2312話 やることをやるぞ
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「件のやつらが、2都市分全員用事があるって言うのはまだいい。理由がかかれていないし、マップ先生を見る限り自分たちの街にいるようだけど、街にいて俺の呼び出しを無視して優先する用事って何が思い付く?」
俺は一応、グリエルたちに聞いてみた。
「先の2人は、不正の疑いが無かったので先に確認を取りましたが、この2都市分の欠席理由は思いつきませんね。8人もいるのに、全員が先の2人みたいに初産で気が動転しているなんてありえませんし、もし初産だったとしても、直接名前があがっていれば会議を優先すべきですね」
「私も、グリエルと同じ意見ですね。今回に関しては、名指しをされたのに用事があるって言うのは通じないでしょう。もっと言えば、用事があったとしても頭を下げて違う日に変えてもらうのが緊急呼び出しのルールですので、いかなる理由でもシュウ様が許可しない限りは、全員来るべきです」
グリエルとガリアは、来るのが当たり前との事。
「秘書の立場で言わせてもらいますと、先の2人も気が動転していたとはいえ、理由が書かれてなかったいなかったのはいただけませんね。立場にみあったお金をもらっているのですから、緊急時は何をおいても集まるべきです。
私としましては、初産だったとしても男はいても役に立ちませんので、仕事をしろと言いたいですね。移動に時間がかからないのですから、生まれた連絡があれば駆けつければいいと思います」
移動に時間がかからないようにしているのだから、とにかく仕事しろというのが秘書の意見だそうだ。
話を聞けば、男が近くにいても邪魔で気が散るから、それくらいなら仕事をしておけ! というのが、秘書の考えなんだとか。他にも、手厚い看護体制があるから、いても役に立たないのだからどこか行っておけだとさ。
言ってること一緒やんけ!
さすがに2人も子どもを産んでいる母親の秘書は強いね。夫を邪魔というんだからな。
まぁ後から知ったのだが、この世界では夫は出産に付き合わないのが普通らしく、今回のように気が動転している方がおかしいんだとさ。常識って本当に難しいよな。
色々話した結果、8人は直前に各街にグリエルとガリアが直接迎えに行くそうだ。付き添いとして、レイリーの副官2名に1中隊ずつをつけて同行させることが決まった。連行用に人数分の人造ゴーレムも派遣が決まっている。
逃がす気がない布陣だな。マップ先生を使った索敵……敵じゃないか? いや、俺たちの敵かもしれないから索敵でもいいかもな。
昼食で話し合うことが終わり、夕方俺が来る時間は18時と設定された。本当なら17時頃に集まる予定だったが、グリエルたちが連れに行かないといけない面子と、俺が連れに行かないといけない面子の関係上、この時間となった。
俺は、18時にここにきて、野営組に連絡を入れて順次迎えに行く形になる。
会議をしながらだったので、あまり味が感じられなかったのが残念だ。美味い事は美味かったが、頭が話の方に行っていたので、食事の印象が薄くなってしまった感じだな。
うっし、もうひと頑張りしますかね。
訓練場に戻ると、綾乃とバザールが来ていた。
午前中の話をしようと思ったが、特に変わりがあるわけでも無く、こんな感じだったと一言言ってからストレッチを開始する。
2人は、午前中の動画を早回しで見ながら、何やら言い合い始めた。お前たちも好きだな……分からないことに無駄に時間を使うのが好きなんだろうな、俺も仲間の1人なんだけどね。
体がいい感じにほぐれたと思うので、午前中のように動きをイメージしながら大薙刀を振り回していく。
体は動くけどイメージ通りって言うのは本当に難しいんだな……でもこのイメージって、本当に正しいのかね? たまにビビビッとくる動きはあるが、本当に稀な話だから良く分からんのだよな。
ん~、参考にできるようなものがあればいいんだけどな。アニメとかでも何でもいいから、とにかく探してもらうか。
あーだこーだ言っている綾乃とバザールに、薙刀系の武器で参考になりそうとか、これが面白そうって言うような動きを探してくれ。アニメでも漫画でも何でもいいから、参考になりそうな物片っ端からよろしく。DPの上限は無いから、じゃんじゃん召喚してくれ。
俺は一度動きを参考にした漫画を思い出して、見返してみることにした。
空間投影ディスプレイもわざわざ準備して、見やすい位置に画像を出しながら、マンガの中の動きを再現していく。アニメのように流れがわかるわけではないので、イメージで補完しながらゆっくりと武器を動かしていく。
ん~、参考にしているのが漫画だから、動きとして正しいのかは分からないが、参考にして体を動かしていれば、俺の中での正解が見つかるかもしれない。
取り入れた中途半端な動きを、ある程度のスピードで行ってみる。無理があれば体に負担がかかるだろう。そうなれば、俺の動きとしては間違っていると考えられるから、少しずつ動きを変えて見るのもいいかもな。
勝手に考えた型として、いくつかを繋げて徐々にスピードを上げて大薙刀を振るっていく。
筋力には問題は無いが、力任せな部分が多い気がする。もう少しスマートにならないだろうか? 無駄にステータスが高いせいで、多少無理をすれば簡単に動けてしまうのは問題な気がする。
動けても体が無理していると分かるので、少しずつ動きを変えてみている。
初めより負担は減っているが、ビビビッと来るような動きにはなっていない。でも、これはこれでありな気がするので、1つの攻撃方法として残しておこう。
1つが終わればまた、振り降ろし、振り上げ、突きなどを組み合わせて型を作り、連続して行えるような流れを組んで、それをイメージして武器を振るっていく。
とにかく、型にはめ込んで動いてみて、ドンドン速度を上げて負担の少ない振り方を見つけていく。
この工程があっているかもわからないが、考えても分からないから、とにかく大薙刀を振るって自分の体に覚え込ませていく。
2人が探してくれた参考になる物を見て、新しい動きを取り入れて見たり、とにかく大薙刀を振るい続けた。
スキルではないので効果があるか分からないが、ダンジョンの中での習得が加速する効果が出ていると良いな……レベルもスキルもこの世界の物なので、そのスキルが消えたら恩恵があるか分からないが、気持ちだけは効果があると思っておこう。
昨日も考えたが、一から始めるわけではないので、真っ白から始めるよりは多分早く動けるようになるだろう。
3人であーだこーだ言いながら、新しい動きを取り入れては良くないと思った動きを抜いていく。
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