378話 四人目の勇者の真実
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「お~、やっと起きたか」
俺が蹴飛ばしたり、鈍器でぶったたいたりして気絶させた勇者たちがやっと目を覚ました。
「それにしても、ステータスの恩恵でなかなか死ねないし、回復魔法もあるから地獄だな。でも、お前らに理不尽に殺された人たちに比べれば、まだましだよな。雑談はこの辺で終わりにして、質問を再開しようか。本当に帝国主導で行われたのか?」
「そうだ。よくわからない儀式で俺たちが呼び出されて、その中の俺が闇魔法を使える事を知ってから、今回の計画はスタートした。どこから得た知識か知らないが、闇魔法に詳しくて色々教えてもらったよ。
俺も初めは闇魔法で操ろうとした人間が、耐えられなくて死ぬとは思わなかったんだよ。でも、こいつらは人間じゃないから、いくら死んでも問題ないって……」
ん~状況や環境、雰囲気に流されて、この勇者も半分洗脳された感じか? こういうのも集団心理なのかね?
「皇帝は黒っぽいか。上層部のどこかは黒だよな。捕まえて拷問して……あ~、ツィード君連れてきてないな。帝国の人間なら隷属魔法でも、奴隷の首輪でもいいか? もし違うなら解除すればいいだけだしな」
「本当のこと言うんだから、助けてくれるんだろ? 何でも言うこと聞くから! 助けてくれよ!」
「お前らは助けを乞うた人たちを助けたのか? そんなわけないよな。何人殺したかは知らないけど、自分たちだけ助かれるなんて思ってないよな?」
「はぁ? じゃあなんで蹴飛ばされて殴られて、こんなに痛い思いしなきゃいけねえんだよ! ふざけんじゃねえ! 助けろよ!」
「何で蹴飛ばされたかって? そんなの俺がイラついたからに決まってんじゃん、一種の八つ当たりだよ! ムカつくからボコる、シンプルな理由だろ? 何せ俺は殺されかけたんだから……八つ当たりじゃないか? 正当な報復ってところだな。
一番初めに言っただろ、殺すってな。早く色々しゃべったほうが、苦しみは続かないで済むぞ。ごねたりすればするほど、生きている時に苦しむ時間が増えるから、考えて発言しろよ?」
勇者たちは絶望の表情で俺の方を見ていた。
「今はそいつらは必要ないから、適当に牢屋作って放り込んどくか。アダマンタイトの特製の牢屋をさくっと作るかな」
一つの牢屋というか檻かな? アダマンタイトを二メートル×二メートル×二十ミリメートルの壁板を五枚、二メートル×直径二十ミリメートルの棒を二十本準備した。壁板一枚は扉をつけるために、クリエイトゴーレムで切り離した。金具などもアダマンタイト製で、クリエイトゴーレムで作成している。
大体の大きさに合わせて重ねて、クリエイトゴーレムで接着して完成! 接着といっても、ただくっつけているだけじゃなく、素材的にもともとくっついていたレベルなので、壊そうと思って壊せるものではない。シュリでも出る事がかなわない檻だ。
しばられた状態でこんな狭い場所なら、まず逃げる事もできないだろう。
「さて、こいつらをこの中に放り込んで、あれだ。放置しておこう。監視は、サキュバスにでもさせておけば、夢見心地でここにいてくれるだろ?」
サキュバスは生気じゃなくて性気を根こそぎ奪ってくから、動けなくなるしちょうどいいだろう。
「帝都の城にいる兵士や騎士って強さどうなんだ? 王国の戦士長だかがレベル四〇〇位だったよな?」
「ご主人様、最近自分で調べること減ってませんか?」
「え? みんなが調べてくれるから安心して任せてたんだけど、嫌だった?」
ピーチが軽くこぼした言葉にちょっと答えると、後ろに控えていたライムがピーチを押しのけて前に出てきた。
「ご主人様が私たちを信頼している証拠なんですよね! それなら否はありません!」
おぅ……そういえばライムって、妻の中でも一番に俺の事を中心に考える傾向があるので、あまり色々任せると無理をしてしまうのではないか?
「やはり実力主義の帝国というべきでしょうか、王国と比べても全体的にレベルが高いですね。お城に控えている兵士騎士たちの平均は、大体五十くらい高いのではないでしょうか。その分、数が少ない印象ですね。
後、この国は皇帝が一番レベルが高いみたいですね、装備も私たち程ではないですが、かなりいい物を持っていると推測されます」
「ん? 一国の王が俺たちよりしょぼい装備を着けてるのか? それってどうなの?」
「ご主人様、お忘れかもしれませんが、アダマンタイトの使われた装備なんて、ダンジョンから数十年に一度産出されるだけなんですよ?」
「でも、ゼロじゃないんだろ? だったらその装備を集められるだけの力は、国にないのか?」
俺の疑問に答えてくれたのは、元冒険者ギルドの受付嬢ミリーだ。
「そういうのは冒険者が発掘してくるので、冒険者から冒険者へ渡るそうで、国にはほとんど渡ることはないですね。お金で国や貴族に渡す冒険者もいますが、高位の冒険者とつなぎを持つために売る人の方が、圧倒的に多いそうです。
中にはこんな話がありました。冒険者の持っていた武器を国が強引に取り上げたせいで、冒険者ギルドが敵に回り一つの国が潰されたといいます。初めは国に対する牽制の話だと思っていましたが、実際に私が受付をしている時に、潰れた国があるので事実だと知った位です」
「さすが冒険者ギルドというべきか? 一人の冒険者のために国を相手取る組織かと思えば、ジャルジャンのギルドマスターみたいに、自分の事しか考えてない奴もいるんだから、落差の激しい事。そういえば、フレデリクを出る原因を作ったのも、大本はギルドマスターの指名依頼だったっけ?」
「あのハゲのせいで、あの街を出る事になりましたね。街は出る事になりましたが、シュウ君の……その……妻になれたので、私的にはよかったですけどね」
「ミリー、その辺で、話がそれてますよ。皇帝だけを捕らえるなら、グレイプニルを使えれば早かったんですが、無いなら正面からですかね?」
「帝国って実力主義なんだよね? もし俺たちに皇帝が捕らえられて、能力が無いと判断されたらそいつの権力ってどうなんのかな?」
「どうなるんでしょう? 皇帝にふさわしくないって言って、引きずりおろされる可能性もありそうですね」
「城にいる全員を捕らえる方が良いかもしれないって事かな? それはめんどいな。俺らが何かした後のごたごたは、帝国に任せればいっか。今回の俺の暗殺未遂に関わったと思われる人間を全員捕えようか。
城の真下には神のダンジョンがあるから大きくいじれないけど、兵舎は少し離れた所にあるから寝静まった頃に、ダンジョンに落として隔離するか? 兵舎の下に広い空間を作って、放棄してからクリエイトゴーレムで、つながってる部分を離してやれば、半数以上は捕らえられるかな」
「そうですね、城にいる兵士・騎士の数がおよそ四〇〇位ですね。多いか少ないかわからないですが、その内夜警備についている数が五十から八十位なので、兵舎をおさえれれば楽になりますね」
「そういえば、城の地下に軟禁されている勇者って、こいつらと一緒に召喚されたんだったよな?」
勇者全員を蹴飛ばして話を聞くと、召喚されたのは四人で三人のおまけで、軟禁されている勇者がいるとの事。四人召喚されたって言ってたし、四人いるってのも知ってるけどな。
女神たちも巻き込んでしまったのに、能力を与えないわけにはいかないので、生産系のユニークスキルを授けたと言っていたらしい。そのせいで飼い殺しにされているとの事だ。胸糞の悪くなる話だな。こいつらの話を聞く分には、こっちに引き込んでも問題なさそうだな。
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