2391話 同じような発想の持ち主
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何かトラブルがあったとしても、子どもたちをここに残すという選択肢はないので、子どもたちがあがるまで待てないのかブラウニーに判断を仰ぐ。
「シュウ様で無いと判断できないことですので、出来る限り早く監視室に来てほしいとのことです。お子様方は私が看ますので、シュウ様は監視室へ行っていただけないでしょうか?」
どうやら、切羽詰まっているわけではないが、早急に判断が必要な何かが起きたのだろう。ブラウニーたちを信用していないわけではないけど、ブラウニーたちがいても目に見える位置に妻たちの誰かはいるので、完全に任せっきりにすることは無かったのだ。
この様子だと妻たちも監視室に向かっている可能性があるか。ここはブラウニーに任せることにした。ケットシーもいるし、スライムたちもいるから問題は起きないだろう。
ウルには、危ない事はしないようにみんなを見ていてほしい事を伝え、先に温泉から上がる。
移動に時間をかけるのも良くないだろうから、着替えが終わってすぐにゲートを設置して移動する。
監視室に入ると、既に主要メンバーは集まっていた。
妻たちはほぼ全員集まっているな。いないのは、上から3人のミリー・カエデ・リンドがこの場にいない。一番来てそうな3人がいないことに疑問を持ったが、今はそれを聞くより何が起きたのかを聞くのが優先か。
レイリーにグリエル・ガリア・ゼニス・綾乃とバザールも来ているので、本当に主要メンバーが揃っているな。後は通話機能を使って、各街の領主代理まで参加している。
監視室を任されているスプリガンたちのリーダーが、俺のために説明をしてくれた。ここにいるメンバーで事情を知らないのは俺だけみたいだ。
説明を簡単に話すと、俺が掌握しきれていないエリアに勇者がいて、その勇者がダンジョンマスターと手を組んでいるそうだ。
その情報が分かったのは、レイリーの判断で暗部の鬼人たちが掌握できていない土地の調査を行っており、ただ勇者がいた、ダンジョンマスターがいた、というだけならここまで大騒ぎはしなかった。
両者が明確に手を取り合っており、ゴーストタウン程ではないが、ダンジョンを利用した街を完成させていたそうだ。
俺がこの大陸全てに広げたのは、ディストピアを作ってしばらくしてからだったか? いつかは思い出せないが、その時からすでにあった場所だったそうだ。てっきり全部掌握しているつもりだったが、空白地帯があったらしい。
と思っていたが、地上部分はすべて掌握していたので、把握できていたかったダンジョンの入り口から中はわからないので、その街の存在を俺は知らなかったということだ。
では、何故空白地帯と呼ぶ場所が分かったのかというと、ゼニスの情報網によるものだ。ダンジョンマスターの力でこの大陸の情報を掌握しているような物なのだが、支店を任している従業員からの情報を集めて調べてみたところ、この街を発見したらしい。
タイプ的には、ヴローツマインの鉱山都市とゴーストタウンのダンジョン都市を合わせたような場所みたいだな。
成功していたのに、探すまで情報が手に入らなかったのは、ダンジョンの中……街に一度入ると、出られないようになっていたらしい。
出られない理由は簡単で、ダンジョンの中なので魔物がいたのだ。入る時は魔物が隠れており、街から出ようとすれば魔物に殺されるということみたいだ。
鬼人たちは自力で簡単に出てこれるので、中の情報を手に入れることができたようだ。
ダンジョンマスターと勇者が手を組んで、街の外との交流はその2人と仲間たちが、キャラバンを組んで行き来していたのだとか。
ダンジョンの中は快適なようで、無理に出ようとする人は少なそうだと鬼人たちは話していたとのこと。
俺たちほどではないが、快適な生活をしているのだろう。
「この情報のどこが慌てる必要があるんだ? 俺と同じように成功したダンジョンマスターなんだろ? ちょっかいをかけてこないなら、放置しても何の問題もないだろ……って、まさか?」
「肯定です。行動に出た理由は不明ですが、準備が整ったので外へ進出しようと考えているのではないかと考えられます。実際に見に行った鬼人たちの話では、周辺国を軽く飲み込めるほどの特級戦力が何人かいるそうです。今回は銭湯に長けている者ではなかったのですが、1対1なら良くて五分ではないかという話です」
「ってことは、ディストピアの軍でも中隊長か大隊長以上でないと、相手は難しいってことか?」
「少数精鋭で当たらないと、被害が大きくなりすぎると思います」
レイリーがこういう風に言うということは、本当に相手の力量が上と判断しているんだろうな。レイリーに予想でいいから敵の戦力評価をさせてみた。
「おそらく、ダンジョンマスターや魔物を相手にする場合であれば、勇者はSSランクの冒険者と同等の力があるかと思われます。対人であれば、Sランク相当かと。勇者の仲間もほぼ同じレベルにあると考えられます。人数は確認できている範囲で24人。おそらく50人前後はいるかと思われます」
今までで一番の戦力評価だな。規格外の聖国のSSSランクを除けば、おそらく一番強いだろう。
「真正面からぶつかるのは、愚策だな。そういえば、このダンジョンは何処にあるんだ? 俺に話が来るってことは、俺の支配下にある街が危険にさらされる可能性があるってことだよな?」
「近くは無いのですが、フレデリクから国を1つ挟んでいます。小国なので数週間で武力制圧されてもおかしくないですね」
「思ったより時間がないんだな……フレデリクに小国側辺への移動を禁止する通達を出してくれ。従わなくてもいいが、従わなかった場合はもし助けを求められても、余裕がなければ見殺しにすると一緒に通達をよろしく。文言は……グリエルたちに任せる」
まずは住人の安全を確保するために動き出す。
「バザールは、難民の街の監視は余裕があれば頼むが、可能な限り小国側にスケルトンを派遣して監視してくれ。無理に戦う必要はない、監視だけでいい。綾乃は、人造ゴーレムを増やしてくれ。あれなら、勇者の特攻の効果は無いから簡単には倒されないだろ? 俺も手が空いたら手伝うから、頼む」
バザールの監視は遠隔で問題ないので、綾乃の手伝いをすると工房へ移動をした。
俺たちはこの後の対応を考えないといけないので、更に話し合いが続きそうだ。
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