2341話 幼くとも女は強し
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夕食の後に、何を言っているのか分からないが、まくしたてられるようにプラムとシオンに怒られた。普通に座っていたら「正座!」と言われて、20分くらいは怒られていたと思う。
そして正座は、体を改造して頑丈になったり回復力が上がったりしているが、正座という非情な攻撃からは無意味だった。立とうとすると電気がはしったように痺れ、痺れているのに足の感覚がないという説教正座の洗礼を受けている。
1人で遊んでいたシンラだが、俺が正座をして弱っていることを理解して、痺れている脛などを中心に突いてきた。
声を出して怒ろうとすると、先んじてプラムとシオンが「めっ!」とか言ってくるし、シンラを注意しようにもミーシャたちが、「今回はとーたんが悪い」と俺は全否定されてしまったため、助けを求めるわけにもいかない。
回復魔法を使うことも禁止されていたため、この痺れが取れるまでの数分間全力で耐える事しかできなかった。
足が回復してからはシンラを捕まえて、お腹に顔を押し当てグリグリとしてやったぜ。ケラケラ笑っていたので、苦しかっただろう。正座の痺れと双璧をなすくすぐり地獄は、シンラへのお返しとして最適だったと思う。
シンラを助けようと俺の足を遠慮なく蹴ってきた、プラムとシオンには少し言いたい事があるが、シンラへのお仕置きも出来たし、今回は大目に見てやろう。
ミーシャたちも言っていたがスキルを取ったせいか、まだまだ子どもなのに結構重い一撃を放って来ていて侮れなかった。
レベルも上げていないプラムとシオンの攻撃なので、体は痛くも痒くもないのだが、心が痛むからもうちょっと優しくしてほしいところだ。
それにしても体がどんなに強化されても、人間の弱点って変わらないもんだな。レベルが上がれば馬鹿みたいにタフネスが付くけど、急所を刺されれば簡単に死ぬし、首を落とせばさすがに蘇生は難しい。
いつかの聖国のSSSランクの冒険者はともかく、どんなにレベルが上がっても、条件さえそろえば簡単に締め落とせるってことなんだよな。
レベルがカンストしている人間がいるとして、その人間の10分の1……100位の人間でも、美味いことやれば……いや、さすがに10倍の差は無理か。200位なら何とかなりそうな気がするが……
格下が格上を倒すジャイアントキリングができるかもしれないな。
まぁ、可能性があるだけで、近付いてどうやって背後を取ったり、締め落としたりするかは自分で考えてくださいってところなんだけどね。
そういう意味では、いろんな意味で規格外だったSSSランクの冒険者には、近付けもしなかったし、手も足も出なかったのは例外なんだろうな。
圧倒的にメグちゃんが有利だった水中で、10分以上逃げていたんだからな。人間の限界を超えていたな。
メグちゃんも水中では最強ではあるけど、SSSランクの冒険者とは戦い方が限定されるから戦い難かったと思う。だけど、その中でも10分以上生きていたんだから、恐ろしい心肺機能とでもいうのだろうか?
訓練をしても5分程が限界だと言われている呼吸停止だが、あいつは全力で動きながら10分だからな……相当燃費がいいのか、肺の中にありえないほどの空気が入っていたのか、どういった方法で耐えていたのかはわからない。
ただ、人間離れをしていても人間である以上、呼吸無しでは生きられなかったんだよな。
メグちゃんは、丸のみにしたりすることは出来なかったから、消極的に戦っていて時間がかったって言ってたんだよな。丸のみにしたところで腹の中から攻撃されたら、さすがのメグちゃんも厳しいだろう。
いつ覚えたのかは知らないけど、体を小さくできていれば、あそこまでいいようにはされなかったと思う。
何が言いたいかというと、油断はするな! と、回りくどい思考になってしまったな。
お風呂へ行く前に、バザールと綾乃に明日の予定を空けさせておこう。盛大にやらかすつもりなので、あの2人も巻き込もう。
ちなみに、バザールは体を生前に戻したとしても、元がアンデッドなので呼吸が必要ないため、水の中にどれだけいても死ぬことはない。しかも夜目と言っていいのか暗視と言っていいのか、アンデッド特有のスキルがあって、暗い所でも平気だったりする。
アンデッドが夜に活動するのは、そういうこともあるのかもしれないな。
速攻で了解の返事が来たから、明日はめいいっぱい楽しむべさ。
今日はのんびりと休んだから元気いっぱいだが、更に英気を養うためにサウナにも入っちゃうぞ!
疲れるだけなんだけど、心地の良い疲れが体を支配してくれるから、限界まで堪能した後に寝るとマジで気持ちいいんだよね。
この前はミストサウナにしか入れなかったから、今日は乾式サウナにガッツリ入るぞ!
お前ら! 邪魔だ! どけ!
お風呂でひしめき合っているスライムたちを、どかしながら中に入っていく。
俺は最初の1回目は、じっくりと入るタイプだ。限界まではいって体を芯まで温めてから、水風呂に浸かるのが気持ちいのだ。水風呂の温度は大体17~18度くらいが好きだな。キンキンに冷えた水風呂は、あれはあれでいいのだが、水風呂にもゆっくりと入りたいので、冷たすぎるのはあまり好きではない。
冷温を繰り返すことで自律神経が活発に動いて整えられるとか、そんな感じだったかな。良く覚えていないけど、気持ちがいいから悪かったとしても止められないんだけどね!
スーパー銭湯などのサウナがある施設ではNG行動だが、体を流す前にそのまま水風呂へ飛び込む。
自宅にあるサウナだからこそできる贅沢だ。自分たちで川の近くにサウナのテントを建てて入るなら話は変わるだろうが、そういう所では全身を浸からせているイメージが無かったりするんだよな。
そう考えると、自宅だからこそってことなんだろうな。
2時間ほど、水分を補給しながらサウナを楽しんで、部屋に戻った後は死んでいるかの如く眠りについた。
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