2315話 呆れるしかない
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俺が迎えに行くことになったのは、3人だった。8人ほど自分の担当の街から出ており、参加できないと言っていた人間がいたが、5人は街にいて商会があるところだったので、商会に行くように指示を出している。
残りの3人の内1人も他の街にいたのだが、そこには商会が無かったため宿を取らせて、そこに直接ゲートを開く形で迎えに行くことになった。
まずは宿の人を迎えに行き、その後に野営をしている2人を迎えに行った。
特に問題はなく、野営をしているメンバーは、身内だけしかいなかったので着替える必要もなかったのかもしれないな。
もう少し情報を集めておくべきだった。こんな窮屈な服を着なくても済んだのにな。
よし、俺の迎えは終わったが、グリエルとガリアはどうなったかな?
会議室には、2人が迎えに行ったメンバー以外は集まっていた。秘書の子たちが資料を配っている。一人ひとり配っているのは、何か理由があるのかな? それとも、こういう場だから1人ずつ配るのかな?
来るように言われて、自分たちで来たメンバーは少し引きつっている顔をしているが、何でここに呼ばれたか分かっていないような顔をしているな。
この感じだと、この人たちは何も無かった可能性が高いな。もう1つの可能性としては、商人がダマしている可能性もあるかもしれないな……そうなると、取引を担当する人たちは大変になるかもな。
地球では当たり前にやっている事でも、こっちではご用達的な商人がいて、そいつらが中心となって取引を行っているから、商人たちの中で不正があってもこっちには分からなかったりするんだよな。
そう考えると、俺の商会を通した方が色々楽かもしれないな。あまり地域に根差した商会をないがしろにはしたくないんだけどな……ん~街の商会の人間に物価の調査を行わせてみようか。
「ゼニス、ちょっとこっちに来てくれ」
まだ時間がありそうだったので、ゼニスを呼んで今考えたことを話してみる。
「必需品以外は、街の商会から卸してもらっているのであまり気にしていませんでしたが、1度購入している品目の調査をしてみましょうか。明らかにおかしな値段であれば、すぐに見つけられると思います。明日にでも指示を出しておきます」
庁舎で働いている人間に、商品の値段まで調べろというのは難しい話だよな。取引担当とはいえ、依頼されてほしいものを購入しに行く部署なので、下働きに近い場所でもあるから、調べる余裕が無かったりもするのかね。
その割には、手の込んだ不正をしている人間もよく見かけるけど、こういう話ってどっちから持ち掛けるんだろうな。
席に戻って資料を読み進めていく。
そんなことをしていると、グリエルたちが戻ってきた。
何故か迎えに行った人間をロープで簀巻きにしている。どうやら、迎えに行ったら娼館にいたようで、領主命令で娼館一時閉鎖しロープで簀巻きにして連れてきたそうだ。
接待で娼館に来ていたというが、接待をしている相手に問題があった。2~3離れているが他国の領主で貴族だったようだ。何で接待をしていたかと言えば、どうもディストピア関係の情報を売っていたらしい。
両方とも王国の貴族らしく、国王へ直接連絡を入れて牢屋へ放り込んでおいたようだ。後日対応するみたいだ。スパイ行為なので、裁判なしで処刑を決行しても問題は無い事になっている。
娼館では、禁止されているはずの暴力行為もあったようなので、問答無用でホモークの巣へ送り込むことにした。そういえば、ホモークたちが住んでいる場所はいつの間にか、洞窟の巣のようになっていたので、いつのまにかホモークの巣と呼ばれるようになっていた。
貴族って歪んだ性癖が多い気がするんだよな。環境がああいったクズを生み出すのかね? 殴る蹴るなどを当たり前にするあいつらは、サディストというよりはサイコパスなんだと思うんだよな。
痛みを与えて快楽を覚えているというよりは、その行動に意味を見出しているようにしか見えないんだよな。殴る蹴るで興奮しているのは、ただたんにアドレナリンの過剰分泌とかそういう系のハイになっている状態を、興奮していると勘違いしていそうだ。
地球ではないので、サディストとかサイコパスとかの括りが無いから、俺が思っているような分け方も出来ないと思うんだけどね。
さて、同じ日に2つの街で、同じ内容で接待していて、同じ内容の取引をしていた。しかも同じ相手国……これは偶然なのだろうか? それとも誰かしらの策略なのだろうか?
「シュウ様、誰からの攻撃であろうと、ただの領主代行にできる事なんて知れています。街に軍を引き込んだところで、返り討ちにできる戦力もあるので、誰からの攻撃かを考える時間は無駄な時間かと」
「じゃぁ、手をこまねいているわけにもいかないだろ?」
「そういうことではありません。既に情報源となる人間を捕らえているので、考える必要もなく背後関係は分かりますから、無駄なことはやめてください。会議を始める前に大半の結論が出ていますが、しっかりとしておかないといけない部分もあるので、サクサクと会議を始めましょう」
「それもそうだな。黒判定が出ているが、簀巻きにされている奴らに、ただの接待で俺の招集命令を断った理由を聞いてもいいか?」
「それですが! 取引を持ち掛けられたので、相手の素性を調べるために、少し深い付き合いをしていただけです。決して裏切ったというわけではありません!」
申し合わせていたかのように、同じ内容で俺に訴えかけてきた。ここまで同じだと、何かしらの策略を感じるな。
「じゃぁ、街の中で行われていた犯罪行為について、何も対処していなかった理由は?」
「相手の情報を抜き取るために、あえて泳がしていました。時期が来れば捕まえて、償わせるつもりでした」
「お前が犯した数々の罪については?」
「仕方がなかったことなのです。何かをなすために多少の犠牲を出してしまったのは痛恨の極みですが、そのおかげで色々情報を得ることができたんです!」
簀巻きにされているのに自信たっぷりに、俺にそう主張してくる。
一応、その得た情報というのを聞いてみるが、苦労して手に入れた情報なので、簡単には言えませんだとさ。
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