385話 皇帝の最後?
戦闘シーンって難しいですね。
頭でイメージをして文章に書き起こす形でやっていますが、上手く書けません・・・
参考になるバトル小説とかありますかね・・・?
皇帝の表情が変わった! その次の瞬間に一気に距離を詰め、三幼女に襲い掛かろうとしていた!
一番最初に気付いたのは、三人の中で普段は前衛として戦っているのシェリルだ。シェリルが動き出したところを見て、イリアとネルも行動を開始した。
ネルは簡単にかけられるバフをいくつか唱え、イリアは皇帝に向かって行動阻害魔法をかけていた。皇帝の不意打ちのターゲットになっていたのは、装備から見て後衛のイリアを狙ったものだった。
シェリルはイリアと皇帝の間に入り、大きめの片手剣をガントレットで防いだ。防がれた事に驚いたのは一瞬、次の瞬間、何も持っていなかった左手に同じサイズの片手剣があらわれる。
シェリルから見て右から薙ぎ払うように迫ってきた剣だが、シェリルは一切慌てていない。剣がシェリルに当たる前に何かによって止められていた。
シェリルの横にはネルが立っており、皇帝の左手の剣戟を止めていたのだ。
シェリルとネルは剣をはじいて懐へ飛び込んでいる。シェリルは皇帝の左わき腹をフックのような形で殴り、ネルは体勢を低くして右の膝をめがけて拳を突き出していた。
皇帝は、はじかれた左腕を強引に下げてシェリルの拳をはじく。ネルの右膝への攻撃は、何とか足をあげて足の裏で攻撃を受け止める。
器用なことするおっさんだな。体勢が崩れているのでシェリルたちが攻めるのかと思いきや、皇帝は足の裏で攻撃を受けた反動も利用して後ろに飛んでいた。
距離をとって様子を見ている皇帝を、イリアが休ませるわけもなく、精霊魔法を行使していた。イリアのお気に入りの樹の精霊にお願いして、ソーンバインドを使っている。
フルプレートではなかったので、拘束の効果は高いと判断したのだろう。思ったより効果が薄く強引に引きちぎられてしまっている。
イリアは頭を切り替えて阻害系ではなく、直接攻撃に魔法を切り替えていた。火・氷・雷・土の4属性を精霊と協力して放ったが、思ったより効果が薄い。
何か違和感があるな。シェリルとネルの攻撃が防がれたのはわかるけど、イリアの魔法の効果が薄いのは理由が分からない。魔法の制御は多少甘いが、攻撃力だけで見れば嫁の中でも高いのに、何故だ?
イリアの魔法を受け切った皇帝は、ネルの左に回り込み二本の剣で攻め込もうとしていた。左手の切り下げをガントレットで受けられると、右手で下段、足を狙った攻撃を行ってきた。受け止めれないとわかったネルは、受け止めていた剣を軸にさか上がりでもするかのように足をけり上げて移動する。
その隙を皇帝が見逃すはずもないため、両手で突きによる追撃を行おうとしていた。
シェリルもネルに集中している隙を見逃すはずもなく、気配を消したまま背後に回っており、浸透勁を準備していた。タイミングを計って全力で叩き込む。さすがの皇帝もこの攻撃には驚き、思った以上の攻撃力の高さに舌打ちをしていた。
というかシェリル、いつの間に気配消したんだ? 俺も気付かなかったぞ。
皇帝が体勢を立て直すための時間を与えるわけもなく、イリアが魔力を練って、あれ? イリアってエアリペットの魔法使えたっけ? さっきのライムの魔法を見て、まねてるだけじゃないよな? と思ったが、風精霊が近くにいるので、精霊に頼んで魔法を行使する感じかな?
魔力の練りこまれたエアリペットを皇帝に向かって放つと、制御が甘かったせいか届く前に圧縮した空気が爆発してしまっていた。だが、空気を打ち出す方向の制御は完璧だったようだ。
イリアは何かが気に入らなかったようで、『不機嫌です』という表情が丸出しである。どうした?
エアリペットの威力にやられて皇帝はさらに体勢を崩し、その間にシェリルとネルは皇帝との距離を縮めている。
今回はさっきとは違い皇帝の両サイドに回り込むような動きで、二人の間に皇帝が来るように立ちまわっている。
皇帝もはさまれているとはいえ、戦闘経験の豊富さをうかがえる。シェリルとネルが隙をついて攻撃をしているのだが、その攻撃音が人間同士で起きるような音じゃないんだよな。鉄工所みたいなところで、機械で金属が金属を叩くような音がするのだ。
こちらの世界にきて長いが、いまだにこの感じは慣れないんだよね。だってさ、ステータスの恩恵があるとはいえ、幼女がだぜ? 鎧を殴ると機械で叩いたような音がするんだぞ? まだ自分の感覚がおかしいのかと、思う時があるんだよね。
皇帝の攻撃は、変幻自在といってもおかしくはない。二人を攻撃していて、シェリルとネルは少なくない傷を負っている。
ネルは攻撃の合間に回復魔法を行使して、シェリルと自分の傷を治している。何度止めそうになったことか、過保護といわれてもしょうがないとは思うが、三幼女が傷つく姿を見ると、手を出したくなっちゃうよね!?
その間もイリアは、魔法で二人を援護しているのだが、効果がいまいちの様で泣きそうな顔をしている……あれ? これってやばいパターンじゃね? イリアのまわりに精霊たちが集まって来た。
「二人とも、そいつから離れろ! イリアがでかい魔法撃つぞ!」
俺のセリフを聞いて、二人がイリアの姿を確認すると、ギョッとした顔をして慌てて皇帝から距離をとっている。
置いてかれた皇帝は、状況がつかめずにポツンと立っている。
この魔法の感じって、俺が遊びでみんなの前で使った、広域殲滅魔法のメテオレインに似ているんだよね。サッカーボール位の大きさの石を、空から広範囲に雨のように降らせる魔法だ。でも、似てるだけで何か別物の予感。
上を見て開いた口が塞がらなくなった。大きさ三十メートル位の巨大な岩が空に現れたのだ。
でかすぎんだろ! それが何も気付いていない皇帝に落ちていく、あれ? 皇帝に近付くにつれて、岩が小さくなっている気がする。どういうことだ? 皇帝も岩に気付いたが気付いた時には、もう距離がなく回避不能の距離になっていた。
皇帝に着弾するときには小さくなったとはいえ、二十メートル程の大きさだったので、十分な威力を発揮しただろう、皇帝死んだか?
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