表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ダンマス(異端者)  作者: AN@RCHY


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

2241/2519

2241話 妻たちは……

アクセスありがとうございます。

 グリエルに呆れられるような表情で送り出され、俺は自宅へと帰る。途中で街のちびっ子どもに追いかけられたが、特に何かあるわけではなく、珍しかったので俺の周りを走り回っていただけだ。


 元気な子どもたちは、街の未来の象徴。すくすくと育ってほしいものだ。大阪のおばちゃんみたいに、飴ちゃんくうか? といって、10種類くらいの飴玉を出してあげると、大喜びだ。自分たちだけで独占しようとしないで、他の人も呼んでいいか聞くあたり、優しい子たちだな。


 そのおかげで30分くらい帰るのが遅れてしまったが、子どもたちの笑顔が見れたので良しとしよう。


 家に帰ると……迎えは誰もなかった。まぁ予想はできている。ミリーが帰って来ているから、それの話を聞いて獣人の妻たちを、みんなで押さえていると思われる。子どもたちはどうしているんだろう。放置ってことは無いけど、いつも通りってわけにもいかないよな。


 自宅の中を進んでいくと、子どもたちの声が聞こえてきた。


 この子たちは、お願いしてくれただけで、何が起こっているかは知らないので、はしゃいでいるのだろうか?


 妻たちの様子も気になるが、子どもたちも気になるので先に子どもたちに会いに行くことにしよう。


 子どもたちは、子ども部屋ではなく俺の部屋から声がするんだよな……何で俺の部屋なんだろうか?


 そっと部屋の扉を開けて中を覗く。


 7人が集まって大画面でアニメを見ていた。このアニメだと、シンラの好きなタイプのアニメっぽい。プラムとシオンは分からないが、ミーシャたちは基本的にアニメに好き嫌いは無いので、シンラに付きあっているんだと思う。


 下の子たちはアニメに釘づけで、上の子たちは小さな声で色々話しながら一緒に見ている。


 内容は、やっぱりこの部屋の音響機材はいいねとか言っているから、音の良いこの部屋に来たんだろうな。


 そういえば、俺の部屋って防音設備も備えているはずなのに、子どもたちの声が聞こえていたのは何でだ?


「ご主人様、ご主人様のお部屋に入る条件として、1つ魔法を使うことを約束してもらいました。その魔法で部屋の外に声だけが届くようにしています」


 なるほど、シンラたちがアニメを見ている部屋は、そこまで広くないから趣味部屋で自分たちも本を読みながら待機していたのか。ってか、入ってきた時には気付かなかったけど、お前ら趣味部屋のどこにいたんだ?


 本棚がたくさん並んでいるが、俺が好きな本しか並べていないので、見通しはいいはずなのに気付かなかったのだ。


 指を指す方向を見てみると……あ~人をダメにするクッションに埋もれてたんだな。そのせいで俺から見えなかったようだな。


 そのクッションの山の中に後5人のブラウニーたちが埋もれているようで、3人は交代要員として寝ているようだ。


 さて、どうしようかね。子どもたちは、特に問題は無いよね? だったら、何かあったら連絡してくれ、妻たちの方に行ってくるから後はよろしく。


 妻たちは……おかしいな、しばらく家の中を移動しているのに気配がない。どこにいるんだ?


 ん~、分からないので食堂へ向かい、キッチンで調理をしているシルキーの誰かに聞いてみよう。マップ先生で探すのでもよかったのだが、何となく止めておいた方がいいと思ったので、シルキーに聞くことにした。


「今日は……アマレロが担当なんだな。妻たちが見当たらないんだけど、どこにいるか知ってるか?」


「あっ、お帰りなさい。奥様方は、ダンジョン農園に行っていますね。一角に作った闘技場に集まっています。じっとしてられないと言って、体を動かしてくるとのことですね。スカーレットが一緒についていって、保護シールを大量に出しているので、ガチンコバトルをしていると思われます」


 マジか。いくら落ち着かないからと言って、妻同士で模擬戦をしているってことか? ミリーの心情的にそんなことしても大丈夫か? 大惨事になりそうなんだが!


 俺は慌ててダンジョン農園へ走って向かう。


 入り口から少し離れた位置にある闘技場へ……


 闘技場にはいると、ヤバい音が聞こえている。到底人同士が戦っている時に聞こえる音ではない。俺も自分でありえないような戦闘音を出すが、その音と全く同じと言っていいだろう。


 バトル漫画でよくある、戦闘音が聞こえているように表記されるような音だ。


 ドゴンッ! とか、 ガキンッ! とか、バキッ! とか、普通に戦っていたら、自分たちだけにしか聞こえない音が、闘技場全体に響き渡っているのだ。


 止めることは出来ないだろうが、心配なので戦闘の見える位置へ移動する。


 闘技台の上では、獣人の妻たちとシュリが素手で殴り合っている。シュリが1人で全員を相手にしている形だ。ステータスによるゴリ押しだな。頑丈な体と力で対抗している。


 普段の戦闘訓練を考えれば、ここまで一方的な試合になるのはおかしい。やっぱり獣人の妻たちは、精神的なものがあるのだろう。あと、シュリの闘い方が防御をせずに強引に攻撃に合わせて、カウンターをしている感じだ。


 後遺症が残りそうな戦い方だけど、気を晴らすために付き合っているのであれば、この方法が一番なのだろう。


 ただ、スカーレットが付いているので、もしものことは無いと思う。後遺症が残ることになっても、魔法もあるしエリクサーを点滴しても治るので、体の問題は大丈夫だろう。問題は、精神的なものが残らないかが心配だ。


 俺は大人しく見守ることにした。

ここまで読んでくださり、ありがとうございます。

ブクマや評価をしていただけると幸いです。

これからもよろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ