2457話 まさか今更テンプレ?
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昨日は、空腹より癒しを求めた結果、おやつから夕食までの時間、空腹と戦うことになった。一進一退の攻防の末、何とか勝ちをおさめたが……かなり辛かったな。
空腹のままだと体に良くないからと言われ、少しだけ食べたのが反対に辛かった。若干お腹は満たされたのだが、反対に空腹感が加速してしまったのだ。それが辛かった……
それはさておき、グリエルにお願いしておいた、今日の昼過ぎに王都へ向かう件の話はどうなっているだろうか。確認してみたところ、話はついているようで、王都の周辺までバッハで乗り付けても問題ないそうだ。
予定時間は、昼食を食べ終わってすぐに出発した時間を想定して、相手に伝えてあるようだ。バッハに乗って移動をすれば、30分もかからずに到着できるので、多少の誤差は問題ないだろう。
っと、そうだった。
仮死状態にしている冒険者たちも、漏らす物を漏らしているので、非常に臭い状態だということを忘れていた。仮死状態の解除は、王都の冒険者ギルドで行うとしても、臭い状態のままにしておくのは非常に拙い。
スライムたちに汚物を洗う場所でキレイにしてもらおう。服を着せるのは……人手があった方が楽なので、ディストピアの冒険者たちに頼んだ。昼食の無料券を渡すと言ったら、すぐに10人も集まり定員オーバーしてしまったよ。
男も女も入り混じっていたので大丈夫かと思ったが、女性の方がたくましかったね。
仮死状態になっている冒険者たちのナニを見て、小さいとケラケラ笑っていて、男たちは思わず自分のナニを服の上から隠していたのを見逃してないぞ。
こうやって笑っていられるようになったのは、嬉しい事だよな。来た時のことまでは分からないけど、ここに来るってことはかなり大変な過去があったはずだからな。それを乗り越えて、幸せに今を生きられているのは嬉しい事だな。
身に着けていた装備は、キレイにした後に再度身に着けているが、汚物のついた服は破棄して似たような服を着させている。
魅了の能力を持っていた相手だとしても、ダンジョンで負けたので死んでいてもおかしくはない。その状況で死なずに済んだのだから、武器が無くなったとか些細な話だろう。
俺が盗んだわけじゃないぞ。こいつらが外に出てきた段階で持っていなかったんだよな。どこで無くしたのかは俺にも分からん。サキュバスクイーンにも聞いてみたが、知らないということなのでわかりません。
命が助かって防具だけは残っていたことを喜んでもらいましょう。
昼食を食べ終えて、そのまま王都へ向かってバッハに乗り飛んでいく。
27分程で到着したのは、少しバッハが頑張った結果だな。急ぐ必要は無いと言ったのが、連日手伝えることが嬉しかったようで、張り切ってしまったようだ。
速度はのんびりとしていなかったが、俺はバッハの背中でのんびりしていただけだ。
バッハが着地したので地面へ降りると、そこには先客がいた。見るからに貴族と主張している派手な装備に身を包み、何やら威張っているように見える。
不愉快だが迎えの人間だろうか?
「おい、お前! ワーガン公爵である私の前で膝をつかないとはどういうことだ! 不敬罪でとらえてやるぞ! お前ら、そこの男を捕まえろ! まぁ、その龍を私に献上するのであれば、減刑を考えてやろう」
「えっと、何とか公爵とかいう人、お前が公爵って言うなら、俺は一応同盟関係のある国の王になるんだけど、どちらが不敬に当たるか頭が悪いお前にも、分かるよな?」
「弱小国家の王が、我が王国の公爵である私より偉いと? ふざけたことを抜かすんじゃない。お前は、不敬罪でとらえられ、一生私のために働くことになるのだ。下民が私のために働けるのだ、感謝してもらいたい。お前の嫁たちは、私が有効活用してやろう」
幻聴ではなく物理的に何かが切れた音が聞こえた。
「バッハ、焼き払え。炭も残すなよ」
俺が命令を出すと、バッハの口から高熱のブレスが吐き出された。
俺の周辺が灼熱の地獄に包まれるが、バッハの主人である俺には、バッハの炎は通じないため。ちょっと気温が上がったかな? くらいの感じで済んでいる。断末魔をあげる暇もなく燃え尽きた。
あの国王は俺の事を舐めているのかね? こんな奴をこんなところで待たせておくとか、正気の沙汰じゃないんだが?
面倒だから帰るか……バッハに乗ろうとしたところで、見覚えのある騎士団が走ってきた。
真っ赤に統一された騎士団……深紅の騎士団だったっけな? あの騎士団の衣装だったかな?
「シュウ殿、今ここで炎があがりましたが、大丈夫だったでしょうか? 予定より少し早く疲れたため、お迎えが遅れてしまいました……ここで何があったのでしょうか?」
「ここに来たら、何とか公爵とか言う奴が待っていて、膝をつかなかった不敬罪で俺を捕らえて、妻たちを有効活用するとかほざいたから、焼き殺した。俺が来る情報が伝わっているのは構わないが、何であんなクズがここで待っていたのか説明はあるか?」
「ワーガン公爵ですね……王弟殿下ではありますが殺したところで、シュウ様に問題はありませんので、あの馬鹿の事は忘れていただけると助かります」
「別に問題があっても殺してたけどね。それよりさ、怒りが収まらない場合はどうしたらいいと思う? 問題を解決して、わざわざそっちに合わせてここまで来たのに、面倒な奴に絡まれ不愉快の気持ちにされたことに対する何かは無いわけ? あいつが、そちらが用意した案内人だったら、王都を焼き尽くしてもいいかなって思っているんだけど、そのへんはどうなんだ?」
「謝罪の方は、王からさせていただきます。怒りの発散は、王との話し合いで方法を決めていただけたらと思います。私たちには、謝罪させたりすることは出来ますが、その他の権利は犯罪者を裁くことにしか使えませんので、謝罪以外の確約は申し訳ありませんが、出来ません」
貴族ってだけで、何をしてもいいと思っている奴らと違って、自分たちのできることとできないことをしっかりと理解している分、他の奴らよりは信頼できる連中だな。
「バッハ、小さくなってついて来い」
俺の後ろをパタパタと飛んでついてくるバッハ。ちんまいと一生懸命っぽく見えて可愛いんだよな。
十中八九、何とか公爵の独断だろうけど、国王は弟の行動をどう判断するのかな。
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