368話 ゲーム月間半ば、妻たち心配する
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チビ神にブッ君を貢いでから、のんびりと一日過ごした。
予定をたてた通り、次の日の朝からゲーム漬けの毎日がはじまった。一日は、体が鈍らないようにストレッチから始まる。朝食を食べて、スケジュール通りに日が過ぎていく。
そうやってニ週間が経過する。
俺の計画通りニ作品のゲームをクリアした。ニ作品目がクリアしたのが昨日だ。あまりにもゲームに集中しすぎていたので、妻たちが心配して今は連れ出されている。
「ご主人様、今日は一日私たちとゆっくりしてください。たまには家族サービスをしてほしいです!」
あれ? 毎日ゲームにあてる予定だった四、五時間を妻たちとの交流にあてていたんだけどな……
妻たちの事は好きだからいいんだけどな。今俺がいるのは、ダンジョン農園の一画、家畜のいるエリアだ。そういえば、家畜臭くないな? よく見ると牛や豚、馬の足元や体にジェル状の何かがいる。
あぁ、ダンジョンの掃除屋のグロテスクな方のスライムか。体まできれいに……え!? あいつらって普通に、肉とか溶かすんじゃなかったっけ? 鶏の所にいるスライムはつつかれてる、少し食われてるんじゃねえか?
「あ、ご主人様、やっぱりあのスライム気になります? あれはですね、スライムに魔核を埋め込んでみたんです。そうしたらランクDまでの魔核なら、スライムの魔石が吸収して、魔核に書き込んだ命令の一部の文言だけ反映されるんですよね。
ただランクC以上の魔核では、スライムの魔石が耐えられないのか、死んでしまうんですよね」
スライムって意外にすごいんだな。ライムの話を聞いていると、どうやら行動的なものなどは一切受け付けないが、溶かす物の指定や溶かしてはいけない物の指定の文言は反映されるらしい。
家畜の身体の汚れだけを綺麗にするように指定して、ダンジョン農園の家畜エリアに解き放たれているようだ。そもそも何で魔核をスライムに埋め込もうとしたんだろうな?
気になることが一つ、なんで家畜エリアに来ているのだろう?
「ご主人様、今日は何でここに来てもらったかといいますと、ご主人様の好きな物の品種改良が一応終わりましたので、その試食をしていただこうかと思いまして。その前に動いているところを見て頂こうかと……? どうなさいましたか?」
「いやさ、日本で言うと地鶏みたいなものかなって思ったけど、結構ワイルドに育っているのかなって・・・」
「あ、ご主人様の住んでたところでは、ヨウケイでしたか? 食べるために育てて色々管理しているんですよね? ここでも、食べるために育てていますが、鶏たちが本来生活しているであろう場所を再現して、自由に育てています。
いくつか試してみたのですが、肉の硬さや味等をかんがえると、今の鶏が一番良かったので何度か代を重ねてみて、先日やっと満足できるものになったんです」
嬉しそうにエレノアが報告してきた。ここの担当ってエレノアだったっけ?
「ご主人様の好きな内臓系も、すごくおいしいんですよ。特に砂肝の大きさや、ハツのおいしさはびっくりすると思いますよ。先にブラウニーたちが捌いて準備してくださっているので、少し見たら向かいましょうか。その他に鴨もいい品質の物が出来上がりましたので、一緒に出しますね」
遠くから何かが焼ける匂いがしてきているので、おそらく鳥を使った料理だろう。楽しみだ!
少し見て回った後に、匂いのもとに向かってた。近付くとタレの焦げる匂いが俺の食欲を刺激する。見た感じ、焼き鳥にされてるのは、皮・胸・もも・ボンジリくらいしかわからんな、他にも何種類もあるんだけどなにかわからん。
他に見てすぐわかったのは、砂肝とキンカンの甘辛煮と鴨のステーキだな。どれも美味そうだ。甘辛煮の砂肝は、もちろん飾り包丁みたいに山になっている部分を薄く縦にいくつもの切れ目が入っている。
すすめられるままに口に運んでいくが、どれもこれもとても美味だった。ハツや胸、ももは期待を裏切らない味だったが、驚いたのはハラミとセセリと呼ばれる部分だった。
鶏のハラミ? とか思ったが、腹壁の筋肉という事でハツに似たと言っていいのだろうか、いい歯ごたえでおいしかった。セセリは鶏の首付近の肉なので、一羽からとれる量が少ない部位だ。脂が程よく乗っていて、香ばしく焼き上げられたセセリはとてもうまかった。
それ以外は説明を受けたが、美味い以外覚えていなかった。
食事のために準備された飲み物は黒烏龍茶だ。まだ日本にいた時に飲んだことはあったが、ただ苦いだけのお茶だったイメージしかなくいい思い出が無かったのだが、今回出された黒烏龍茶は苦い事は苦かったが、その中にうま味のような物があり美味しく飲めた。
うちの精霊たちにかかれば、何でもうまくなるのではないだろうか? そんなスキルを持っていてもおかしくないな。
最後に食べたのは、鴨のステーキだ。どう調理したかまでは分からないが、外はカリカリで中までしっかり火が入っているのに、中がレアに焼き上げられた鴨ステーキは、信じられないくらい美味かった。他にもたくさん食べていたのに本当に美味いと感じたのだ。
「やっぱり鴨が一番おいしかったですか? やっぱり品種改良に大成功したのが鴨でしたからね。他のもまずいわけじゃないですが、この鴨に比べるとどうしても一段低く感じてしまいますね。鶏もこれからもっとおいしくするので期待していてください!」
エレノアが力いっぱいそう宣言する。
「今のも十分美味しかったけど、もっとおいしいのを期待しているよ。他の家畜も美味しく育ってるんだよね?」
「そうですね、それなりに美味しく育ってはいますが、さすがにもうお腹いっぱいですよね? 品種改良して失敗と言っていいんですかね、希望の品質に届かなかったお肉は街で売りさばいてますが、お食べになるのでしたら今夜にでも準備しますけど?」
「さすがにこれだけガッツリお肉たべたのに、夜もガッツリお肉たべる気にはなんないかな? また今度でいいや。今度バーベキューでもやる時に食べよう。
あ、帝国の勇者の件が終わったらディストピアでパーティーしよっか、この前は帝国の勇者とバカ神共のせいで、みんなに集まってもらったのにあんなことが起こったからね。盛大にやろう!」
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