表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ダンマス(異端者)  作者: AN@RCHY


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

2326/2519

2326話 進化していた人造ゴーレム

アクセスありがとうございます。

「なぁ、綾乃。こいつになんか、変な仕掛け梳かしてないか? さっきは苦労はしたけど動かせたのに、今は全く動かないんだけど……地面に張り付いているみたいな感じなんだが」


「さすがに地面に張り付いているってことは無いと思うけど、何が起きているのか分からないわね。自分で考えることは出来るけど、それを言葉として表現する方法がないのよね。言葉は理解できるのに、自分の考えていることを言葉に出せないのよ」


「だから、それはでござるな。見て聞いて学ぶことは出来ても、自分で考えているわけではないから、言葉にできないんでござるよ。人造ゴーレムは、トップダウン型のAIであって、ボトムアップ型のAIではないんでござる。考えているように見えているのは、綾乃殿が作ったゴーレムの脳が見せている幻でござるよ」


 なるほどな。俺の質問には答えられないんだな。とはいえ、トップダウン型であるなら、色々確認していけばその原理が分かるかもしれないな。


 人造ゴーレムへの命令権のプライオリティーは、綾乃が最上位なので命令してもらい、俺の言うことにはいいいえで答えるようにしてもらった。


 とにかく色々質問していこう。


 俺が転ばそうとしたときに動かなかったのは、何か特殊な技法をつかっているのか? ⇒ いいえ


 でも動かないのは、普通に立っている時とは違うことをしているよな? ⇒ はい


 動かないのは特殊な技法ではなく、自分の体を動かしているだけか? ⇒ いいえ


 技法以外のナニカを使って、自分の体を動かなくしている? ⇒ はい


「ナニカをしていることが判明したが、何をしているかが分からないな」


「そうね。言葉にできれば、簡単に分かった事なんだけど、無い物ねだりは出来ないわね」


「そのナニカを目の前でしてもらうことは、出来ないでござるか?」


「「それだ!」」


 話せなくても、目の前で再現させることは出来るので、目の前でそのナニカを行ってもらうことにしたのだ。


 人造ゴーレムが防御をする構えをするが、何かが変わった様子は無い……本当にこいつは何をしているんだ?


 今、俺が攻撃をした時にしていた、何かをしているんだよな? ⇒ はい


「あれでござる……何か魔力を感じないでござるか?」


「私に聞いても、分からないわよ! シュウはどうなの?」


「人造ゴーレムたちは魔力で動いているから、魔力を感じるのは当たり前だと思うけど、何か変なのか?」


「そうではないでござる。体を使っている時の魔力とは別で、違う魔力が動いている気がするでござる」


 バザールが良く分からないことを言ってきた。


 体を動かす魔力以外を感じる?


 一応確認するために、近付いて体の隅々まで観察してみる。


 そうすると、バザールの言った通り、体を動かしている魔力とは違う何かを感じ取れた。


「なんだこれ?」


 思わず口に出てしまった。


 体を動かす魔力の中に、さらに違い魔力があるので、感知し難かったようだ。


 魔法を使って重たくしているのか? ⇒ はい


 その魔法は、属性魔法か? ⇒ はい


 その属性は、火・水・風・土のうちどれかか? ⇒ はい


 火か水か? ⇒ いいえ


 風か? ⇒ いいえ


 土か? ⇒ はい


「土魔法を使っているみたいだな。土魔法を体の中に流しても、付与だったら体を強化するだけで、重くなるわけじゃなかったはずなんだが……」


「あれ? 人造ゴーレムだから、魔法使えないんじゃないっけ?」


「むむむ? そういえば、人造ゴーレムは魔法を使えなかったでござるな。では、この体の中を走っている魔力は何でござるかね?」


 走っている魔力も気になるが、魔核で魔力は生み出せるので、魔法を使おうと思えば使える。俺たち人間は、魔法系のスキルで難なく使えるようになる(スキルを覚えるのに難があるが)が、人造ゴーレムはスキルがないので、魔法が使えないのだ。


 いや、使えないと思っていたのだ。


 目の前に魔法を使っているやつがいる……


「ってかさ、よくよく考えれば、普通のゴーレムの中でも魔法を使う奴っていたよな。そう考えれば、人造ゴーレムも使えないことは無いよな……」


「確かにそうでござるが、魔法は使えないと結論を出した覚えがあるでござる」


「私には良く分からないけど、魔法を使っているのなら、あの結論は間違っているってことでしょ。どういう風に使っているか分からないけど、使っているやつがここにいるんだからさ」


 俺たちが出した結論は、目の前に実例がいるのだから、意味がなかったことは分かっている。


「それより、土魔法をどうやって使ったら動かなくなるんだ?」


 ダンジョンの床の石や土と自分の体を、魔法で固定しているならまだわかるけど……そんな魔法の使い方じゃない気がするんだよな。


 体の中に魔力がはしっていて、外に出るわけじゃないんだよな。体の中をぐるぐると回っている感じがして、何故か体が動かなくなるんだよな。


 これ以上は、どうやって質問していいのか分からないので、その内判明するだろう。


 その後も何度も模擬戦を重ねてみるが、やはりピクリとも動かせず、ムキになれば受け流されて首に棒を添えられて終わってしまった……


 あれ? もしかして、俺ってこいつらに勝てなくなったのか?

ここまで読んでくださり、ありがとうございます。

ブクマや評価をしていただけると幸いです。

これからもよろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ