2314話 どうなるんだろうな
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目の前に並べられたおやつを眺める。目の前にあるのは牛乳だな。好きだけど、そのまま大き目のコップでドンッと置かれていることは珍しいので、どういう意図なのか気になってしまった。
その他は、牛乳と相性の良さそうなカステラや餡子を使った和菓子が並べられている。これも良く分からないが、準備されているのだから何かしらの理由があるのだろう。それが美味しいからと言っても、理由の1つになるから考えなくてもいいかな。
綾乃とバザールは、カステラより和菓子に目が行っているな。頼めばいつでも食べられるのだが、こうやって出されるものは違うのだろうか。
一応ブラウニーたちに今日のおやつのラインナップについて聞いてみた。
「こちらは低脂肪乳ですね。筋トレをしている時などは体にいいとのことで、真剣に体を動かしているご主人様にはうってつけかと。通常の牛乳ではないのは、脂質が多くなってしまうので、運動後には良くないため低脂肪を選んでいます。
カステラと餡子ですが、どちらも運動後に食べるのはいいとされています。カステラは良質なたんぱく質が多いです。餡子は、糖分の吸収がいいですし、脂質も少ないです」
筋トレをしているわけではないが、運動を無駄にしないために選ばれたお菓子のようだな。明日はヨーグルトで、様々な果物を選べるようにしてくれるみたいだ。
体がおやつを求めているので、さっさと食べてしまおう。低脂肪乳を少し飲んでのどを潤してから、どら焼きにかぶりつく。甘さ控えめでも美味い。良く噛んでから飲み込みつつ低脂肪乳を飲む。口の中に残っていた餡子がほぐれ、低脂肪乳と一緒に胃の中へ。
おはぎは餡子ときな粉が準備されており、どちらも美味しかった。低脂肪乳との相性も良かったな。カステラも同じだ。
おやつも終わり、少し休憩していると……ブラウニーたちが何やら袋を押し付けてきた。袋の中を見ると、あたりめがたくさん入っていた。
どういうこと?
これもダイエットによく、小腹が空いたときに食べてくださいだってさ。栄養価もさることながら、良く噛むという行為がいいらしい。
でもさ、『これもダイエットによく』っていきなり言ったけど、今日のおやつは筋肉じゃなくてダイエットの方に主眼がいっているのか?
それにさ、地球にいた時とは違って、食べても太らないんだよな。しっかり食べないとお腹がすくので、太らない体質というよりは、基礎新陳代謝が高すぎるから、必要な分を食べないと痩せてしまうってことだと思う。
ステータスの所為かは分からないが、これが顕著に表れ始めたのは、チビ神の改造を受けてからだな。
体を動かすためのカロリー消費量が、普通の何倍もあるんだろうな。食事の量が地球にいた頃の数倍になっても、太らないのだからそういう事だろう。
少し落ち着いたところで、場所を移動する。
今日も元気に子どもたちが体を動かしている。シンラたちはじゃれ合っているだけに見えるが、楽しそうなので今はそれでいいだろう。怪我をしないようにスライムたちが補助をしているから、事故は起きないだろう。
ミーシャたちは、手の空いている妻たちを相手に、投げたり投げられたりしている。続けているおかげか、受け身の姿勢が様になってきているな。
妻たちも油断をしていると投げられることがあるので、結構真剣な様子で訓練をしている。
俺も混ぜてもらうが、やはりスキルの補助が無いとぎこちないな。それでも柔道がそれなりにできるのは、学校で授業があったからだろう。
スキル無しで経験している事の方が、体に染みついている気がするな。たいして上手かったわけではないが、授業としては問題なく合格点がもらえるくらいには体が動かせていたっけな。
スキル有で経験したものは、スキルの補助が強かったせいか、スキルと一緒に失われたのではないか? と思うくらいには、体に染みついていなかったと思う。
子どもたちには、動きが良くなっていることを褒めてやり、妻たちには俺が分かる範囲での助言をしている。スキルに頼っていたとはいえ、日本では考えられないほどの戦場を経験しているので、その経験が生きている気がする。
さてと、今日の予定を妻たちにも教えているので、子どもたちの面倒を担当するメンバー以外で、参加したい人は参加できるように伝言した。
妻たちは会議室内に入るわけではなく、隣に準備された部屋で映像を通してその様子をながめるだけだ。気になることがあれば、タブレットに連絡が来るようになっている。
17時を過ぎたので、子どもたちの訓練も終わり、シャワーへ入ることにした。何度かTシャツを着替えているが、かなり汗だくになっているので、Tシャツが重い……常温のスポーツドリンクは美味しく感じないが、体に染みわたるのが分かりそうなくらいすんなりと喉を通っていく。
体を洗っても、体のほてりが取れていなかったので、水風呂へ入ることにした。それを真似してシンラも入ろうとしたため、入る前にキャッチをしたのだが、俺の体が冷たかったせいで、ビックリしてガン泣きしてしまった……
プラムとシオンには、シンラを離せと言われ、スライムを投げつけられた。
お風呂が好きなのは知ってたけど、まさか水風呂に突入してくるとは思わなかったわ。シンラは水の溜まっている浴槽=お風呂なのだろうが、しっかりとした知識がなかったため、水風呂に入ろうとしてしまったんだろうな。
シンラたちには、ミーシャたちが説明してくれたので、今度は同じようなことはしないだろう。ああ見えて、興味の持ったことは1度で覚えるからな。お風呂だけどお風呂じゃないって分かれば、シンラたちも近付かないだろう。
いつものようなラフな格好ではなく、少しだけピッチりした服……スラックスに体にフィットする少しパリッとしたポロシャツ。矛盾している気はするが、そうとしか例えられないようなポロシャツなのだ。それに少しゆったりとしたベストを着た。
その姿を見たシンラたちは、あんた誰? みたいな視線を向けてくるが、これでもお前たちのお父さんは、領主なんだぞ!
関係者以外の視線が無ければこんな格好はしないが、遭遇する可能性があるので、今回は少しだけぴっしりした服を着ている。
どこかの領主みたいに無駄な装飾はせずに、生地の質だけで上流階級の服装に勝るものを着ている。
子どもたちと別れて、俺の執務室へ向かう。
秘書が待機しており、俺が迎えに行く人がいる場所を教えてもらい、サクッと迎えに行く。グリエルたちは、俺が来る前に迎えに出たようだ。
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