400話 三幼女の意外な事実
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綾乃を見送ってから俺は、明日の準備を始めていく。どこまで詰め込めるかは分からないけど、最低でもクリエイトゴーレムを使った、単一素材による魔核を埋め込み、行動設定までするという所だろうか?
他にも応用編として自己修復可能な壁の作成など、俺の仕事に役立つことを初めに教えていこう。ある程度できるようになったら、人造ゴーレムを作る上で重要なマッスルメタルのレクチャーをしよう。
最後に骨格を勉強するために解剖学を、少し学んでもらえば大丈夫かな。俺も初めの行動を書き込む際に、人間の体のつくりを勉強したもんだ。
魔力量がもっと高くならないと、さすがにミスリルやオリハルコン等のファンタジー素材は、使えないだろうから……土や岩、鉄あたりでトレーニングして魔力の使い方を覚えてから、進展状況でDPでレベルを一〇〇位まであげようか。
その先は、パワーレベリングであげるかな。三〇〇までレベルを上げても、余りあるDPがあるのだが、DPであげたら面白くないじゃん? いくら戦闘の才能が無くても、DPであげるのとパワーレベリングだと、ステータスの伸びが違うんだよな。
装備はパワードスーツを準備した。衣装に関しては、もともと装備の上に着るタイプなので特に何の問題もない。
最近は、普通にクリエイトゴーレムを使ってないから、少し復習しておかないとな。
一応自分で魔法を使ってきた感覚で、簡単なメモを取って読み返せるようにしているのだが、読み直しておこう。一番初めって、どんなことしたんだっけ?
日記とは言わないが、メモをつけているノートパソコンを取り出して、パワーポ〇ントを起動して写真付きのメモを見ていく。
あぁ、初めて作ったのって、全アダマンタイト製の片手剣だったな。無茶したな……あの片手剣って、どこに行ったんだろ? フェンリルと遭遇する前に、獣道の森で作ったんだったよな。懐かしいな。
思い出に浸りながら読み進めていくと、色々実験した事を思い出していた。この世界にきて、どのくらいたってるんだ? 妻の誕生日とかも全然気にしてなかったな。よくこんな俺についてきてくれているよな。
俺がいなくても、超一線級。実績が伴えば、シングル冒険者に認定されるだけの実力はあるのだから、俺から離れていきそうな気がするけどな。でも、みんなにいなくなられたら、俺どうなっちゃうんだろうな? もっとみんなに好かれるように頑張らないとな。
そういえば、今日の夕食はラーメン祭りって話だったな。一杯ガッツリ食べるのもいいけど、違う種類のラーメンを、少しずつ食べるのも悪くないよね。
味が口の中で混ざらないように、注意する必要があるけどな! 個人的には、味の濃い豚骨系が好きだったりするので、口直し用にサッパリする……紅しょうがは、個人的にあまり好きじゃないから、適当に何か用意してもらおう。
ラーメンなのでもちろん、餃子も準備してもらっている。ポン酢もな!
レクチャーのためにメモを読んでいたはずなのに、食事の話になってしまったな。
思い出すようにまたメモを読んでいく。手元に準備した鉄のインゴットがあるので、クリエイトゴーレムで色々形を変えてみることにした。
初めはオーソドックスに、ずんぐりむっくりしたタイプのゴーレムだ。二十キログラム程度の小さい物だったので、フィギュアを作ってる気分だった。はっ! これは綾乃がはまりそうな予感!
次に長剣をイメージして形を変えていく。柄まですべてが鉄製なので、バランスがあんまりよくないな。個人的には、重心がもっと剣先側に欲しいのだが……いつの間にか俺も、武器の評価ができるくらいの、熟練の域に来てしまったか。
握りを細くしても持ちにくくなるだけなので、柄の部分は中抜きにして、中抜きした分を刀身側に持っていくと、先ほどより振りやすいバランスになったけど……二十キログラムもある武器なんて、本来片手でふるえるわけないよな。
両手剣でもここまで重い武器を、振り回す事なんてあるのかな? ヘビーモールとかハンマー的な武器じゃないと、こんなに重たい武器なんてないか?
次は、内面は真似できないけど、見た目だけなら何となく作れるバイクの形に、鉄を変形させていく。あ! 車輪が回らないな、練習で作っただけだし気にしない!
「ふぅ、イメージが重要とはいえこれだけ集中すると疲れるな……ん?」
作業をしていた机の前を見ると、三幼女が突っ伏して寝ていた。この娘たちが寝るくらい、長い時間集中してたって事か。起こさずに何かしてようかな? どっかにいなくなったら、この娘たちが上の嫁さんに、怒られてかわいそうだしな。
「イメージか……もしかして、クリエイトゴーレムで鉄が粘土みたいなものだと、イメージして魔法をかけたらどうなるんだ?」
鉄の重さの粘土……イメージ、イメージ!
【クリエイトゴーレム】
「ん~イメージした所で、素材の素になった物質の特性は、無視できないのか。普通に作ったゴーレムは、動く際に多少変形してるよな? でも、クリエイトゴーレムの場合は、魔核が無いと動かなんだったっけ……もしかして!」
魔核に【この魔核をセットした素材が粘土のように扱える】と書き込んで、余った部分に魔核が魔力を吸収するスピードを上げるプログラムや、貯える魔力を増やすプログラムを書き込んで、先ほどの鉄に埋め込む。
ムニュ
「やっぱりそういう事か。クリエイトゴーレムでも魔力が切れれば、ただの物質になっていまうんだな。動き続けさせるためには、魔力の供給が必要ってことだ。よく考えたら壁を修復する機能をつけるために、魔核を埋め込んだりしているんだから当たり前か。
魔力を込めないとクリエイトゴーレムも使えないんだ。そういう意味では、魔核って俺の代わりにクリエイトゴーレムを、使い続けているって事になるのか? 金属を粘土のように扱えたからって、何か得することなんてあるかな? 老ドワーフたちに今度使い道があるか渡してみるか」
「シュウお兄ちゃん、大好き!」
急に寝ていたネルが声を出したので様子を見ると、寝言を言っているようだった。
「ネルちゃん! 私の方がお兄ちゃんの事、好きなんだからね!」
今度はシェリルか……
「二人はまだまだ、私の方が兄様のことを好き」
イリアもか……寝言で会話をするって、本当に仲がいいな。それよりも意外な事実だ。三幼女は俺のことを、お兄ちゃんとか兄様って呼んでいるんだな。
俺のいない所で俺の会話になったら、そう呼んでるって事かな? 今度三人に聞いてみるか。他の妻たちにも聞いてみよう。そろそろご主人様じゃなくて、違う呼び方で呼ばれたいな。
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