2511話 少しは調子が戻ったか?
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探索から戻ると、子どもたちの元気な声が聞こえてきた。
やはり、俺では限界があったな。こういう時はやはり、姉弟や母親の方がいいんだろうな。悲しいけどしょうがない事だろう。別に嫌われているわけでもないから、良しとしよう!
部屋に戻れば、ディストピアの家にいた時とは違い、シンラ・プラム・シオンがこちらに向かって走って来て、足に抱きつきこちらを見上げている。
その様子が可愛かったので、3人の頭を撫でてしまった。
プラムとシオンが目を細めている姿を見ると、ミーシャたちと血が繋がっていると感じるな。同じ年位の時に頭を撫でると、こんな顔をしていた気がする。今でもたまにこんな顔をするっけな?
最近は恥ずかしいのか、顔を伏せてしまうから俺の視線からだと見えないんだよな。しゃがんだ時にでも、頭を撫でてみようかな?
遅れてミーシャたちがやって来て、シンラたちを回収……抱きかかえてくれた。俺が疲れていると考えたのか、下の子たちを離してくれたのだろう。優しい子たちだな。
ミーシャたちは状況を理解してくれているんだろうな。向こうでは、まだ1日過ぎてはいないはずなのに、しっかりと状況把握ができているとか、天才なのではないだろうか?
そんなことを考えていると、バカな事考えないでしゃっきりしてくださいって突っ込まれてしまった。
やはり俺の思考は家族に簡単に読まれてしまうようだ。ドッペルを介しても俺の思考が読まれるということは、スキルなどの効果ではなく、単に家族だからバレやすい何かを持っているということだな。
ミーシャたちは、シンラたちを抱えたところで、重く感じることはない。この子たちは、100キログラム位であれば、簡単に持ち上げてしまうくらいのステータスがあるからな。
前を向いたまま抱かれているのはシンラだけだが、プラムとシオンはスミレとブルムにラッコのように抱き着いている。シンラの事も好きだけど、姉の事も好きな子たちだからな。
いつもの様子のまま夕食になるかと思ったら、今日はいつもと違った感じの食事風景となる。
昨日の夜は、シンラたちが食事を戦争のように料理を取り合わずに、昔のミーシャたちみたいに今日あった事を3人が同時にしゃべる感じだ。
なんか懐かしさを覚えるし、ミーシャたちも優しい表情で聞いている。
ミーシャたちは、シンラたちが生まれてお姉さんになったと思ったけど、今の様子を見ていると大分変った気がする。お姉さんなんだけど、一足先に大人になってしまったような印象を受ける。悪い意味ではないので、成長を感じる。
食事が終わると、ミーシャたちがシンラたちをお風呂に入れてくれるようで、お風呂へ連れて行ってくれた。ライラとマリーも一緒についていったが、ピーチだけはここに残っている。
どういうことか気になっているとすぐに理由が判明する。
「まずはディストピアの家の件なのですが、ミーシャちゃんたちがいる場所に、DBSを搭載したお風呂場と食堂、トイレを準備してもよろしいでしょうか? 憑依する場所は通常の場所で行い、お風呂と食事、トイレはこちらの時間に合わせる形ですね」
お風呂と食堂とトイレは、ミーシャたちが向こうに戻って行動しないといけないので、あまり時間をかけ過ぎると向こうとこちらの時間がズレすぎてしまうので、憑依する場所以外はDBSに変えてしまいたいようだ。
でもさ、俺に聞く必要あるんかそれ? バザールの本体も向こうにいるし、四大精霊たちも今回はかなり動いているって話だし、そいつらに頼めばいいんじゃないか? 俺に言ってもここからは元の世界をいじれないから、俺に言う必要なくね?
「始めは四大精霊の方たちに頼んでいたのですが、目的とは違う部屋にDBSを搭載させると、通常の10000倍以上のDPが必要だったので、確認をさせていただいています」
「こっちで10000倍は無いけど、向こうだったらいくらでも使っていいだろ。DPなんていくらでも入ってくるんだからさ。いざとなれば、バザールが作りためておいたアダマンタイト製の武器を還元してくれるから、気にせずに使っていいぞ」
大量にDPが必要だから、許可を取りたかっただけだったな。別に俺に聞かなくてもいいのにな。1割くらい残っていれば、使うのには十分な量だし気にする必要はないのにな。
こっちで手伝ってくれるミーシャたちの負担を減らせるなら、その100倍だろうがかまわんからな。妻たちの使う部屋にもDBSを置きたかったら、許可出すから気にせずにDPを使ってくれ。
バザールには、DPを分け与える形と、あいつが管理しているダンジョンから得られるDPしか操れないので、ここは四大精霊たちに任せるのが一番だな。あいつらには制限がかかっていないから、特殊な能力以外は全部解禁されている。
この話はすぐに終わったので、俺も子どもたちを追いかけてお風呂に入ることにした。
お風呂場に到着すると、変な光景を目の当たりにする。
シンラが1人で太々しく座っているのだ。体も洗わずにスライムたちを纏わりつかせた状態で、どっかりと座っている。
何をしているのかミーシャに聞いてみると、俺が来るのを待っていたらしい。
姉たちじゃダメだったのか? とシンラに聞きながら頭を洗っていると、来る気がしたからおとーに任せると言われたわ。姉たちに面倒なことをさせずに、俺に面倒なことを押し付けたかっただけのようだ。
なんとも面倒に育ってしまったものだ。
その内一人で入れるようにならんと、プラムとシオンに全身洗われることになるぞ、などと思いながら髪の毛の泡を落としてやる。
その時に一瞬ブルッとしていたが、寒かったのだろうか? まさか、ここで小便をしてないよな……子どもだからあり得るか? 一応綺麗に流して、スライムたちにコッソリ綺麗にしておくように命令する。
その後は、いつもと変わらず、スライム風呂とも呼べるものに浸かったシンラは、おっさんのように太い声を出していたな。
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