2295話 延長戦後のリフレッシュ
アクセスありがとうございます。
お風呂に行けば、いつものようにスライムたちがぎっちり入っており、何が楽しいのかユラユラと揺れている。ぎっちり詰まって揺れているせいか、サッカースタジアムとかで見るような、ウェーブをしているようにも見えなくもない。
ニコから派生して生まれてきたスライムたちの生態は、未だに良く分かっていない。
お風呂場にこれだけ来ているので、前スライムがお風呂好きだと思っていたのだが、中には嫌いな奴もいるんだとか。サウナを好むスライムもいれば、水風呂しか入らないスライムもいるし、水には一切触れないスライムもいるらしい。
最後のスライムは、雨の日どうすんだろうな。
妻たちも各々好きな場所へ入っており、邪魔なスライムたちは押しのけている。
俺は、さっき汗をかいたのにさらに汗をかくサウナを選択する。最近入ってなかったので、急に入りたくなってしまったのだ。
今、家族専用のサウナは4種類ある。ドライサウナ・ミストサウナ・砂風呂・岩盤浴……後半の2つはサウナとは違うけど、俺の中では分類としては同じなので、まとめて言う時はサウナと呼称している。
ドライサウナも良かったのだが、今回は砂風呂へ入ろうと思っている。久しぶりのサウナで、久しぶりの砂風呂。砂をかけてくれるのがスライムなのは置いておいて、浴衣のようなモノではなく大きなバスタオル2枚でサンドイッチをするような形で砂風呂に入る。
初めはタオルの所為かあまり温かさを感じなかったが、1分もしないうちに体がぽかぽかしてくる。ドライサウナやミストサウナとは違って、じわりじわりと汗をかく感じだ。岩盤浴も同じような感じで汗をかくから、体の芯まであったかくなる感じなんだよな。
それに比べてドライとミストは、一気に体をあっためて汗をかく感じかな。あれはあれで気持ちいいんだけど、今回はこの感じが性に合っている気がする。
目をつぶっていると隣から振動を感じたので、ふと目線をやると、スライムたちが器用に体を細かく揺らして、砂風呂に潜っていた。水中の魚が潜るような感じでスライムたちが潜っているので、なんだかおもしろく見えてきた。
潜ったスライムたちだが、全部埋まるのではなく、何故かこぶし大の穴をあけて潜っていた。上からみると、なんだか気持ち悪い点々のあるオブジェに見える……何も知らずに初めてこの姿を見たら、トラウマになるかもな。
見た目が良くないから、自分たちが潜っていると分かるようにふくらみを付けて、全部埋まるように命令しておいた。
シンラたちはまだ利用しないけど、ミーシャたちはたまにミストサウナを利用しているみたいだから、その内こっちも利用するだろうし、見た目は良くしておいてもらわないとな。
全体が埋まるように指示をすると、見事に小山が沢山出来ていた。
スライムは汗かかないだろうけど、温まり過ぎたらどうなるんだろうな? 水分が蒸発して抜けて干からびるのだろうか?
前にも同じこと考えたことがあった気がするけど、結論が出ないから止めたんだったかな? その時って確か、人間の真似をしてか体の表面に水滴をつけてたんだったな。芸が細かくて笑った覚えがある。
でもあれって、汗みたいに体から出してるわけじゃなさそうだったから、水魔法か何かで表面に水滴つけてたのかもな。
それにしても、ポカポカして気持ちいいな……このまま寝ちゃいそうだ。
布団とかで暑く感じると寝苦しいのに、砂風呂の暑さは暑い事は暑いけど何でか眠気が襲ってくるんだよね。
「ご主人様、眠そうな様子ですので、少しお眠りになりますか? 温度は少し低くしますので、30分程であれば問題ないと思います。眠る前に少し水分補給をしていただけでば、なお大丈夫でしょう」
なるほど。ブラウニーの説明を聞いたら、少し寝たくなってきた。水分をお願いして、スポーツドリンクを飲んだ後に、再び目をつぶって眠気に身をゆだねた。
ものの数秒で眠りに落ちたと思う。何も考えずに、スッと寝てしまった事だけは分かっていた。
なので、すぐに声をかけられたと思ってしまった。
実際には30分ほど眠っていたのだが、あまりにも自然に寝てしまい考える事もなく夢も見ることなかったので、声をかけられるまでの時間が一瞬に感じられたということだ。
かなり汗をかいているのに、不快な感じがしないのはここが布団の上ではないからだろう。
火照った体を砂風呂から出して、水風呂に……ええい! お前ら邪魔だ、どけどけ。
水風呂を埋め尽くしているスライムたちをかき分けて、水風呂に浸かった。猛抗議を受けるが、風呂を占拠するなって何度言ったら分かるんだか……人がいる時は、スペースを空けろっての。あまり邪魔が過ぎると、シルキーたちに言って出禁にするぞ?
そういうと、猛抗議して詰め寄ってきていたスライムたちが、ススッと少しスペースを空けてくれた。
少し快適になった水風呂でマナー違反だけど、頭の天辺まで浸かって火照った体を冷やしていく。
マナー違反は、自分の家ということでノーカン。体に良くは無いけど、気持ちいいのでやめられない。何かあったら回復魔法やエリクサーに頼ればいいし。
なんて考えてたら、何かが頭に当たった。
水風呂から顔を出して頭に当たったものを確認すると、氷だった……ブラウニーの1人が杖をこっちに向けているので、あの子が俺に氷を落としたのだろう。
少し痛かったので抗議をすると、変なこと考えていた気がしたので、考えを改めてもらおうと思いまして……だってさ。顔が見えていなくても、俺の考えていることが分かるのか!?
もしかして俺って昔ドラマの再放送で見た、サトラレみたいな能力を持っているのだろうか?
「何となく言いたい事は分かりますが、行動パターンを知っていて、考えが分かりやすいので、予想がしやすいだけなんです」
心の声はバレていないようで、昔考えていたエロいことがバレていなくてよかった。
「あ~、ご主人様。昔、奥様方が家に来られた時ですが、胸を見ていたことはバレてますよ。必死に見ないようにしていたようですが、スポーツブラを着けるまでは、年長組の奥様方の胸をチラチラ見ていたようですね」
バレテーラ。
だってさ、こっちに来た時は、まだまだ若くて、可愛い子たちが薄い布地1枚で、山の上にぽっちが見えてたら、見ちゃってもしょうがないだろ! 日本人の男子高校生の7割は同意してくれると思う!
なんて考えていたら、もう1度頭の上に氷を落とされて痛かった……
ここまで読んでくださり、ありがとうございます。
ブクマや評価をしていただけると幸いです。
これからもよろしくお願いします。




