2249話 思ったより大がかりになった
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昼食が終わると、シンラたちは猫たちの世話を始める。いつもなら、たくさん食べた後は椅子にどっしりと座っているシンラだが、今日はお腹いっぱいでも行動をするようだ。
世話と言っても、猫たちのブラッシングではあるが、まだ動物の扱いに慣れてなかったシンラたちは、ミーシャたちに注意されながら、優しく優しくブラッシングしている。
ただ、猫のブラッシングがなっていないからと言って、実際に体験させてみるのにはびっくりしたな。思わず止めようと思ったが、ブラウニーたちに止められたので泣く泣く見ていた。
何をしたかというと、実際にシンラたちがやっていたように、少し乱暴にシンラたちの髪の毛を梳かしたのだ。痛いと3人とも言っているが、それでもしばらくやめなかったのは、実際に猫が感じている事だと教える為だったようだ。
その次に相手を思いやるように優しく梳かし始め、シンラたちに感想を聞いている。どっちがいいか聞かれれば後者を選び、猫たちが嫌がっていた理由をすぐに理解したようだな。撫でる時は優しいのに、ブラッシングする時は何故か強くやってたんだよな。
その後すぐに猫たちにブラッシングをさせるかと思えば違った。実験台としてミーシャたちが、シンラたちのブラッシングを評価するという行動に出たのだ。大丈夫かと思ったが、実際に体験しているし、姉たちもいつも優しくしてくれているのを知っているので、手荒なブラッシングはしなかった。
しばらくして合格を貰ったシンラたちは、猫に謝ってまたブラッシングをさせてもらおうとしている。ブラシを持っていると初めは嫌がってつかずかなかったが、ミーシャたちの通訳のような物で渋々近付いてきてくれている。
というか、君たちのその能力ってマジで何なんだ? 動物に好かれるし従魔も虜にする……俺より子どもを優先する従魔がいるってマ? って言われるレベルだわ。
って思ったけど、大手動画投稿サイトなら、むさい男より幼女を優先するのは当たり前、とか言われそうだなと不意に思った。確かにその通りかもしれないけどさ!
それでも、いくら俺の子どもだからと言って、少しでも近くで見ようと子ども部屋の隣に、従魔たちが待機できる部屋を作ったのは懐かしい思い出だな。
赤子って、従魔たちから見ても可愛く見えるんかね? そこらへんが良く分からないんだよな。赤ちゃんの動物を見ると可愛い! って思うのと同じで、従魔たちも人間の赤ちゃんを見れば可愛い! って思っているのかね?
リバイアサンのメグちゃんがミーシャたちを好きな理由は知っている。念話が使えるから、会話が可能なのだ。その理由が大きい体でも忌避せず、よく話に来てくれていたから、俺より娘たちを優先するって普通に言われたわ。
俺の隷属化にあるはずなのに、普通に言われてビビったわ。でも、俺に隷属するってことは、俺の家族を守るって意味もあるそうで、何の問題もない! といっていたな。それに、俺たちには戦う力はあるけど、娘たちには戦う力は無いから、守るのを優先するとも言っていた。
ミーシャたちはレベルが高いから、そこら辺の下っ端程度なら瞬殺するけど、ある程度狡猾な大人には負けてしまうだろう。良くも悪くも、まだ動きが直線的なんだよな。
猫たちがリラックスを始めて、お腹をブラッシングしてもらおうと、寝転がる姿を見れば気持ちいいのだろうと想像できる。
俺は俺でやることを準備し始めようかな。
手の空いたシルキーとブラウニーたちを呼んで、午前中に設計した食堂について意見を聞くことにした。
「掘りごたつ風の机ですか……冬とか鍋が美味しそうですね」
ミドリが俺の知識を元に、掘りごたつの話をすると、俺と同じように鍋の話を始めた。俺の知識の中から引っ張り出してきてるから、当たり前なんだろうけどな。
「確かにお子様たちには、こちらの方が安全ですね。ご主人様や奥様方は立つのに大変そうですが、食事時に座ったり建ったりすることは、あまりないので気にならないのではないでしょうか?」
ブラウニーの1人がそういった。言われてみれば、食事の時に立ち上がることって、ビュッフェ形式の朝食やバーベキューなどの外で食事する時くらいか?
そう考えると、掘りごたつ風は採用してもいいかもしれないな。
「ご主人様、確か掘りごたつは蓋をすれば、普通の床のようにも使えませんでしたっけ?」
コバルトが俺のあやふやな知識から絞り出して、蓋をできるタイプの堀ゴタツの話を始める。あった気がするけど、記憶が定かではない……が、蓋をするくらいは自分たちでもできるから、何の問題もないな。
いい助言を受け、掘りごたつも今まで通りの食堂も使えるようになった。そのための道具も一式作ることで解決する。
シンラたちがコタツに慣れる一環として、シンラたちの遊ぶスペースにもコタツを準備しようと思っている。コタツの机の前に座って、正面にテレビを設置する。
悪くないな。
ミーシャたちは慣れる必要はないんだよな。俺の部屋で良くコタツにはいりながら遊んだりしていたんだよな。俺の部屋はのコタツは長方形で、長い所に座るとテレビが良く見えるようになっていて、大人が3人は座れる大きな机があるのだ。
そこに寒い時期は潜り込んで、3人で本を読んだりゲームをしたりしていたんだよな。良く寝落ちして、子ども部屋へ運んでいたころが懐かしいな。
シンラたちがお昼寝を始めたので、その間に改装してしまおう!
設計図を呼び出して、そのまま適用すればすぐに完成!
ブラウニーたちは手分けをして、色々と確認を始めた。不備は無いか危ないところは無いか、使いづらくないかなどなど細かい点まで確認を始めた。
その様子を見ていると、少し歪になった食堂とキッチンの形を見て、キッチンにも手を入れた方がいいか悩む。手を入れるにしても、シルキーたちの許可が必要なので、聞いてみる方が早いな。歪でもこの形がいいと言われれば、このままになるしな。
聞いてみると、4人が頭を突き合わせて話し合いを始めた。ミーシャたちもシンラたちも、相談する時にこの体勢になるのはなんなんだろうな?
しばらくすると結論が出たようで、大きくすることが決まった。
キッチンの大きさが大体2倍くらいに広がり、その中は自分たちで調理しやすいように配置するので、改造するためのDPを預けてほしいと言われた。
あれ? 余るくらい渡してるけど、それから使わないのか?
どうやらあれは、食事の研究などで大半を使ってしまっているようだ。そういう事ならDPを渡すから言ってくれればいいものを。
後は、新しく業務用の機材をいくつか使いたいと言ってきた。機材は自由にそろえて良いと言っているが、大きなものになるので、許可を貰ってからだとさ。もちろん有り余るDPを大量に渡して、自由にしちゃっていいよ。
もし1階で足りないなら、2階の君たちのスペースを潰して、3階とくっつけてもいいけど、どうする? 広さ的には、2階分に分けていた君たちの寝る場所が3階に全部行く形になるけど、それは無しか?
それを聞くと、すぐに話し合いが始まる。
結論は、すぐに俺の意見が採用された。この子たちにとって自分たちの部屋より、キッチンの方が大切なんだな。
実質4倍に広くなったキッチンのスペースは、シルキーたちによって魔改造されていく。
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