2245話 下の子たちは良く分からん
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スカーレットの指示を聞いて、シンラたちはゲーム機を預けて食事を始める。
ゲームをできる時は、シルキーかブラウニーたちから受け取ってから、終わる時はしっかりと預けることを条件に遊ぶ許可がおりた。
自分たちの役割……猫の世話や運動、勉強などをしっかりとしないと、ゲームをやる時間がもらえなくなるようで、シンラたちは張り切っている様子が見える。でもな、今日はもうご飯食べたらお風呂入って寝るだけだぞ。
食事が終わると、シンラたちが今まで取ったこと無い行動をとり、家族全員がビックリした。
デザートを食べた後、いつもならそのまま座ってのんびりするか、お風呂にすぐ行くか、自分で食器を片付けることなどしたこと無かったのだが、今日は自分たちで食べ終わった食器を返却棚まで運んだのだ。
背が低くてまだ届かないから、手伝ってもらいながらの返却だが、自ら食器をさげるなんて思わなかった。
ゲームができなくなるのが余程嫌なのか、ゲームを取り上げられていない姉たちの真似をして、食器を片付けるところまで真似をするとはな。
いい方向に成長しているのだから良い事なのだが、俺の子どもというだけあって、変な所ばかり似ているな……俺も中学生くらいまでは、勉強しないとゲームをさせてもらえなかったな。
そのおかげで、嫌でも勉強はしてたからそれなりの学力があった。今となっては全く価値のない学歴だが、地域で1番、県内でもトップ10には入る学校に通っていたんだよな。
頭のいい学校でもそこそこの成績を残していたから、ゲームが自由にできてたんだよな。
ゲームがモチベーションになって、色々自発的にしてくれるようになるのなら、結果的にはシンラたちのためになるだろうし、今はこのままでもいいかもな。
ただ、勉強に対する報酬が無くなった時、この子たちがどうなるか……
もう少し大きくなったら、そこら辺のことも学んでもらわないと、大変なことになるかもな。
食器を返却したシンラたちは、3人で仲良くお風呂に向かうみたいだな。お風呂にはいったら寝る前にゲームでもするのだろうか?
っと、今日シンラたちの面倒看るのって……あ~、はい。俺なのね。別に嫌じゃないから問題ないよ。
妻たちの様子も気なるけど、シンラたちの事を任されたからには、面倒を看ないとな。
少し遅れてお風呂へ到着すると、シンラたちは準備万端といった感じで、誰かくるのを待っていた。俺だったせいか、プラムとシオンは変な顔をするが、シンラは関係ないので早く準備しろ! と圧力をかけてきた。
分かったから、急かすな! 服を脱いでいると、ウルとミーシャたちもお風呂へやって来て、珍しく子どもたちに囲まれてのお風呂タイムだ。
子どもたちと俺だけの事ってあまりないから、レアな状況だよな。いつもは、子どもたちがいて妻も誰かしら一緒だからな。
シンラたちは、まだ自分たちだけでお風呂にはいってはいけないと、言われているので誰かと一緒に入る必要があるため、俺を待っていたのだが……ウルたちが来たことで、俺は必要ないと言わんばかりにプラムとシオンにジト目で見られる。
悪い事は何もしていないのに、悪い事をしている気分になるから、この子たちの視線は怖いし辛い。
とはいえ、服も脱いでお風呂に入るだけのタイミングになっているので、この状態から追い出すのはさすがに木地区の所業だと思うのだけど……
ミーシャたちが、パパッと服を脱いで一緒に入るように言ってくれなければ、プラムたちに追い出された可能性があるな……何でこんなに肩身が狭い思いをしないといけないのかね? 食堂に行くときは、シンラと一緒に運んであげたのに、今は何でこんな感じなんだ?
ミーシャたちは、姉らしく下の子たちの面倒を看てくれるので、本当に助かっている。今もプラムたちの面倒を看てくれているし……って、お前さんは何で俺の前に陣取っているんだ?
俺がシャワーで体を洗おうと椅子に座ると、俺の前にシンラ専用の椅子を持って来て、どしんと座った……
俺に洗えってことらしいな。上の子たちをお風呂に入れていた経験から慣れてはいるが、お前さんの事を洗うのって、レアなケースだよな。今日は、レア続きでビックリだな。
妻たちの暴走、聖国でおいたをしていた領主を懲らしめ、子どもたちと俺だけのお風呂の状況、そしてシンラの体を洗うこと……レアケースが続いているな。
初めの2つは原因が同じではあるけど、ただアホな聖国の領主という意味なら、腐るほどアホな奴が増えるので、気にするだけ意味は無い。そのアホによってもたらされた手紙……一応書状ではあるのだが、格下に送るような内容だった……で、妻の対応と俺の対応で別れたからな。
妻を連れて行っても良かったのだが、もし連れて行った場合は、俺だ単独で行った時より、人的被害が拡大していただろう。
あの街にいる人間が獣人の妻たちを見れば、どうせ渡せとか言ってきて適当なこと口走って、それに俺がキレて死人が増えるか、我慢の限界に達した妻たちの魔法やら何やらで、バッハのブレスより甚大な被害が出ただろう。
あの時は俺も冷静ではなかったからバッハから後で聞いて、確かに貧民街の人間はどちらかというと奴隷に近い形だったので、無駄に被害を出す必要はなかっただろう。
同じ街の人間でも、ピンきりなんだよな。
って、頭が痒いなら自分で洗えって、指を指してここ! じゃないっての!
これは、甘えん坊というよりは、俺に色々させて楽しんでいる感じだな。こいつ、微妙な悪戯をするようになりやがって……
ちょっとイラっとしたのでお返しに、体を洗うついでにくすぐってやると、俺の腕から逃げ出そうと暴れるが、脇の下から腕を回してホールドしているので、上に抜けない限りは抜け出せない状況になっている。
シンラが観念したのか謝ってきたので、罰はこの辺で終了だな。
頭は自分で洗うんだぞ。せっかく自分で色々やるようになったのに、こんなところで俺の手を借りてたら、ゲーム機を取り上げられるかもしれないからな!
その後は、スライムの沢山浮いているお風呂へ一緒に入り、お風呂から上がる際にコーヒー牛乳を飲み着替えた。そう言えばお風呂上りにコーヒー牛乳って、うちでは珍しいけど……あ~、シンラの希望だったのね。
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