2454話 突然の終わり
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「……このバカげた騒動のオチが見えたわ。ったく、ここにきてお前が原因だったのか……」
俺の目の前に現れたのは、見覚えがあるがまったく別のヤツがそこにいた。
「だから洗脳のような状態だったんだな」
『激しく子どもの教育に悪そうな格好をしているわね。いくらスタイルが良くても、そこまでするのはどうかと思うけど……』
俺の目の前にいるのは、サキュバスクイーンだ。こいつなら、勇者や派遣された冒険者たちが洗脳されておかしくないな。こいつの能力が、かなりヤバいのは確認済みだからな。
そんな危ないやつなのに、何で俺が平気かと言えば……
「あなた! 何で私の魅了が効かないのよ! 私はどんな男でも魅了することができるのよ! それなのに魅了されないなんて、あなた人間なの!?」
とこんな感じで、今現在進行形で魅了しようとしているサキュバスクイーンがいるが、俺には効かないんだよねえ。別にそっちのけがあるわけじゃない。ただ単に、俺は魅了系の攻撃に完全耐性があるだけだ。例外である完全魅了は別だが、それ以外を完全に防ぐことが可能だ。
それもチビ神がくれた、精力増大は妻限定だからサキュバスには反応しないんだよね。こいつらの魅了が精力に直結しているモノでなかったら、俺は危険だったかもしれない。サキュバスなら耐えられるだろうが、クイーンだった場合は、まず無理だろう。
俺にとっては最高に相性のいい敵で良かった。そもそも女性やアンデッドであるバザールがここにきていても問題は無かったんだけどな。
ということで、このサキュバスクイーンが俺たちと敵対した時点で、こいつの負けが決定していたわけだ。
頭を鷲掴みにしてから、隷属魔法をかけておく。こいつが魔物じゃなかったら速攻で殺していたけど、魔物であるなら完全に従わせられる方法があるので、そっちを使用しておく。
すぐにダンジョンの権限を取り上げて、俺のダンジョンに繋げ調整していく。
「ここで周りにちょっかいをかけないなら、自由にしていていいぞ」
自由意志は奪わずに考える力は残しているが、こちらには逆らうことができないようにしておいた。
「あっ、バザール、グリエルに連絡して、ダンジョンの方は片付いたから、事後処理だけお願いするように伝えておいてくれ」
『了解でござる。襲われた街は、どうするでござるか?』
「あっちは……戻りたい奴がいれば戻してやるけど、おそらくこっちの方がいいって言って残るだろうな。ここにいれば税金なんて払わなくていいし、サキュバスクイーンが見繕った男は行為を強制されるだろうけど、そいつにとっては幸福だろうから気にする必要もないだろう。
まぁ、夫婦仲が悪くなるのが嫌だったら、ダンジョンから出ていけって話になるからな。言葉は悪いけど、相手が夫婦だった場合、税金の代わりに精を差し出せってことだな。それにあいつらは、顔の好みはあんまりないから、平等に襲われる可能性があるってことだしな」
サキュバスは、顔とかではなく、内包する精気と精液が目当てだから、どんなに醜くても関係ないんだよな。その点はオークと違うんだから、不思議だよな。
男女の好みの差もあるのだと思うが、基準になる部分が違うんだろうな。
その証拠に、サキュバスはチャラチャラしていて女遊びが激しいやつには、目もくれない。そういうのは、ホモークの分野だ。サキュバスの好みは、どちらかというと色々と溜め込んでいるタイプだ。爆発して暴れるような奴ではなく、いわゆるむっつりスケベ系だけど奥手がいいんだとか言っていた。
まぁ、俺も事後処理をするかな。
サキュバスクイーンにまともな服を着させて、この街の住人を全員集める。今回の件を全部説明し、殺された人間については諦めるように伝え、残るならサキュバスクイーンの特性を受け入れさせ、無理だと感じるなら俺が近くの街まで送ることを話した。
近くの街=俺の街だから、来たい奴なんていないだろうな……って思ってたけど、女性の2割ほどが移動する決断をしていた。
後は、このダンジョンの街は外と交易などをするようになるので、人の行き来が多くなることも伝える。だけど、犯罪に関しては俺がシャドウやリビングアーマーなどを置いていくから、安全だという話もしておく。
今回の件で多くの男が死んで、残った男たちの取り合いになるだろうが、元々一夫多妻制の認識があるためか、サキュバスクイーンと寝ることに何の問題も示さなかったのが、価値観の違いだと思い知ったな。それが税金だと思えば、割り切るのも楽かな?
後に分かった事だけど、妻が多い男ほどサキュバスクイーンに呼ばれることが少なかったようだ。妻が多ければいたす回数も多く、精気と精液が乏しくて魅力的ではなかったんだとさ。俺が心配していたようなことは、もともと置き難かったとか。
でも、これには問題もあって、妻がいなければ必然的にクイーンといたす可能性が高く、そこで初めてを経験してしまったものは、サキュバス以外では満足できなくなってしまったとか……
3~4世代くら今では問題ないが、それ以降となると血が濃くなりすぎ……そういえば、この世界は近親婚による、遺伝子の問題が全くない世界だったっわ。
色々な条件を限定的に決めて、俺に従った者たちだけが残った。全体の1割半ほどがダンジョンから出ていくこととなった。
その出ていく人たちを連れていくために、今回はしょうがなかったので、ゲートを使ってジェノサイドキャラバンを連れてきて対応させた。
色々と面倒もあったが、終わってみればいつもより事後処理は楽だった気がするな。
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