2347話 懐かしいやつ
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口では遠慮していても、実際に準備して使わせてみると、ブラウニーたちにはかなりの高評価をもらえたと思う。近くで待機しているシルキーたちも、早くいきたい様子はあるが、ブラウニーたちの後でゆっくり見ると言っていたため、ここでうずうずしながら我慢している感じだな。
料理人であるこの子たちも、やはり調理に関わる道具は気になるようだな。いつもは厳しいシルキーたちだが、宝石を目の前にした女の子みたいにソワソワしているのが本当に微笑ましい。
ブラウニーたちもシルキーたちも、今日は新たな一面を見せてくれたな。
交代で来ていたブラウニーたちだが、夕食の準備の仕上げに入ったのか、夜番組と夕食の下ごしらえ組がラストで来て、これが終わったらシルキーたちが見て回るそうだ。
シルキーたちは、キッチンへの導入する調理器具の検討したり、自分たちの好みに合った包丁なども探してみるようだ。
明日には、家畜エリアのブラウニーたちも来るようで、解体用の刃物を見に来るようだな。前半に来ていたブラウニーたちも解体用のナイフなんかを見ていたけど、その子たちは家畜エリアの解体をしているメンバーではなかったのだろうか?
ブラウニーたちは、持ち回りで色々な部署に行っているので、解体エリアで働いていた子たちが解体用のナイフを見ていたようだ。基本的には家畜たちは解体エリアで解体されてから運ばれてくるのだが、中には解体前の状態で運ばれてくることもあるらしい。
内臓などは抜かれて皮も剝がされているのだが、それ以外はついたままの状態……テレビとかのワンシーンで、お肉がつるされているあのシーンに出てくる肉塊のような物でくるようだ。運ぶのは収納系のアイテムがあるから、気にならないみたいだな。
それ以外の肉系の材料はドロップ品になるので、簡単に言えば解体された後の部位でドロップする形だな。正直な所、オークの肉は美味いから食べるのは良いけど、魔物でも人型を解体しなければならないのであれば、かなりためらいそうだな。
こっちに来た時は、殴ることもためらっていたけど、今じゃ肉素材か駆逐の対象としか見てないし、人を殺すのにも慣れてしまったんだよな。
まぁ盗賊だったり税金を自分の金だと思っているクソ役人なんかは、人の形をしたゴミだと思っているから、人を殺すのとは違う心境なんだが、やっていることは結局のところ人殺しなんだよな。
救う方法の無い洗脳されたある街の殲滅は、救うためとは名目を打っているが、本当の所は自分たちを守るために殺してしまったからな。あれは、正直堪えたな。
適当の思考の果てに流れ着いた昔の事を思い出していると綾乃が、
「何遠い目をしてるのよ。なんかオッサンみたいに見えるわよ」
「ほっとけ、別に微笑ましく見ていて遠い目をしてたわけじゃない。ちょっと昔の事を思い出して、ナイーブになってただけだ」
似合わないとか言われたが、俺だってこういう時くらいはあるさ。バザールは食事を楽しんでいるようで、こちらには興味を示さず黙々と食べている。
アンデッドの癖に、生身の肉体にもなれるし、食事も味が分かるようになったから、食事をする時はこうやって黙々と食べることが多いんだよな。
毎食食べるというわけではなく、基本的には食べないのだが、俺とかと一緒にいる時に生身でいたら、かなりの量を食べるんだよな。味が感じられても、満腹は感じないので限界以上に食べる傾向がある。
食事を楽しむというよりは、味を楽しんでいる形なのかな?
不思議なことに、食べたモノはすべて消えてしまうので、元の骨姿に戻ってお腹の中にあった食べ物がボロりということはない。バザールが気になって試した結果分かった事だ。
どうやって消えたのかは不明。魔力枯渇で倒れた後の俺のお腹に近いのかもしれないな。あの時は食事量は増えたけど排便は普段より少なかったので、残りはどこに消えたのかは不明である。
さて、ここでのんびりするのを止めて、移動しますかね。
特に目的があるわけでもないが、ここはシルキーとブラウニーたちの場所なので、納品に来る時か拡張する時とか依頼された時くらいしか、来ることが無くなるだろう。
未練があるわけでもないので、ササッと移動をするだけでおわり。移動用のゲートは、各街にいるブラウニーたちにも利用できるように、ゲートだけを作っているマイワールドの一角に改めて設置する。
ブラウニーたちに声をかけているが、俺の言葉を聞いているかは不明だ。あのマイワールドに出れば分かるだろうから、放置しておいた。
綾乃とバザールは、自分たちの工房へ戻るようで途中で別れた。
どこへ行こうか悩んでいると、足元で引っ張られる感覚が……
相変わらずどうやって引っ張っているか分からないが、スライムが俺にこっちこいをしている。どこに連れていくのかと思えば、従魔たちがくつろげるように作ったマイワールドに連れてこられた。
何がしたいのかは不明だが、突いていくことにした。
もっちもっちと移動する姿は、なんだか愛嬌があるから可愛いのだが、蛇の移動と違い良く分からない動きで滑っているように見えるので、相変わらず謎の多い生き物だ。
マイワールドには普段見ない従魔たちがくつろいでおり、俺が来たことで一吠えするが、それで挨拶が満足したのか、寝てたものは寝て、遊んでいたものは遊びを続けた。
相変わらず自由な奴らだな誰に似たんだかな。
さてさて、何がしたくてここへ連れてきたんだろうか?
各種族ごとに作った休憩ハウスと、共同で使える大きな共同ハウスがあるのだが、共同の方へ連れていかれるようだな。
一番いい場所で寝ていたのは……久しく見なかった、コウとソウの2匹だった。
でもさ、俺が知っている2匹の姿じゃねえんだよな。尻尾の数も4本に増えているし、俺の腕におさまっていた2匹は俺と同じくらい大きくなっていた。でも、何で2匹かと分かるのかは、大きさや尻尾の数は変わったが、俺の知っている2匹の姿だったからな。
でも、尻尾の数が中途半端なんだよな。2~3本ではなく9本でもなく、4本というあたりがこいつららしいと言えばらしいか。
何で呼ばれたのか確認をすると、どうやら疲れている俺をねぎらいたいのか、一緒に寝ようということらしい。もう少しで夕食なのだが、久しぶりにこいつらにあったから一緒にいたい気持ちもある……
ということで、一緒についてきたダマに伝言を頼むことにした。
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