377話 イラッと来たので蹴飛ばした、後悔も反省もするつもりはない
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さぁこいつらに聞きたいこと聞いて……聞きたい事なんてあったっけ?
「まぁいいや、初めましてでいいかな、少女を使って俺を暗殺しようとした屑共。報復しに来た。殺そうとしたんだから、もちろん殺される覚悟はあるんだよな? なくても殺すけどな」
「てめえがダンジョンマスターか! この世界にきて、女を片っ端から洗脳して、やることをやるだけやって、奴隷として売り払っている屑だな! そいつらもそのうち売り払うんだろ? そんな哀れな娘たちを救うために殺そうとしたんだ、何がいけないっていうんだ? 早くこの手錠外しやがれ! そして死ね!」
無言で近付いて今口を開いた勇者の前まで行って、能力向上のスキルに魔力を注いでさらに土属性を足に付与して思いっきり蹴飛ばした。
言葉を発すこともできずに、痛みにもがいている。さすがにステータス差があっても、装備もない強化魔法もかかってない相手に、スキル全開の蹴りをかませばそうなるよな。
「口に気をつけろよ? 俺が妻たちを売り払うだと? 寝言でも許さねえぞクソが!」
壁まで飛ばしたタンクの勇者に向かってダッシュして、さらに追撃の蹴りをいれる。痛みの余り気絶してしまった。
「あぁっ! もう気絶しやがった!」
俺は気絶した勇者を見て、おさまらない怒りをどうするかキョロキョロしていると、転がっている二人の勇者が目に入った。
「俺は何も言ってないぞ! あいつが勝手に言っただけだろ? 俺は関係ない!」
「黙れ屑! 子供を闇魔法で操って、俺を暗殺させようとしていたくせに、関係ないとか寝言でも言ってんのか? 俺の怒りがまだ収まってないんだから付き合えよ、ん? そういえば、暗殺させようとした子供に闇魔法かけたのってお前だよな?」
「違う! 俺がやりたくてやったわけじゃない! 皇帝や女神共がやれっていうからやったんだよ、拒否権がなかったんだ! 本当だ、信じてくれ!」
「屑だってわかってるから、信じるわけないだろ! お前らも神共に召喚されたんだろ? 俺も召喚されたから分かるが、神は行動に制限をかけることはできないんだよ。という事でお前も眠っとけ!!」
タンクの勇者と同じように蹴り飛ばしたが、骨が折れる感覚が蹴った足に伝わってきた。あれ? 同じくらいで蹴ったのに、骨が折れた? タンクのユニークスキルでダメージ軽減みたいなものもついてたのかな?
タンクの勇者と同じように後衛の勇者が壁まで飛んでいく。痛みで気絶していたようだが、壁にぶつかって地面に落ちた衝撃で、折れた骨が体のどこかに刺さってその痛みで目が覚めて、体を動かした反動の痛みでまた気絶する……忙しい奴だな。
残っているシーフに視線を合わせる。
「俺は何も言ってないし、闇魔法もかけてねえぞ! 俺は巻き込まれただけだ! 本当だ信じてくれ!」
「そうなのか? 信じて……やるわけねえだろうが! 少女が持っていたナイフについていた毒は、お前が作ったんだろ? お前の腕輪から毒瓶が色々出てきたから、違うとは言わせねえよ! 違っても二人を止めれなかったんだ同罪だ、よっ」
前の二人と一緒で飛んでいって、痛みで気絶と覚醒を繰り返していた。少しはすっきりしたので妻たちに指示を出す。
「そいつらを話せるくらいまで回復させてくれ、全快させる必要ないから適当にやってくれ」
指示を受けたピーチとキリエが勇者たちを回復させていく。そうすると痛みで気絶と覚醒を繰り返していた二人が目を覚ました。それにしても痛みで気絶するくらいなのに、ショック死しないんだな。地球でもそうなのかな? それともステータスが高いからか?
「さて、こっちの質問に答えてもらおうか。一応聞いておきたいのは、帝国は今回の件に関与してるのか? それとちょくちょくお前らのいた部屋に、この世界の人間が来ていたみたいだけど、そいつらはどうした?」
ビビっていた後衛の勇者がしゃべりだす。
「帝国は今回の件に関わっているというより、グレッグの状況みて奪いたいからってことで、俺たちが召喚されてディストピアに何かしろって言われたんだよ。女神たちの話もあったから、俺らはあんたを殺そうとした。お前さえ何とかすれば、ディストピアも支配下にある街も解放できるって聞いたからな」
なんとなく言ってる事は筋が通っている気がしなくもないな。一回目で本当の事を言うとは限らないので、念には念を入れておかないとね!
俺は笑顔で近付いて相手を安心させてからの~腹部への蹴りを行う。また壁まで飛んでいき痛みで気絶と覚醒を繰り返していた。
「で、本当の所はどうなんだ? シーフっぽい勇者さんよ」
「う、う、嘘じゃない! 俺たちが召喚されたのは、帝国がディストピアを何とかしたいって言う事で召喚されたんだよ! 四人もまとめて呼び出されたのは、初めてだったらしくてかなり喜んでたよ。それであの部屋を与えてくれたんだ! 今回の件は女神様の意向もあったが、帝国主導で行われているはずだ!」
「ふ~ん、じゃぁ連れてこられてた現地の人たちは?」
「……少し実験に付き合ってもらって、家に帰してた」
「もちろん、生かして家に帰したんだよな? 死体だけを返したってことは無いよな?」
「俺は殺してない! 殺してたのはあっちで転がってる、魔法使いの闇魔法に耐えきれなくて死んでたんだ! 俺じゃない!」
「う゛そ゛を゛つ゛く゛な゛……と゛く゛て゛お゛ま゛え゛の゛ほ゛う゛か゛こ゛ろ゛し゛た゛た゛ろ゛!」
壁際でうめいていた後衛の勇者が、シーフの勇者のしてきた事を告げてきた。
「ご主人様、おそらくですがこっちの屑が助かりたいがために、自分のしたことを報告せずに、全部あっちの屑のせいにしようとしたのだと思います」
「なるほどね、俺にはどっちが本当のこと言ってるかも分からないから……重装備の勇者、目が覚めてるんだろ? どっちが本当のこと言ってる?」
「……両方とも本当の事を言っています。ですが、闇魔法で殺した人数より、毒で殺した人数の方が多いはずです」
「だってさ、お前、俺に嘘ついたんだな? という事でお前も吹っ飛んでけ!」
また蹴り飛ばし、同じ結末をたどっていた。
「重武装、お前はなんでその行為を止めなかったんだ? 目の前で何人も死んでたんだろ? どうしてとめなかった?」
「俺は、連れてこられたのは人間じゃないって言われてた」
「お前はあれか、自分以外は人間だと思ってないのか? 動物だったら無条件で殺していいって思ってるやつか? 俺が蹴っても大してきかなかったから……鈍器で殴るか」
「待て待て! 俺は本当のこと言っただろ? 何で殴られなきゃいけないんだよ!」
「お前らに殺された人たちも何で? って思っている人多かっただろうな、そう思われてたときお前たちは何をしてた? 助けてたら、死ぬわけないよな? お前らが今命乞いしても無駄なのわかってるだろ? って事で、もっかい吹っ飛んでおけよっと!」
さすがに武器での攻撃にはスキル補正もつくので、タンクの勇者も他の二人と同じ運命をたどって、痛みで気絶と覚醒を繰り返していた。
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