか? ボスとはいえこれは極端では? と思ったのだが、マリオネットは術者が近くにいないと、普通のドールと動きは大して変わらないようだ。ただただ硬いだけの魔物ってことになるな。
ドールの上位種なのに、術者がいないとカス魔物ってなんだ?
中を見てボス狩りをしているパーティーが、いないことに納得がいった。
アダマンタイトなんて加工できる人間がいないから、鉄より安い値段で売り払われる、伝説級の金属だ。普通ボス狩りって言うと、狩れる人間からすれば儲けがかなり良くなるはずなのに、やっている人がいないのはこういう理由だったんだな。
動きも早くないので、ブラウニーたちが戦闘を行っている。動きの速くない魔物なんて、ブラウニーたちにとっていい的でしかないな・・・
あ、終わったな。ドロップは思った通りアダマンタイト……DPで大量に召喚できるから、ありがたみがないな。
「うっし、お疲れ様。消耗もしていないから、次の階層を目指そうか。次からはマップ情報と敵の情報がないから、階層の初めは慎重に進むぞ」
俺の宣言に全員が返事を返してきて、俺たちは下へ向かっていく。
初めに目についたのは、木が生い茂ってる空間だ。どうやらこの階層は、一フロア全部がつながっており、密林のような階層という事だ。それに上の階層より、大分明るくなっているな。
密林、木が多いエリアってことは、蟲系とか獣系とか植物系の魔物がでるのだろうか?
しばらく進んでいくと、斥候組のメンバーから敵の反応があると声が上がる。俺もその影を発見している。
さてさてどんな魔物だろうな? 初接敵した魔物は、蟲系のセンチピート系の魔物だ。相変わらず気持ち悪いのう。ブラウニーたちが木を使って気配を消し、いつものようにボコボコ殴っている。こいつらにも通用するんだな。
進んでいくと色々な魔物が現れた。狼・リス・カマキリ・油虫・トレント等々、色々な魔物が現れた。上の階層とは違って、色々な魔物が現れるんだな。
正直油虫には会いたくねえ。まんまデカい黒い悪魔だったのだ。ムカデより生理的にダメだった。そんなムカデの肉を食うために、ディストピアのダンジョンで繁殖させてるけどな!
最後に遭遇した魔物は厄介だった。蛇系の擬態を持っているタイプの奴だ。索敵にも引っかからないため、不意打ちをされてしまった。しかも簡単に食べられるサイズの、ブラウニーたちが中心に狙われてしまったのだ。
一番最初の不意打ちでは、ブラウニーが二人同時に食べられてしまい、慌てて胴体を切り裂いてとどめを刺したよ。
蛇は丸のみにしてからジワジワ溶かしていくから、死ぬ前なら助けられるのだ。なぜ知っているかというと、蛇系の肉を回収する際に死んでいなかった食われた魔物が、ドロップ品と一緒に現れたのを見たことがあるからだ。
食べられたブラウニーは、すぐ助けられたせいかトラウマになるどころか、楽しかったようで様子を他のブラウニーに話して、若干英雄みたいな感じで尊敬のまなざしを受けていた。
トラウマにならなくてよかったけど、この蛇の奇襲はうざいな。
本当は邪道なんだけど、毎回奇襲をくらうとなるとそうも言ってられないので、みんなに厚着をさせて氷魔法を利用して、周辺の気温を氷点下十度ほどにまで下げる。魔物といっても爬虫類系の生物であるため、低温下では動きが鈍って戦闘どころではなくなる。鈍った魔物は相手にせず、そのまま進んでいく。
この中で動けたのはやはり獣系の魔物なのだが、それでも寒さに強いわけではなかったので、身体を温めるために仲間同士が穴などに入り、団子状態になっていた。魔力が大変だけど、マナポーションや魔法の使えるメンバーの協力を得て進んでいく。
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