2506話 DPを稼がなければ……
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勉強も終わり、昼食まではもう少し時間がある。家にいれば庭で走り回ったりするタイミングだが、ここではそんなことは出来ないので、大人しく過ごすしかなくなってしまっている……
っと、スライムたちがいるのだから、スライムナイトレースができるな。DPを余分に使ってしまうけど、子どもたちのために作るのはどうだろうか?
ブラウニーたちは別に準備するのではなく、子どもたちでも走って遊べるようなコースを、運動場に作るようにお願いされた。
プールと運動場とレース場の3つが準備できた形だな。
シンラたちにコースを見せると、さっそくスライムたちに乗って走り回り始めた。
コースといっても1種類ではなく、コース上の中に色々な道を通して、仕切りで区切ることでコースの形を変えることができるものだ。
このコースは、以前作ろうと計画をして設計したのだが、結局使わなかったコース案をここで使った。
このコース場だけでも300メートル四方はあるので、東〇ドームの倍くらいは広い。
余談だけど、広さの単位で東〇ドーム何個分という形で使われるが、どのくらい広いかなんて言ったことある人にしか分からんよな。で、公表されている面積はドームの建造物全体の広さで、テレビとかで見るグランドと客席を合わせた広さではない。
視認できない範囲を含めている意味は良く分からないけど、それだけ大きいということを相手に伝えたいのだろう。でもさ、何個分とか言われても、元の大きさが良く分からないからピンとこないよね。
分かりやすい数字の出ている、サッカーコート何面分とか、陸上競技のトラック何面分とかの方がよほど相手に分かりやすいと思う。サッカーコートは、場所によってサイズ多少違うので変動するから、ほぼ固定の陸上競技のトラックがベターか?
でもあれは四角じゃないからイメージがしづらいか? それでもドーム何個分というよりは分かりやすいか? とにかく大きい物の代名詞で使われているのだろう。それに使われた時期を考えれば、野球の知名度は高かったし、拠点にしているチームの人気も高かったから使われたのだろう。
とにかく広大な土地を使ってコースを作ったから、何百回も楽しめるコースになっている。
外周を走るだけで1200メートルはあるので、かなりの距離だ。この中をグネグネとコースを走るので、長いコースとなれば3000メートルを超すコースも作ることが可能だ。
っと、コース自慢なんてしていてもしょうがないな。
あまりにも広かったので、シンラたちのテンションが爆上がりして、いつものような調子に戻っているのは嬉しい誤算だ。
3人でレースしているだけだとつまらないと考えたのか、スライムたちがスライムに乗って、シンラたちと一緒に走っている姿は……なんか笑えるな。
大きな水餅が重なって動いている姿は、シュール過ぎるのだが……しかも色がついているので、何とも言えない空気感を出している。
シンラとプラムとシオンに差が出るのは、スライムたちの速度の聖なのだろうか? それとも、シンラたちの操る能力の差なのだろうか?
一番早いのはシンラっぽいんだよね。曲がるごとに距離がじわじわとひらいていくのだから不思議だ。プラムとシオンは、同じくらいだと思う。
たまたまシンラのスライムが早かったんじゃないかと主張したプラムが、シンラのスライムに乗り、シンラがプラムのスライムに乗って再び走り始めると……あら不思議。シンラが一番だった。
スライムたちに何も載せないで走らせると、個体によって速度の違いはあるが、シンラたち3人が乗っていた個体は、ほぼ同じ速度で走っていたので、乗る人の技量でも速度が変わるんだろうな。シンラの意外な才能だ。
大きくなってからも使えるような才能ではないし、遊びでしか使えないから微妙ではある。
昼食を食べた後は、お昼寝の時間になったので、俺はさっそくバザールを連れて狛犬の討伐へ向かう。
部屋の前で狛犬を見るが、大きいな。マナガルムは小さかったけど、他の3匹はそれなりにデカいんだよな。体当たりだけで、大ダメージを受けそうだ。
それにしても狛犬の部屋だけ、ケルベロスやオルトロスの部屋にい比べて倍くらい広いのだが……なぜだろうな?
ケルベロスと比べて特段早いというわけでもなく、同じくらいの速度なのでここまで広い必要があるかは謎だが、新しく増えたS級スケルトン4匹を加えた5匹で、狛犬を牽制し攻撃を始めた。
俺は俺のタイミングで最高の一撃を入れる役割だな。
部屋の中に入り、S級スケルトンたちの攻撃を見ながら、突っ込むタイミングを計っている。弓でもいいかと考えたのだが、Sランクが相手だと決定力にかけるのが弓なんだよな。魔法だと相性の問題もあるので、それを探すのも面倒だし、メイン武器で一撃が一番重い大薙刀を取り出している。
腐ってもSランクの魔物だ。俺が動こうとすると、しっかりと反応してくるので、ケルベロスのような頭の悪さは無く、マナガルムを除いた3匹の中では、一番手強い相手だな。
こっちに気付いていてもツッコむべきかもしれないな。バザールに牽制してもらって、最強の一撃を撃ち込めれば手傷を負わせられるはずだ。
手足を奪いたいところではあるがそれは難しいので、どこでもいいから一撃を入れる感じで行こう。
隠す気もなく隙を見せたら突っ込むという意志を前面に押し出す。存在感も上がっており、狛犬の意識もこちらへ向いているが、バザールの操るS級スケルトンが上手い具合に意識を散らしてくれる。
しばらく続けていれば、嫌でもS級スケルトンに意識を割かないと、痛手を負うことは理解するだろう。その時を狙う……
今っ!
意識を加速させ狛犬を目掛けて突っ込んでいく。
俺が動いたことに気付いた狛犬は、俺の攻撃に対処しようとするが、S級スケルトンがそれをさせてくれない。今まで叩きつけていただけの棒を、突き刺してきたのだ。肉に刺さる痛みがS級スケルトンに意識を向けてしまう。
俺は全力で体を切りつける。人間で言えば脇腹あたりだろうか?
深い傷を負わせることに成功したが、次の瞬間、狛犬の体が膨れ上がったように見えた……
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