2223話 朝の一時
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『混乱していると思うけど、地球からこちらへ人を送り込むと、別世界の異物を放り込むことになるでしょ? そうすると、世界が壊れるかもしれないから送り時に改造しているの。ここら辺は魔力ではなく、神の権能を使っているわよ。
改造したときに遺伝子情報に地球の者が残らないように、改変が行われるの。
カエデちゃんを例に出すけど、彼女はハーフドワーフよね。なのに生まれたスミレちゃんは、ドワーフとして生まれてきたわね。あなたは人間より精霊に近いから、ドワーフの性質が前面に出た形になったの。もし勇者だったら、人間に近いので人間の子が生まれたわ』
ん~何となくわかった。エルフもドワーフも、DPで呼び出せるのは知っているけど、そういう意味で精霊に近いってことだな。
細かい原理がどう働いたか分からないが、この世界のルールがあるってことだな。それだけ分かればいいわ。子ども同士で結婚したとしても、問題ないってことなんだよな?
『というか、忘れているかもしれないけどこの世界では、姉弟婚も普通にあるわよ。そもそも、血が濃くなって障害が出ることは無いのよ。地球の常識はこちらでは通用しないわ。街から出れずに一生を終える人が多い世界よ。血の濃さで出生率が下がったり障害が出たりするのは、こちらとしては本望じゃないの。
だから、血の濃さによる障害は一切ないわ。生物である以上、絶対に障害が出ないということは出来ないの。そういう意味で極々僅かな確率で起こる物と思っておきなさい』
……そういえば、姉弟で結婚するって話し合ったな。問題ないとかも言ってたし……姉弟婚も普通だとすれば、変な気持ちになっているのは俺だけってことか。
オーケー、切り替えるわ。このまま、シンラたちが結婚する可能性もゼロじゃなく、妻たちは結婚したとしても特に思うことは無いのな?
『そうね、特に気にする子はいないと思うわ。問題ないから、健やかに育つように頑張ればいいわ』
了解。今のまま育つように祈っておくわ。
そう言って、チビ神からの念話が途切れた。
そっか、姉弟での結婚も問題なかったのか……俺に関係ないから忘れてたわ。
気にすることは止めよう。気持ちよさそうに寝ている3人……ウルたちも含め7人か。なんかほっこりするわ。さて、眠くないのでのんびりと本でも読んでるか。
しばらくすると、シンラがもぞもぞと動き始めた。
「……おしっこ……」
トイレに行きたくて目が覚めたようだが、両手の袖を掴まれており体が起こせないようだ。そのまま諦めて寝そうになったので、さすがにプラムとシオンを起こす覚悟で、シンラを抱き上げた。
プラムとシオンは目を覚まし、シンラと一緒にトイレへ行くことになった。
3人を抱きかかえてトイレに向かって歩いている時に、魔導列車が止まっていることに気付いた。もう、ディストピアについたのかな。マップ先生を開けば場所が分かるが、両手が塞がっているので後で確認だな。
子ども用の訓練トイレに座らせて、少しほっとしていると、目を覚ましている妻たちがトイレへやってきた。
「やっぱりいた。シンちゃんたちの声が聞こえたから、トイレかと思ってきたら正解だったわね」
カエデが声をかけてきた。他にも数人の妻たちが後ろにいる。
「シンラがトイレに起きて、一緒にプラムとシオンが例のごとく一緒だったから目を覚まして、一緒にトイレに連れてきたところだな」
「シンちゃんたちは、私たちが面倒看ようか?」
「ん~、気にするほどのことも無いかな? ディストピアについているみたいだし、ごはん食べたら移動だよな? でも、まだ早いだろ? トイレが終わったら、またベッドに連れてくよ。朝食の時間になったら迎えに来てくれればいいよ」
「了解、時間になったら迎えに行くわ」
シンラたちは、トイレが終わって自分たちでズボンをあげている。トイレも終わり、子ども用の洗面台で手を洗って戻ってきた。
よし戻るぞ!
歩くかと思ったら、3人ともっ抱っこをするように圧力をかけてきた。プラムとシオンが自分たちから抱っこするようにいうのは、珍しいな。
ベッドに戻るといつものように、シンラを挟んで抱き枕にするように3人がスヤスヤと眠り始める。シンラだけ若干険しい顔をしているが、それもいつも通りというところだな。
多分8時頃には起きることになるだろうから、それまではゆっくり本を読んでいようか。
妻たちが戻る時に、8時頃に迎えに来るっていってたから、朝食はいつもより若干遅い時間だな。少し夜更かしをしたことを、ブラウニーたちが知っているので遅くしてくれたのだろう。
思ったより集中していたのか、朝食の時間になったのか妻たちが迎えに来た。
声をかけられて子どもたちが目を覚まして、下の子たちは妻たちに抱き着いて連れて行ってもらうようだ。上の子たちは目を覚まして、自分たちの足で食堂へ向かった。
朝食が終わったら移動すると、ブラウニーたちから業務連絡があり、今日は特にすることは無いので自由です、だってさ。
妻たちは、自分たちの職場に行くみたいだけど、自由だからいいのかな。俺もと思ったが先手を打たれて、俺は敷地から出ないようにシルキーたちから命令があったようだ。
休むと言ったのに、すぐに動こうとする俺はどうなんだ?
自問自答をしてしまったが、今日はマイワールドの調整をしないといけないから、のんびりとやろうか。
今日のビュッフェは、日本食が多いみたいだな。じゃぁ、旅館の豪華な朝のような食事をよろしく!
満足いく食事を食べると、シンラたちは元気になっており、帰り支度を始めた。リュックを背負うだけだけどな。満足そうな顔をしていて、ドヤ顔しているところが面白いな。
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