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ダンマス(異端者)  作者: AN@RCHY


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2340話 シンラたちの成長

アクセスありがとうございます。

 妻たちは既に集まっていて、シルキーとブラウニーたちのために作ったエリアの話をしていた。


 何かを怒られるわけではなく、他に追加した方がいいものがないか? というところに焦点がいっているみたいだ。自分たちの生活をサポートしてくれているシルキーとブラウニーたちに対して、何か他にできることがないか? と考えているみたいだ。


 人間から見ると物欲の乏しく感じるシルキーやブラウニーたちに対して、何がしてあげられるのか真剣に悩み困っている感じだ。


 妻たちでもやっぱり同じような感じになってしまうんだよな。何度か同じように何かいいプレゼントがないか? と相談した時も、同じような感じになってしまい、迷走を続けた話し合いをしてたっけな。


 だけど今回は、俺が盛大にやらかしたことで、ついでにとばかりに追加で何かできそうだと考えた妻たちが、色々と意見を出し合っていた。


 シルキーたちは、度々地球から食材を取り寄せて、調理法や加工技術を磨いている。専用のエリアがあるわけではなく、自分たちの工場やキッチンで行っているらしい。


 その専用エリアを作ってもいいのではないか? というのが、今一番の意見なようだ。専用エリアには、腐敗防止という名の、状態変化無効という、いわゆる腐らないエリアを作り、そこに色々な食材を並べておくのはどうか、という感じだ。


 本や料理番組みたいな物からしか情報を仕入れられないシルキーたちには、存在自体知らないものが多いので、とにかく品物を並べてみて、実際に見てもらい興味を持ったら調理技術や加工技術の本を……という感じでどうか? ってところかな。


 いや、シルキーたちの事を考えれば、現物があるなら調理や加工の方法も一緒に置いておくべきだろう。


「やっぱり、料理や掃除なんかの家事仕事全般の話しか出てこなかったわね。まぁ、それ以外にあの子たちが興味のあるモノなんて、知らないから仕方が無いわよね。あなた、もう1つの専用エリアも一緒に作ってもらっていいかしら?」


 カエデが急に、夜の営みとかでしか言わなかった「あなた」と言ってきたので、妻たちの前とはいえ公の場で言われた俺は、すこしドキッとしてしまった。悪い事は何もしていないのに、弁明をしようとする心境に近かった。


 明日は、このエリアの作成をするようにお願いされた。妻たちのお願いだし、シルキーたちには何かをしてあげたいと思っていたので、少しでも恩返しになるのであれば、こんなエリアを作ってもいいだろう。


 どうせしばらくは訓練禁止で何もできないので、こういったことで時間を潰せるのであれば助かるというモノだ。こういうことに巻き込める悪友(綾乃とバザール)がいるので、明日は今日と違い楽しみだな。


 もう少しエリアの話し合いをしていこうと思っていたら、夕食の時間になっていたようで食堂へ来るように、連絡が入った。


 もうそんな時間か……


 食堂では姉たちに見守られながら、猫たちに餌をあげているシンラたちがいた。


 だけどさ、猫たちに犬みたいに芸を教えようとするのは、どうなんだ? 食堂の隅で、俺の従魔たちが少ししょんぼりしているぞ。あいつらもかまってやってほしいのだが……


 うちの猫たちは、全員魔物化してしまっているので、芸を仕込めば喜んでやってくれるだろうけどな。


 そういえば、日本で自分の愛猫を動画サイトで投稿している人の動画に、イヤイヤながらもおやつやご飯が欲しくて、お手をしている姿があったっけな。


 何か癒しを求めて、可愛い猫たちの動画を漁っていた時に見た記憶が……


 どういう訳か俺の従魔たちは、俺の子どもたちをとにかく可愛がるんだよな。大きくなってきて、少し落ち着いてきてはいるが、ミーシャたちの時もシンラたちの時も、自分たちで歩き回れなかったときは、必要以上にかまっていて妻たちに怒られてたもんな。


 俺もかまいたかったのに、先に釘を撃たれてしまっていたんだよな。こっそりとかまっていたら、後で怒られたりもしたっけな。子どもたちが可愛いからいけないんだと思うのだが……


 一通り芸をやらせていたシンラたちが満足したのか、一目散に自分たちの席へ移動した。食堂では走らないように言われているので、走らない程度に急ぎ足での移動だ。


 そんなに急がなくても、食事が無くなるわけでもないのにな。


 2日ほどまともに話も出来ていないし、訓練の様子も見に行けていないので、子どもたちと同じ席で食べるように促された。


 食事が始まると、シンラたちはいつものように、バトルさながらの攻防を繰り広げながら食べ始めた。


 ミーシャたちは、この2日間で出来るようになったことを、箇条書きのように教えてくれた。話があちこちへ飛ぶのは子ども特有の会話なのだろうか? 全く関係のない話題が繋がるから、少し混乱することもあるが、話を続けていくと繋がったりするのが面白い。


 子どもの成長って本当に早いよな。たった2日なのに、片手では数えきれない技術を学んで、それを半分くらいは物にしている感じだ。


 覚えるのが早いのは、ダンジョンの中での訓練ということもあるだろうが、子どもの吸収力はダンジョンでも健在なんだろうな。妻たちが初めて訓練をした時にも驚きはしたが、この子たちの成長速度はあの時を遥かに凌駕しているんだよな。


 自分たちの事だけではなく、シンラたちの事も話してくれた。


 姉たちにくっ付いて色々しているシンラたちだが、遊んでいるだけだったのが、いつの間にか格闘のスキルを手に入れていたらしい。そのせいか本当の訓練のようなことを始めたのだとか。


 ダンジョンでの取っ組み合いは、遊びでもスキルを手に入れられるようだ。


 シンラたちも目に見えてスキルを手に入れられたら、本気になってしまうのかね? まだ手足の短い子どものシンラたちが訓練する姿か……


 って、ミーシャたちも同じくらいに訓練を始めたんだっけか? 妻たちの真似から始まった訓練だったと思うけど、本人たちに合っていたのか、メキメキと実力をつけたんだったな。


 その時と同じなのに、ミーシャたちは微笑ましく見えたが、シンラたちだと……なんだか笑いをこらえそうなことになりそうだと感じた。この子たちの普段の生活を見ていると、コントみたいになりそうだなと思ってしまった。


 そんなことを考えていると、目の前のバトルが止まっており、シンラの左右にいるプラムとシオンがこちらを睨んでいた。


 シンラは我関せずなのだが、この子たちには俺が何を考えたのかバレたようだ。


 相変わらず、俺が考えていることは周りにバレているみたいだな。ミーシャたちにも、それはさすがに失礼だよ……と突っ込まれてしまったしな。俺の家族はみんな、エスパーなんじゃないだろうか?

ここまで読んでくださり、ありがとうございます。

ブクマや評価をしていただけると幸いです。

これからもよろしくお願いします。

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