403話 クリエイトゴーレム講義中盤戦
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ハート形にカット加工された見た目のダイヤモンド、ハート・シェープ・ブリリアント・カットをみんなが見れるように回していく。
大きさにして約五十カラットもの巨大なダイヤモンドが、一瞬のうちにできたのだ。全員が全員ありえないという顔をして、回されてくるダイヤモンドを見ている。まぁ普通驚くわな。
ダイヤモンドを見ている人間は、置いておいて説明を続けていく。
「この世界では知られてないけど、ダイヤモンドってこの黒い炭素と呼ばれる原子が、高温高圧の環境で生成される宝石なんだ。炭素っていうのは、木とかが燃えて残る炭に結構多く含まれているんだけど、不純物があると綺麗な透明のダイヤモンドは作れないね。
そもそも不純物が多すぎると、クリエイトゴーレム自体が発動しないからね。一応言っておくと、みんなに勉強してもらっている理科の一分野で、化学っていう項目で学ぶことができるよ」
めっちゃメモを取っている人たちがいるな。これでさらに勉強する意識が高くなるといいな。
「確かダイヤモンドって、回復系の強化に影響があるんだっけ?」
近くに控えていたカエデが、
「そうね、大きさや透明度、加工の方法で効果が変わってくるけど……この大きさにハート形なら、かなりの効果が期待できるかもね」
「そっか、ピーチ・キリエ・ネルに同じ大きさのダイヤをプレゼントするか? 杖系は、なかなか手作りっていうわけにはいかないから、今まであげれなかった分ちょうどいいかな?」
「そうね、私たちの武器はシュウや私、リンドの手がかかってるけど、杖に関してはほとんど手入れができてないからね。その位は優遇してあげないと、ヒーラーの三人と魔法中心のライム・ジュリエット・レミー・イリアの合わせて七人には、杖用の宝石を準備してあげるべきかもね」
魔法系の四人にも、きちんとしたもの渡せてないな。みんなに合わせた宝石を準備するか。手作りの方が良いみたいだから、今度きちんと素材を吟味して作ろうか。何かの本を調べれば、多分どういう構成になってるか出てくるだろう。
「今度七人には、宝石を準備するから、どの宝石がいいのか形はどういった物がいいか教えてくれ、可能な限り手作りするからね」
七人は大喜びをしている。
「講義に戻ろうか。イメージとそれを補助できる知識があれば、こういったこともできるようになるわけで、今は単純な構造の物を作れるように始めようかな。みんなに宝珠を渡していくから覚えてくれ」
簡単な概要だけを説明したので宝珠を渡して、クリエイトゴーレムを覚えてもらう事にした。覚えた後は全員Lv十まで上げて使いやすくしている。
Lvの低い状態から訓練させてもよかったのだが、熟練度を高めるならLvを上げてからでも可能なので、これから先も使っていきたい人は、そこから頑張ってもらえればいいかなと考えている。
「みんな覚えたかな? スキルのLvは十まで上げておいたから、かなり楽に魔法が使えるようになってるはずだよ。まず初めに、みんなに拳大の岩を渡していきます。今はごつごつしているけど、比較的丸い形をしてるよね?」
そう説明しながらみんなに岩を3個ずつ渡していく。
「初めにこの岩を、四角に加工してみてください。イメージしながら魔法を唱えるんだよ。やってみよう」
俺の開始の合図で妻たちを含めた全員が、クリエイトゴーレムを唱え始める。
余談だが、この世界で魔法を唱えると言うと、中二病のようなセリフをツラツラ言うのではなく、詠唱時間と呼ばれる待機時間の後に発動される。中には、イメージを固めるためにセリフを言う人もいるけどな。
やはり先に覚えていた妻たちは、全員簡単に加工できている。次に上手いのは精霊たちだろう、俺の知識をある程度引き継いでるせいかな? 最後は妻以外のこの世界の住人たちだ。
色々比べるために来てもらった新人組とは別に、スカルズのみんなやディストピアの住人、鬼人や魚人からも数人ずつ来てもらっている。
ランクをつけるなら嫁⇒精霊⇒⇒⇒新人組⇒⇒スカルズ⇒⇒ディストピアの住人⇒魚人⇒鬼人、こんな感じだろう。
新人組がこの位置なのは、勉強が進んでいるし本にもふれてるからかな? スカルズのみんなも新人組ではないにしろ、知識がついてきてるからかな? これから下はどんぐりの背比べ程度の違いしかないが、生産系の仕事に関わってる時間が長い人たちの方が、多少よさそうな感じだろう。
このランクにドワーフを入れていないのは、加工する技術、槌で鉄を打つ鍛造をしているためか、一番イメージが上手で魔法もそれなりに得意で、生産系に強いアドバンテージのある種族なだけあるな。
ちなみに綾乃もはいってない理由があって、四角を作れって言ったのに、俺が今さっき作ったハート・シェープ・ブリリアント・カットの様に岩を加工してやがったのだ。
ここまでできるなら、知識さえ詰め込めばゴーレム使いにはなれそうだな。一応生産系の能力を女神にもらっているだけあるな。問題はプログラム系を上手くできるかだな。
「みんな、差はあるけどできたかな? 合格ラインは精霊達までかな。新人組のメンバーは、もうちょっとといったところかな。次は、俺が加工した岩を渡すから、それを見ながらクリエイトゴーレムを使ってみようかな」
一人ひとりの前で渡して、三個のうち加工していない一個の岩を、クリエイトゴーレムを使って正六面体へ加工する。表面はツルツルの綺麗な状態だ。
それを見ながらクリエイトゴーレムを全員がかけていく。先ほどとは比べ物にならないほどの、でき映えになっている。
ドワーフたちですら、見た目が良くなっているのだ。四角にすると言われたから、見た目が四角くなるようにしただけで、表面のイメージがほとんどできておらず、結構ごつごつしていたのだ。
お手本があれば、全員が合格ラインの形まで加工が可能だった。
「イメージができれば、これだけ見た目が変わるのは理解できたかな? 本来はお手本なんてないから、きちんとイメージできるようにならないとね」
自分でしっかりした形を、作れるようになった事に喜んでいるのか、俺の話をいまいち聞いていない感じだ。大丈夫だろうか?
「注目! お手本があればきちんとイメージできて、それが魔法に影響した事はわかったかな。みんなにもイメージする力があるのは証明されたね。
後は、お手本が無くてもできるように、回数を重ねる事かな? それができるようになったら、もう少し複雑な加工をしていけば、技術が伸びていくと思うよ! ここからは実践ではなく、知識面を少し詰め込んでいこうか」
俺の言葉でみんなが真剣な顔になる。
知識面とは言うが、そこまで多くのことを、一気に伝えるわけではないのだ。この後は、造形ではなく魔核や、注意しなければならない点の話になっていく。
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