2234話 場所によって値段が違う
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シンラたちが起きて、午前中と同じようにはしゃぎ倒して遺跡群の観光が終わった。妻たちも、思いのほか楽しんだようで、少しほっとしている。
妻たちは俺と同じように、魔法がない世界でこんな高い所にどうやって住んでいたのか、疑問に思い妻たち同士で少し厚い議論をしていた。
実際に住んでいた時代に行かない限り正確な情報は分からないだろう。だけど、考える事が面白いのだ。最大で750人ほど住んでいたってことは、2~300人の可能性だってあるわけだ。だからと言って、食料や水が足りるのかは俺には分からん。
でも、人が住んでいた形跡があるのだから、何かしらの方法で生活を営んでいたのだろう。
現代の地球なら、多少無理することはあるだろうが、山の上に水を通すことも可能だ。そこまでする価値があるのかは分からないが、可能か不可能化で言えば可能だ。
富士山にだって通そうと思えば通せるだろうが、維持費だけで膨大な赤字を抱えることになるだろう。
俺がパッと思いつく範囲でも、水道管の破裂防止で使う電気代もしくは、凍らない地中深くまで埋めるための工事費、富士山のふもとに送水ポンプを作ったとしても、一気に山頂まで押し上げるのは無理があるので、何回かに分けて押し上げることになるだろう。
その排水施設の工事費などなど、色々考えられることは多い。重機の入れない山上となれば人力の作業になるが、とても現実的ではない。だから富士山に行くときは、しっかりと水分を持って行く必要があるという話だ。
自販機もあることはあるが、場所によっては一般的な自販機の3倍以上もするらしい。実際に見たことが無いので分からないが、それだけ貴重品ということだろう。
そう考えると、この遺跡群の水源って本当にどうしていたんだろうな……
そんな事を考えながら、ミーシャをおんぶしてスミレとブルムを抱きかかえる。体が大きくなっているのでかなり苦労をしたが、シンラたちが甘えているのを見て、自分たちも久しぶりにしてほしいと我が侭を言ってきたので、船に戻るまで子どもたちを運んだ。
ちなみにシンラはウルに抱かれているが、何故かプラムとシオンは俺の足に張り付いて、足が動くときに体がフワッとして面白いとか言って離さなかった。そんなに早く動かしてるわけじゃないから、フワッとする訳は無いのだが……
龍の球を7つ集める漫画のタートル爺ちゃんの修業をしている主人公みたいな気分だ。あれでは亀の甲羅だったけどな。
500メートルほどの距離をえっちらおっちら歩いて戻る。足に2人が張り付いていなければ、ここまで時間はかからなかったのだが、離れなかったので安全を心掛けて歩いた結果、普段の3倍近い時間がかかった。
船へ戻り、デッキでみんなでくつろぎ始めると、スライムたちが船を出発させた。
流れに乗ったままだと、真夜中に中心地に戻ることになりそうなので、夕食が終わるころには待機エリアに戻れるようにスピードを上げてもらっている。
夕焼けが遺跡を赤く染め、より一層幻想的な景色になる。雲海の上に遺跡群が顔を出し、その遺跡が赤……まぁ濃いオレンジみたいなんだけど、それがまたキレイで驚いてしまうレベルだ。
少し早く流れる景色を見ながら、水分補給をする。マチュピチュは標高2000メートル以上の高地にあるので、本来なら気圧が低い。だけど、マイワールドで作っている景色なので、気持ち空気が薄いだけで済ませている。
普通に時間をかけて歩いて登るなら、体調に問題は現れないが、いきなり気圧の低い場所へ行けば、高山病になる恐れがある。2~3000メートルではならないだろ! と思っている人もいるだろうが、2000メートルを超え2500メートル付近でかかる人もいるそうだ。
富士山でも途中で気分が悪くなり、頂上まで行けないという人はそれなりにいるからな。
特にシンラたちの年齢であれば、2000メートルでもかかる時は高山病にかかるだろう。
そんなこともあって、気圧はそんなにいじっていない。
あ~遺跡が遠くになってしまった。1日では見たりないが、子どもたちからすれば十分な時間だろう。2日目があるなら俺は、遺跡の石とかに触ってみたいな。今回は、歩いたけど触ってないんだよな……また今度くればいいか。
夜は船のデッキで、バーベキューか鉄板焼きの予定なので、日毎に色々なテーマを決めている。
初日のテーマは、海鮮! 生で食べることも多い魚介類だが、今日は海鮮バーベキューだ。船に乗ったということもあり、海産物エリアで食べる海鮮バーベキューが食べたくなったので、4日目あたりでやるはずだった海鮮を初日に持って来ている。
海鮮系と言えば、醤油とバターは鉄板なのだが、最近ブラウニーたちの作った和風のバーベキューソースも捨てがたい。ベースは醤油だけど、味噌も入れているため味に深みがあり、ニンニクなどの様々な香味料や香辛料を混ぜた特製のソース……タレ? まぁ、どっちでもいいわ。
これで肉を焼くだけで、モリモリ食べれてしまう。一辺倒の味だと飽きが来てしまうから、さっぱりするようなレモンとか酸味を聞かせたソースもよろしく!
それで出てきたのが、レモンバターだ。バターを使っているので口に入れた瞬間はコッテリしているのだが、レモンの酸味と鼻から抜ける香りのおかげで、リフレッシュができた。
初めて食べる味だったので、色々と聞いてみたら、最近開発した新商品なのだとか。前々からバターとレモンの組み合わせはあったのだが、混ぜることを前提として作ったのが今回のレモンバターなのだとか。
他にも、ポン酢も美味しかったし、塩だけって言うのも悪くなかった。
何が言いたいかと言えば、ブラウニーたちの出してくれた飯は全部美味かった!
食事も終わり、始めのエリアに戻ってきた。暗くなったら本番の光の芸術を見に行きますかね。
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