2466話 日常に戻る
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おやつの時間になると、プラムとシオンが手伝った物が運ばれてきた。俺に運ばれてきたフルーツポンチには、強力な炭酸水が使われているようで、シュワシュワしている。
くり抜かれたスイカや他の果物と一緒に、炭酸水の入ったシロップを口に運ぶ。
口の中が弾けるような勢いで炭酸が破裂した……ように感じる。
ここまで炭酸を強くした理由は分からないが、これはこれで面白いな。シュワシュワとシャリッとしたシャーベットのコラボもあり、予想以上に美味しかった。
子どもたちの方が騒がしいと思ったら、プラムとシオンが間にいるシンラに、あーんをしていた……まてまてまて、左右から迫られたら、休みなく食べるはめになるのだが大丈夫なのか?
心配していたが、プラムとシオンの器に入っているのは、合わせてシンラの分になるので、強引に食べさせられても問題ないんだった。いつもなら、シンラの器から強引に盗む形でプラムとシオンが食べているから、状況が違い過ぎて忘れてたわ。
おやつを食べられているから不満な様子はなく、ニッコニコな表情をして食べさせてもらっているシンラ。
普段からこのくらい仲が良いと嬉しいのだが、プラムとシオンの愛情だかわからない執着が、シンラの負担になっているんだよな……どうにかしたいけど、どうにもならないのが現状だからな。
怒るわけにもいかないし、かといって放置するわけにもいかないから、状況によってはシンラの事を助けているのだが、なかなか2人には分かってもらえない。俺じゃなくて、妻たちに大半はお願いしている形なんだけどな。
俺には攻撃してくるが、妻たちには攻撃ではなく、一緒に抱っこして! とかそんな感じなんだが……俺の扱いひどくね?
ん~もう少し成長したら、べたべたすることも無くなるあろうって妻たちは言ってるけど、本当に大丈夫か心配ではある。もし離れなかったら、なにか方法を考える必要はあるだろうな。
この世界では姉弟結婚しても、血が濃くなるという心配はないのでその点は気にしていないけど、お前たちにはいろんな人と出会って、色々感じてほしいと思っているんだよな。
うん、その時になったら考えるか。
おやつを食べて子どもたちと遊ぼうと思ったのだが、どうやら起きてからおやつまでの間にあまり勉強も運動もほとんどできていないので、おやつの後に行うようだ。
いきなり俺の予定が崩れたけど、今日はのんびりとしましょうかね。
ネコたちはおやつをもらった後、ランとライ以外は家のどこかへ消えていってしまった。残ったライとランは、自分専用の人をダメにするクッションを咥えてウッドデッキで寝るようだ。
あのクッションって猫もダメにするのかね? 猫部屋に沢山置いてあるけど、乗ってないこともあるから良く分からんのよな。
ライとランは好きみたいだから、ここまで運んできてたまに寝ている姿を見るんだよな。
そのクッションでもへそ天で寝るのか? ん~ランだと大きすぎるから、ライのお腹に顔をうずめるか。
通称『猫吸い』と呼ばれる、猫を飼っている人の大半が行う奇行である。俺もそんな奇行をする仲間なのだがな! 犬にもやっている人はいるけど、あまり声高らかに公言する人が少ないって言うだけなんだよな。
奇行というのも、人間にこの行動をするとなると、とてつもない場所を嗅いでることになるからな……お腹だとへそを嗅いでいるようなもんだし、肉球を嗅ぐと足を嗅いでいるようなもんだもんな。頭なら頭皮だな。
そう考えると、猫吸いって色々ヤバいところ嗅いでるよな……ネコ様だから許されるけど、人間に当てはめると色々ヤバい……
それでもやめられない猫吸い……別にいい匂いってわけでもないのだが、なんか落ち着くんだよな。
頭がお腹とお腹の毛に全部埋まるから本当に凄いな。
ん~よし、猫吸いをさせてもらったからには、猫様にお礼をしないといけませんな。
「ライ、ブラッシングするから、背中を出してくれ。お腹は最後」
そういって、人間をダメにするクッションの上で器用に転がり背中を向けてくれる。
ブラッシングをすると、喉を鳴らす音が聞こえてくる。気持ちいんだろうな。ブラッシングしてほしい位置を器用に向けて動かしてくるあたり、本当に賢い猫だと思う。全体的にブラッシングしていても、本人たちに言わせると甘いんだろうな。
最後にへそ天をしている状態で、腹毛を漉いてやるとそのまま寝てしまう。
近くにいたランも子どもたちの面倒を看てくれたから、特別にブラッシングをしてやろう。体が大きいから時間がかかるけど俺は頑張るぞ。
色々と大変だったがブラッシングをし終えると、後ろに猫の列ができていた……お前らのブラッシングはしないぞ。するなら下の子たちにお願いするんだ。
こういう時ばっかり可愛くおねだりしても、俺にはきかん! 驚いた表情をしているけど、いつもの自分たちの所業を考えれば、たどりつける結論だと思うけどな!
驚いているネコたちは猫じゃらしで撃退し、俺は自由の時間を手に入れた。
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