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ダンマス(異端者)  作者: AN@RCHY


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2484/2519

2484話 やっと……

アクセスありがとうございます。

 今日は武器も何も持たずに訓練場へ来ている。


 大薙刀を使った訓練は、一旦やめた。理由としては、シェリルの動きだ。


 大薙刀の訓練も面白かったけど、やはりシェリルの動きを見た後では、何か物足りなくなってしまっていたのだ。あの完璧なまでの美しい動きは、俺の脳裏に焼き付いている。


 そしてここはダンジョンだ。となれば、ダンジョンマスターの能力で過去を映し出し、その映像をいろんな角度から見ることが可能だ。


 大きな画面に映し出してスロー再生したり、等倍で見てみたり色々してみた。


 1つ言えることは、客観的に見てもシェリルの動きは美しく見えるのだが、俺目線で見た時の動きはそれを遥かに超える物だった。


 俺は人造ゴーレムたちにシェリルの動きを覚えさせるために、様々な角度の映像、俺の主観、シェリルの主観など、ありとあらゆる情報を詰め込んだ。


 訓練でその動きを再現してもらうためだな。


 その結果は、残念な物だった。


 確かに動き自体は真似られているのだが、何故かシェリルみたいに美しい動きとは感じないし、動きも早い事は早いのにシェリルより遅く感じる。


 良くあるあれだろうか……機械では人間の繊細な動きを再現できないという、それと同じような物だろうか?


 動きを再現できる人造ゴーレムでも、限界があったのだろう。


 同じ動きなはずなのに、大きな違いが出る。シェリルはスキルを使っているわけではないので、その差というわけではない。そもそもスキルは使えなくとも、動きをトレースして真似ることは可能だったので、今回は全く関係ないだろう。


 では何か……何度見比べても、その答えは見つからなかった。


 シェリルの動きを模倣した人造ゴーレムの動きを真似て、体を動かしてみる。


 その動きをシェリルの動画と並べてみても、動きは同じなのに何故か差異が生まれる。俺の動きは全く美しくなかった。まったく意味が分からん。


 無駄な動きのない物を模倣したのに、無駄な動きがあるということだろうか?


 考えても分からないから、体を動かしてすっきりしよう。


 シェリルの動きをイメージしながら、人造ゴーレムと徒手格闘の訓練を行う。


 シェリルには合気を使うことができなかったが、人造ゴーレムには何とか使うことが可能だった。速度だけで言えば、人造ゴーレムの方が早いのに不思議だ。


 結局丸1日かけても良く分からんかった。良く分からんけど、シェリルの動きを真似続けた。




 徒手格闘に訓練を戻して3日目。


 シェリルの動きを真似は出来るが、シェリルの様に美しい動きにならない。適度に動かしているためか、体のキレが良くなっているのは実感できている。


 ただ、シェリルの真似を始めて3日目に、普通ならもう筋肉痛にならないと思うのだが、その日は違った。体の内側が痛くなり、始めは筋肉痛だとは理解できなかったのだ。


 何でそのことが分かったかというと、始めは病気だと思い病気が治るように回復魔法をかけてもらったのに効果が無かった。次に体の負傷を直すように回復魔法をかけても痛みは変わらず、動くとぴきっと痛む感じだ。


 初めは体の内側、左下腹部の痛みだったので盲腸でもない。盲腸ならポーションとかでも治るし、回復魔法でも治るのでここまで焦ることはなかった。


 原因の分からない痛みでかなり慌てていたのだが、痛い部分をスカーレットが鑑定したところ、筋肉痛と出たので原因が分かった感じだ。


 部位的に鑑定するという発想はなかったので、スカーレットにどうしてそんなことができるのか知っていたのか聞いてみたら、ブラウニーたちが家畜たちの肉質を調べるために、色々鑑定している時に分かったらしい。


 家畜などの体調が悪くなった時とか、動きがおかしかった時とかに色々鑑定して分かった事なんだとさ。


 そんなこんなで正体不明だった痛みにビビり散らかしていたが、原因が分かったので一安心だった。


 何で訳の分からない筋肉痛が発生したのかは、シェリルの動きを真似したからだと結論が出る。


 おそらくだが、普段使っていなかった筋肉を酷使したために起こった筋肉痛だろうと考えた。


 それでも外側の筋肉……アウターマッスルではなく、内側の筋肉……インナーマッスルが筋肉痛になり、体の内側が痛く感じていたのだろうということだな。


 動きの秘密がここにあるわけではないだろう。インナーマッスルは体幹を強くするものだという話なので、力の伝達が上手くなり攻撃の力になったのだろう。あの重い攻撃の秘密は、インナーマッスルのおかげだと考えている。


 それだけではないだろうが、大きな要因の1つだと思う。


 続けていれば筋肉痛になることはなくなったのだが、そうなったところでシェリルの様に美しい攻撃をすることは出来なかった。俺は、一種のユニークスキルみたいなものだと思うことにした。


 妻たちの話で言えば、俺の薙刀や刀を扱っている姿は、シェリルの徒手格闘のそれに似ていると言われた。一番得意な物を育てるとたどりつける境地かもしれないな。


 そういえば、多少だが体の柔軟性が戻ってきたと思う。まだ180度開脚は無理だが、立位前屈で掌が地面にぺったりとつくくらいには、柔軟性があがっている。


 妻たちのマッサージも、すごく効果的だったと思う。


 なんやかんやで復活してから約1ヶ月で、仕事に戻ってもいいと許可がでた。明日は、溜まった仕事を片付ける作業から始まりそうだな。

ここまで読んでくださり、ありがとうございます。

ブクマや評価をしていただけると幸いです。

これからもよろしくお願いします。

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