389話 帝国の騒動終了!
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「さて、今の自分の立場が理解できたかな? 皇帝くん?」
「こんなことをしていいと思ってるのか!? 私は皇帝だぞ!!」
「帝国って実力主義なんだよな? 俺はこの国の人間じゃないけど、俺の方が強いんだから、こういう状況になってもしょうがないんじゃね?」
「小僧は何もわかってないな、この国が実力主義でも、ランキングを決めるきちんとした試合があるのだ! 貴様らみたいな数人での強襲・不意打ち・闇討ちなどで得た勝利など、この国で何の意味も持たんのだ!」
「そんなことは知らん。俺は暗殺されそうになって、怒ってるわけだ。暗殺されそうになったんだから、それ相応の仕返しがあっても不思議じゃねえよな? お前たちはディストピアが欲しいからって、やりすぎたんだよ。それに今のお前は俺の命令には、逆らえない状態だって気付いてるか?」
「何馬鹿なこと言っている? 私がこの国で一番偉いのに、なぜお前の命令など聞かなければいかない?」
「黙れ!」
「ふざけt……ん~ん~!!!!」
「きちんと効果は出ているみたいだな。俺の暗殺を命令したのはお前か?」
「……ちが、う」
「じゃぁ、誰が殺すように言った?」
「……しん、た、く、があったのだ」
「あの神たちが主導したのか、お前はそれに従ったってことか?」
「そう、だ」
「お前が命令しているようなもんじゃねえか! 神のせいにするなよ、お前が神託通りに命令しなければ、こんなことにならなかったのにな。もう一つ、お前はディストピアにちょっかいかけて、何をしたかったんだ?」
「いい武器が多いと聞いた。ドワーフも多く品質の高い武具や魔道具も多かったから、その街が欲しかったのだ。地下通路によって街同士がつながっているんだ。安全に行き来できて、樹海の素材が手に入る街なんて他にあるわけないだろ? 私が欲しがるのも必然だ!」
「ふ~~ん、もういいや、ここにいる全員に命令する、これから先俺たちの街に、不利になるようなことは一切するな、不利になるようなことを知った際には全力で止めよ」
隷属魔法で俺に縛られているので、誰も反論することができない。この先もずっと有効になるので、誰かを介して悪巧みをすることもできないし、俺たちに不利になることを知った場合は、全力で防いでくれるだろう。
「あ、それ以外はあくどい事じゃなければ、特にこちらから縛ることはしないよ。くれぐれも迷惑をかけるなよ? でも、皇帝の側近と勇者は連れてくから! 文句は一切受け付けない、以上!」
これで帝国でしなきゃいけないことは全部終わったな!
「あの……私たちの拘束は、解いてくださらないのでしょうか?」
おっと、いけねえな! 目の覚めた文官も全員手を縛ったままだったな!
「みんな適当に数人の縄を解いてやってくれ、解いてもらった人間が他の人間の縄をってやればすぐだろ?」
近くにいた五人の文官の縄をほどいて解放すると、その五人が次を、次は十人で……と繰り返していき、全員解放となった。
ごめん、嘘ついた。俺の前にいた皇帝だけは、まだ簀巻きの状態だったわ。縄じゃなくてワイヤーで簀巻きにされていたので、俺の命令をきちんと聞いて解放しなかったのだ。
「早く私を解放しろ!」
ここにきても、偉そうな感じが抜けないな。まぁ今回で会う事もほとんどなくなるだろうし、放置でいっか。うざかったら命令すれば、多少ましになるだろうしな。
「あ、皇帝、お前に限っては暴力禁止な。トレーニングや試合、戦闘なんかは許可するけど、それ以外で力を使うのは禁止。トレーニングや模擬試合で、八つ当たり的なのも禁止な! 俺がいなくなってからなら、こいつの拘束を解いてもいいぞ」
俺はそう指示をしてから広場を後にする。次に行く場所はインペリアルガードと勇者がいる、サキュバスたちの場所かな。この十五人を連れて帰らなきゃいけないんだよな。どうやって連れていくか?
「な~な~、連れて帰る十五人をどうやって運ぶのがいいか案ないか?」
「簀巻きのまま馬車の中に入れとけばいいんじゃない? レベルの高い人間なら一週間くらいなら、飲まず食わずでも死なないらしいよ?」
綾乃が俺の質問に答えてきた。
「死なないのはいいんだけど、馬車が汚れるかな? って思ってな」
「馬車の荷を積むところの代わりに、檻をつけてみたら?」
「なる程! 馬車は移動するためにずっと使ってたから、それ以外の物を運ぶこと考えてなかったわ」
「ご主人様、普通はキッチンを運ぶより、罪人を檻で運ぶことの方が一般的ですよ」
「気のせいだ! あ、簀巻きにしてるなら、安物の幌馬車でも十分か? 俺たちの馬車に使ってる軸なんかを使えば、速度出しても問題ないしな。召喚するから、みんな準備はじめてくれ」
みんなが動き出す中、綾乃はどうしていいか分からず、立ったままで固まっている……違った、
「ねぇ! あなたも私と同じ能力があるの? しかもこんな大きなものを作り出すなんて! 私の存在意義がなくなる!」
「お前さ、ダンマスについて何か聞いてないのか?」
「んにゃ、なんにも」
「簡単に説明するぞ。ダンマスはDPってのを貯めて、それを消費して色々なものを召喚できるんだ。小説にあるような、ダンジョン内に長くいさせたり殺したりすると手に入るあれだ」
「なるほど! でもそのDPっていうのは、無駄遣いしてもいい程沢山ゲットできるの? それだとダンマスの方が有利な気がするけど?」
「普通のダンマスはやりくりに苦労しているだろうな。俺はちょっと抜け道を発見して、荒稼ぎしてるからこの程度は使っても何の問題もない!」
「何それ? チート? 私の存在意義なくない?」
「それは大丈夫だ。DPを大量に稼いでるとは言っても、世界の相場に合わせてDPが必要になってくるみたいだから、最近よく使っているミスリルとかが、品薄になってるんだよね。
高いからDPで出すのは控えているし、ダンジョンに取りに行くのも、時間がないから行ってないし。鉱石が出せるなら、それは楽だからたすかるんだが? 無理なのか?」
「それなら問題ないわね! 魔力があれば出せる素材ね!」
「後は、ポーションの素材とかも出せるなら、仕事はたくさんあるぞ!」
「私の仕事は決まりそうね! この国にいた時と大して変わらないけど、あんたの街の方が断然良さそうね!」
「それができるなら、メイドの嗜みを一通り覚えてもらってから、他の事を決めようか」
「えっ!? 私は素材出してるだけで、食っちゃ寝してればいいんじゃないの?」
「んな馬鹿なことあるか! それだけじゃ仕事にならんだろうが、といっても多少戦闘訓練してレベル上げて、スキルも覚えてもらう予定だから、それが終わるまではたいした仕事はないぞ」
「どんな事させられるんだろう……」
眉間にしわを寄せてめっちゃ悩んでるみたいだけど、ディストピアにつけば変わるだろう。綾乃には言ってはいないが、素材づくり以外はしてみたいことをやらせるつもりだ。
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