2232話 色々思いだす
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やっぱりシンラもやっぱり操縦したくなったのか、ウルに必死にお願いして操縦を習っている。こういうオモチャは、妻たちより子どもたちの方が得意なので、教官にするには適切だな。
シンラたちは最近、ゲームの操作も上手くなっているから、最低限事故らない操縦ができるなら操縦させていいぞ。
俺は遺跡探検から、シンラの後ろからのんびりとフラフラ運転をながめている。操縦しなければ、今の高度でホバリングを続けるドローンなので、無茶苦茶をしなければ事故らないんだけどね。
俺が一番操縦しやすい、左の十字キーで進行方向を決め、右のスティックを前で下降、後ろで上昇、左右でそちらの方へ旋回することになるようにカスタマイズした機体だ。
フラフラしているが、何かにぶつかる前に回避しているので、大丈夫だろう。
シンラは自ら苦難の道を選ぶのか、壁のある高さを選びそんでいる感じだ。俺は入り組んだところには入らず、遺跡群の上からカメラを操作してシンラの操縦するドローンをながめている。
途中で遺跡の中を歩いている妻たちに遭遇して、カメラに向かって手を振っているので、シンラ・プラム・シオンの3人は手を振り返していた。
魔導無線ではお互いの顔を見れるので、そのつもりで手を振っているみたいだな。ウルやミーシャたちは、向こうに映像を移すものが無い事を知っているので、その様子を微笑ましく見ている。
シンラは適当に飛ばしているのかと思えば、服を掴んでいるプラムとシオンの意見も取り入れて、あっちへフラフラこっちへフラフラしているな。
さてと、俺も遺跡探索を続けるかな。
思ったより背の高い建物が多いんだよな。ここら辺の人は身長が高かったのかね? 栄養の関係もあるし、こういう所の人は少し小さいイメージだけど違うんかな?
それに、2階建てってわけじゃないと思うけど、屋根が高く感じるんだよな。天井が低ければ圧迫感があるだろうから、造り的には高くしているのかもしれないけど、石を積む建築だとかなりの労力になるよな……それでも高くしているのには理由があるのかね?
山の上だから、浸水の被害は無いだろうけど……天井裏みたいなのがあって、物を保管してたりしたのかね?
やっぱり面白いな。正解が分からなくても、自由に考えられるから面白いんだよな。正解が分かれば反対に面白くないだろう。過程を楽しむにはもってこいだな。
ドローンで端から端まで移動しても1分もかからないで移動できてしまうな。生活圏内……畑っぽい所も含めるともっと時間はかかるが、遺跡として建物が残っている範囲だとそん位しかかからないな。
多くても750人ほどしか住んでいなかったと考えられているここなら、こんなもんかもしれないな。
日本の人口1000人に満たない村とかの生活圏内でも、こんなに狭くは無いだろう。そう考えると、どうやって生活していたのか、やはり分からなくなってくる。一緒にできる話ではないけど、貧弱な俺の頭では謎が謎をよんでいる感じだ。
しばらく考察していると、シンラたちが騒ぎ始めた。
どうやらいくら探してもダンジョンの入り口がないから、どこにあるのかと躍起になっている感じだ。ウルやミーシャたちは、ダンジョンの入り口がないのは知っているので、俺にどうしたらいいの? といった視線を向けてきている。
しょうがないので、シンラをいったん落ち着かせて、ここは観光……見て楽しむ場所だから、ダンジョンの入り口のような危ないものは無い、と説明する。
それでもこんな場所だからあるんだ! と俺の話を聞かない……困っていると、ライラやシュリが近くに来て、シンラを抱っこしながら、何やら話を聞かせている。プラムとシオンも聞き入っているが、俺は離れるように言われたので、どんな内容なのか分かっていない。
10分ほど話していると、シンラが納得したのか、普通の探検を再開した。
あんなに頑なだったのに、シンラたちを10分で納得させるとは……さすが母親ということだろうか。ただ単に俺の説得力がなかっただけか?
「シュウ君、子どもに難しい言葉で説明しても分からないわよ。前に教えてくれたでしょ。子どもでも分かりやすいように説明ができて、本当の教育者だって。それを応用しただけよ」
あ~、このくらいなら分かるかなと思って言ってたことが、難し過ぎたのか……ちょっと反省しないとな。
頭が良くて大学とかで教授なんかをやってるけど、教育者としては二流以下って人多いよなって話をしたっけな。大学は入ってくる人間も相応の知識があるから、成り立つ授業をしているが、教育者として考えた場合は、小学校の教師とかの方が優秀だったりするんだよな。
俺が思う教育者って、分かりやすく噛み砕くことができて、その事柄に興味を持たせることができることだと考えてるんだよな。
そういう意味では、俺は中学校に上がっていい教育者に出会えたと思う。社会でも日本史や世界史、理科は恵まれた先生に当たったと思う。
日本史は面白おかしく人間関係を話してくれて、どういった理由で戦っていたのかを分かりやすく説明してくれたんだよな。
世界史は、大航海時代の話を中心にして、歴史の流れを教えてくれたっけな。その中でも、日本の家庭に1つは置いてある塩コショウの、コショウをピックアップした話は興味深かったな。
昔ヨーロッパでは、東南アジアで取れるコショウが金と同等の価値があるという物だ。
そう言われても始めは良く分からなかったが、同じ重さということで考えると、体積が数百倍になるんだとか。金と同じ重さと言われても、俺たちには分からないから、そんなに多くないように感じるものだ。
コショウ1粒の平均的な重さは、0.05グラムとかそのくらいらしい。1グラムで20粒、1000グラム……1キログラムで20000粒になる。それだけ聞くと、すごいなって感想になるだけなのだった。
でも、1000グラムの金塊の大きさを説明してもらって、中学生ながらにビックリした覚えがある。そんなに小さいのかって思ったね。コンパクトなスマホより更に小さかったことに驚いたもんだ。
この話には続きがあって、そんな小さなサイズでも車が余裕で買える価値があると言われてさらにビックリしたもんだ。一般的な軽自動車にそこそこのオプションをつけたものが、5台は買えるくらいだとか言ってたっけな。
物によるだろうけど、そのインパクトは強かったよな。
他にも面白い話をしてくれて、自分で勉強をしようって気になったもんだ。
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