2251話 新作と子どもたちの勉強
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おやつの時間になるとシンラたちはゲーム機を返しに行くが、あの場所が気に入ったのか、コタツでおやつが食べたいと言い始めた。ブラウニーたちは困ったがシルキーが許可を出すことで、ゲームをしていたコタツでの食事が認められた。
シンラたちだけでは寂しいので、ミーシャたちも一緒に食べるようにお願いする。子ども用に、コタツの台の高さを下げているので、体の小さなシンラたちには使いやすいのかもしれないけど、大人の俺がそのコタツを使うのは少し難しい。
近くでは食べるけど、同じ机では食べられないは勘弁してくれ。
それにしてもゲーム音は全く聞こえなかったのに、子どもたちの声だけ聞こえるって本当に不思議だったな。妻たちは使いたがらないから、こんな風に見えている事なんて知らなかったわ。
ゲーム中にしゃべる人が使ってたら、ヤバい独り言言っているみたいに見えそう……あ~ヘッドフォンでゲームをしている人も、同じ感じに見えるのかな? でもあれは、ヘッドフォンを付けているのは周りから見えているから、なんとなく察せられるか?
今日のおやつが運ばれてきた。
バニラアイス?
運んできたブラウニーがおやつの説明をしてくれた。甘さ控えめな作りたてのアイスだってさ。ダンジョン牛で作ったアイスのようだ。
品種改良が続けられているらしく、上質な生クリームを採れる個体が生まれたので、アイスを作ってみたそうだ。だけど、アイスだけじゃないんだよな。
チョコチップアイスみたいに、アイスに何かを混ぜてある感じだな。
そのまま食べても美味しかったけど、乾燥フルーツやグラノーラが入っている方がおやつ感が強いと思って、アレンジした結果が今日のおやつらしい。
ザクザクした感じも楽しんでほしいとのことで、食べる直前に混ぜたようだ。
言われるがままにアイスを口に運ぶと
ザクッザクッ……
へ~こんな感じの食感になるのか。俺は好きだけど日本では流行らないかな? ただ混ぜただけのアイスだし、これならシンプルなバニラアイスをそのまま売った方が絶対に売れると思う。
アイスに対する量がそこまで多くないが、存在感のあるグラノーラ。干して甘さが強くなっているが、酸っぱさが強い乾燥フルーツ。そのおかげで、甘さが控えめでもかなり甘く感じる。
子どもたちも気に入ったようで、アイスを入れていた器を返す時に、また食べたい! とブラウニーたちにねだっていたので、近々新作が作られてまたおやつに出てくるだろう。
シンラたちはデザートとしてではなく、おやつとしてまた食べたいと言っているのも、この食感だからだろう。ザクザク言うから、デザートとしてではなくおやつ感覚で食べる方が美味しいんだろうな。
同じものでも、食べる状況が違えばそれだけで話は変わるからな。
オヤツが終わった子どもたちは、子ども部屋に戻るようだ。
時間的に勉強のはずだけど……って、子ども部屋を広くして勉強もできるようにしたんだっけ? 今では、寝室と勉強部屋が分かれており、勉強部屋は多目的部屋を利用しているんだったな。
この部屋に来るのも……久しぶりかと思ったけど、つい最近様子を見に来て寝てるからって、すぐに部屋から出たのを忘れてたわ。
子どもたちが勉強の準備を始めると、今日の教師役でエレノアとメルフィが子ども部屋にやってきた。
勉強は同じ部屋で行っているが、ミーシャたちとシンラたちとを分けて教えているみたいだな。
そりゃそうか。勉強する内容に違いがあるんだから、分かれて教えるのは当たり前だな。
って、おい!
勉強に使っている道具を見て、思わず心の中で突っ込んでしまった。
多分だが、魔改造された液晶ペンタブだ。
文字を書く練習をしているようで、ペンタブ用のペンと、消しゴム型の何かを準備して文字を書いている。
俺が出した物ではないので、シルキーたちか四大精霊たちが出した物だろうか?
その液晶ペンタブを使って、文字の練習や勉強を行っている姿は、ハイテク化した世界の学校のようにも見えなくもない。どうしてこんな勉強方法になったんだろうか?
俺が子どもたちの様子を見ながら悩んでいると、シンラたちに文字の書き方を教えていたメルフィが声をかけてきた。
「何か悩んでるのですか?」
表情に出してなくても考えていることがバレるのに、自分でも悩んでいることが外に出ているのは理解しているから、気付かれるのは当たり前だよな。
何に悩んでいたかを説明すると、この状況の首謀者が判明する……綾乃だった。
性格には、綾乃に勉強道具としていいものがあると紹介されて、バザールに強引に魔改造品を召喚させたらしい。思った以上に便利で使いやすかったから、最近では妻たち全員が利用を始めているとか……
液晶ペンタブと言ったが、機能的にはパソコンと同等以上の事が出来るので、タブレットパソコンだなこれは。
液晶ペンタブって、パソコンに繋げなければただの液晶タブレットだもんな。文字を書いたりできることから、パソコンだと気付くべきだったな。
文字のお手本を映しながら、その隣に一生懸命文字を書いている姿は……可愛いとは言えなかった。その表情がなんとも険しい顔になっていたのだ。プラムとシオンはニコニコして色々書いているが、シンラだけはブツブツ何か言っている。
ここが微妙に違う……とか、ここはもう少し伸ばした方がいいか……とか、お手本と自分の文字を比べて険しい顔をしている。
書道の習字じゃないんだから文字として読めればいいのに、どこどこが違うとか険しい顔で言っているのだ。習字だったとしても、とめ・はね・はらいがしっかりしていて、バランスがおかしくなければ、多少の違いを気にする必要なんてないんだぞ。
書道家にでもなりたいなら別だけど、タダの勉強の時にはそこまでこだわらんでもいいだろうに。
シンラって何気に細かい事を気にするタイプなんだな。
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