2317話 会議が終わった
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俺とグリエル、ガリア、ゼニスは、場所を移して今回の会議を総括した。
総括自体はそれほど難しい事ではない。今回の件で注意すべき点をまとめて各所に通知する。ゼニスには商会の人間に、相場の調査を行わせるように再度指示をだす。
大雑把に言えばこれだけ。他の事は、時間が経たないと……
そんなことを思っていたら、拷問に連れて行った兵士が慌てて戻ってきた。まさかとは思うが、俺でも対処に困るような事が本当に起きたのだろうか!?
「お知らせします。拷問を始めて10分程で、全てを自供しました。魔法で嘘が無い事を確認しましたので、報告に上がった次第でございます」
何か言葉がおかしい気はするけど、タメ口じゃないからいいかな。
報告の内容は、大した情報を持っておらず、情報を教える代わりに一種の契約を結んでもらう計画だったそうだ。元々は、バレなければそのままやり過ごすつもりだったらしいが、バレたので腹案を使い俺を思うが儘に利用しようとしたらしい。
何でそんなことが可能になるかと思えば、奴隷契約の応用したもので、俺が意図していない項目まで契約に盛り込み、操り人形にするつもりだったとか。
情報を聞いて価値が無いと分かれば、俺なら問答無用で捌くことは分かっていただろうから、そうならないように契約を結んで、上手くいけば俺を傀儡にできたということか。
思っていた以上にバカだったみたいだな。俺が意図しない契約を結ばされること、警戒していないわけがないだろうに。
これは契約系のスキルの応用で、意図せずに自分に不利になる契約を結ばないように契約をしているので、もし俺が理解していない契約があれば、契約を上書きできずに無効となる仕組みだ。
これも良くできているのだが、全ての契約を無視することはできない。理由は分からないが、上記のような状況以外では、契約系のスキルが発動せずにそのまま無効となってしまうのだ。
力ある物が無法をしても抜け道があるような感じだな。そう考えると、旧式の奴隷の首輪と同じような仕組みなのかもな。作った人間が不利にならないように抜け道を作った感じだろう。
俺が利用している契約系の魔法は、明らかにおかしかったり一方的に不利になる契約は、上書きして消すことも可能なのだ。これも、作った人間が権力者たちから逃げるための抜け道だろうな。
自分自身と契約できるとか、意味の分からない方法で対策できるのだから、間違っていないと思う。
それにしても、おどろくほど簡単に吐いたな。拷問が辛くて早々に死にたかったのだろうか? そんな人間には、死ぬことも許されない地獄を味わってもらおう。
反逆罪が適応されたので、家族は追放刑にして、関与している者は同じ拷問の後、苦しい生を送ってもらうことになった。
ここまで過激なことをしているのは、同じようなバカを出さないためだ。有能であっても不正は、腐敗を招くことになるので、可能な限り排除するのがディストピアの方針だ。
あまり潔癖すぎても息が詰まるが、その辺はグリエルたちがいい具合に褒賞などを与えるので、不正をして稼ぐより真面目に働いて稼ぐ方が、よっぽどいい事を理解しているので、問題なく回っているようだ。
本来なら、こんなことをしなくても回るようになってほしいのだが、それは高望みというモノだ。日本で言うボーナスを、まじめに働いている人間には満額、不真面目なら減額という形で目に見えるようにしているのも、この世界にはあっているのかもしれない。
日本に比べれば、町のようなサイズのコミュニティーなので、風評は気にするものが多かったりする。お金持ちでも、他の街に住もうとすると、伝手が無いとかなり大変なので不正で稼ごうとは思わないだろう。
他の街ならそれでもいいかもしれないが、俺の街では悪手となる。
不正をしなくても、相応の給金は出しているので、してまで快適な生活を手放す理由は無かったりするのも、1つの理由だろう。
思ったよりくだらない事で、ビックリしたな。
最後は、ゼニスによる調査待ちにはなるが、不正をしていなかった街の商会への対応だな。もし、不正をしていないのであればそのままでいいが、不正をしていた場合はお金に変えられるものをすべて差し押さえることになるだろう。
日本では対象にならない、人身にもお金が発生する奴隷にできるので、本当に根こそぎすべてをお金に変えることになる。
不正をしていた場合は、これも反逆罪になるので、関係していた家族はすべて奴隷落ちとなる。関係していたというのは、かなりあやふやだが、俺たちから得たお金を少しでも使っていたらと判断されるので、今回は家を出ていない限りは全員が奴隷落ちになるだろうだってさ。
調査が終わって、判明したら連絡だけお願い。
さて、俺も食事をしたいから、今日の結果は俺が思った事を書いて置くから、それを2人がまとめてくれ。
かなりガチで訓練をしたから、体が空腹を訴えていて大変なんだよな。会議の最中もいつお腹が鳴るか少し心配だったからな。グリエルたちも食事をしないと、食べるものが無くなるぞ。
俺たちの話し合いの後は、近況報告を聞きながらのブラウニーたちの食事を堪能した。
良い時間になったので野営の人を現地へ送り届けてゲートを消しておく。他のメンバーも次々と帰っていく。俺も戻るか……
さて、子どもたちはもうゲームを片付けて、自分たちの部屋に行っただろうな。もしかしたら寝ているかもしれない。邪魔しないようにしないとな。
でもなぜか1人で自分の部屋に戻る気にならなかったので、食堂にノートパソコンを持ち込んで少し作業をするかな。夕食を食べたとはいっても、ああいった場所での食事だったので、いつものようにがつがつと食べられていないので、まだお腹が空いているのだ。
よし、今日の会議をサクッとまとめてしまおう。
俺が文章にまとめるというよりは、俺が適当に箇条書きしたものをグリエルとガリアが、良い感じにまとめてくれるのだ。俺が思い付きで書くことの中にも、少し手を入れればうまく使えそうなものがあるようで、思い付いたときは色々考えずに箇条書きするように頼まれている。
最近はしてなかったけど、この街ができて成長していくときにはよくやっていたな。
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