2281話 この世界の人間には難しい?
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シンラたちがはしゃぎながらおやつを食べている。ミーシャたちは汗をかいたので、軽く体を拭いてから服を着替えておやつを食べ始めている。そう言えばシンラたちは、前転して遊んでいて目が回ってそのまま寝たので、今は元気いっぱいなんだよな。
たださ、自分たちも運動したと言わんばかりに、姉たちの真似をして体を拭いているのはどうなんだろうか? それとさ、娘たちよ。こんな開けた場所で裸になって恥ずかしくないのか?
体を拭く時にシェリルたちに協力してもらって体を拭いていたが、速攻で真っ裸になったんだよな。まだ一緒にお風呂に入っているとはいえ、お風呂でもない空間で全裸になるのは恥ずかしくないのか? 俺は恥ずかしいのだが……
いくらお風呂場で見られているとはいえ、こんな解放感と言っていいのか開けた場所で裸になるのは、さすがに恥ずかしいぞ。世の中には裸を見られて平気な人もいるし、一概には言えないが……恥ずかしいと感じるのは、日本人の感覚かね?
とりあえず、スキルのLvを3まで上げられれば、今回の件に関しては不自由なく使えるようなので、スキルLvを上げていくのが急務となるだろう。
シェリルたちの様子を見ていれば、早くて今日中には覚えられそうだが、本当にこんなに簡単に上がっていいんだろうか?
スキルを覚えるための裏道があったと分かったので、一応検証のために時間のある人で戦闘訓練をしたいディストピアの住人を集めて、レイリーに教導をお願いしている。
短い時間だとしても、効果がある訓練が行えるように、ブラウニーたちも協力してスキルLvに合わせた知識の絞り出しも行っているので、一定以上の効果をあげられると思う。検証としては十分なデータが得られるだろう。
何より、レイリーたちを含む教育を施す側の人間にも、一定以上の効果があり効率的に訓練を行うプログラムの作成も出来るようになると思われる。
おやつを食べ終わった子どもたちは、訓練場の畳の上でゴロゴロしながらストレッチを行っている。
見よう見まねのシンラたちは、まぁ遊んでいるだけにしか見えないけど、楽しそうで何よりだ。
プラムたちがシンラから離れて、楽しそうに運動しているだけでも不思議な光景ではあるのだが、俺が知らないだけでだいぶ前からこんな感じなんだそうだ。離れて生活している時にも思ったけど、だいぶ成長してきたのかね。
シェリルたちに引き続きミーシャたちの相手をしてもらおうと思ったが、シェリルたちもしっかりと体を動かしたいとのことだったので、他のメンバーと交代して俺を相手とした訓練が始まる。
スキルを駆使して、俺はシェリルたち3人をポンポンと投げていく。
俺もみんなの相手をし始めてから、簡単に投げているため要領を掴んできた感覚がある。それに従って投げると、面白いように投げることができた。
これはシェリルたちも混乱するレベルで、自分たちが何故簡単に投げられているかもわかっていない。
柔よく剛を制すという言葉はあるが、力が弱くても力の強いものを制すことができるといったような意味合いだ。だけど、力があればさらに制しやすいのは明白である。
そう考えると、力があり技術もそれなりにある俺が使うと……
「全然防げない!」
と、こうなる。シェリルだけでなく、イリアもネルも悔しそうにしている。防ぐというのとは少し違うが、投げられないように自分たちなりに工夫してはいるのだが、抵抗できずに投げられてしまうんだとか。
これで、足払いとかは全く使っておらず、シェリルたちの体勢を崩して、そのまま投げているだけなので、まずは体勢を崩されないように頑張らないといけないのだが、慣れていないからそれも難しいのだろう。
武器を使っての戦闘であれば、後ろに押されることはあっても、手前に引き込まれることなんてないから、普通なら対応できないのも当たり前なんだけどね。
そこでふと思う。
達人と呼ばれる柔道家なら、俺の投げも全く通じないのだろうか? 柔よく剛を制す、がどこまで通用するのか分からないが力の差は歴然だから、どこまで通用するのか気になってしまった。気になったところで検証も証明も出来ないので、モヤッとしてしまう。
集中していないことがシェリルたちにバレ、俺は怒られた。他の技術や知識が邪魔をしているのか、格闘で戦っている時の君たちと、今の君たちには差がありすぎるんだよね。それこそ、こんな風な思考になっても簡単に投げれてしまうくらいにはね……
覚えは早かったけど、応用ができていないのだろうな。俺の空気投げや隅落しに対応できていないのだ。違うこと考えてても、怪我はさせないからよくないかね?
真剣にやってもらえないことが不服だと言われたので、俺も意識を切り替えて訓練をすることにした。
正真正銘、本気も本気でシェリルたちを投げていく。
道着ではないので掴んだりする場所が少ないが、それでも掴む場所が皆無というわけでもないし、手首や腕であれば簡単に掴むことができる。
こっちは投げ技で対応しているが、向こうは普通に攻撃をしてくるので、それを逆手にとって投げ飛ばしている感じだな。
手で攻撃ばかりしているから簡単に投げられると思ったのか、足での攻撃もしてくるようになった。さすがに足への攻撃を投げることは俺にはできない。だけど、腰より上になってくると話は変わる。
体勢を崩すように蹴りを受け流して、そのまま距離を詰めて投げていく。ここまでくると、柔道の投げ技として技名がないような投げ方になってくるんじゃないだろうか?
1対1だと予想以上に有効な攻撃手段になるな。シェリルたちが手も足も出ていない。いろいろな条件付きでの訓練だが、ここまで有効な手段だとは思ってもみなかったわ。
休憩中に、昔、ゴーレムを倒すために関節技を使った時の事を思い出す。あの時に近い感覚だな。面白いように対応できてしまうという感じだ。
対人戦、特に少数であれば、柔術はかなり有効的な攻撃手段となりそうだな。戦場では難しいかもしれないが、隙を見せずに投げられるのであれば、混乱した戦場でも有効な手段となりそうだな。
前衛が投げた後に後詰めの人間が止めを刺せばいいわけだしな。
後は、柔術には捕縛術もあるから、それ用にも武器というか道具を作っておく必要もあるかな。
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