2212話 疲れていたっポイ
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子どもたちとも遊べないと分かったので、俺は東屋へ向かうことにした。あそこでのんびりしようという魂胆である。何気にあそこっていい場所で、俺が行くと言えばブラウニーたちがついてきてくれて、お世話をしてくれるのだ。
至れり尽くせりで、ゲーム用に改造した一角は、太陽の眩しさも防げるようになっているので、ブッ君で小説を読んだりするのに向いている。光が強すぎると、文字が読みにくかったり、反射して見えなかったりするので、ちょうどいいのだ。
くつろげるように愛用のソファーも準備して……足がちょっと疲れている気がするので、マッサージ機もセットする。揉むようなタイプではなく、圧迫して緩めるタイプのマッサージ器だ。肩なんかは揉まれるとくすぐったく感じるので、マッサージ器を使うことがあれば、叩く機能を活用する人間だ。
でも今回は、小説を読むので肩たたき機能を使うと……ブッ君が揺れて頭も揺れているので、まともに読めなくなってしまうから、足だけのマッサージだ。
ちょっと甘い物が欲しかったのだが、おやつに甘い物を食べ、フードコート的な場所でも少し食べたので、ストレートティーが出てきた。これはこれで美味しいので良しとしよう。
時間的には、俺が拠点に戻ってきたのが、17時30分頃で今が18時。仮眠から目が覚めたら、子どもたちはお風呂に行くと言っていたので、食事は19時過ぎになると言われている。
いつもなら18時から18時30分くらいが食事開始の時間なのだが、子どもたちの体調に合わせて少し遅めの食事となるみたいだな。俺も少し食べていたのでちょうどいい時間だ。
そう言えば、この世界って18時だとまだ日が差してきて明るいんだよな。季節によっても若干違うけど、日本で言う冬らしい冬のような、18時と言えば真っ暗になる……みたいなことは無いんだよな。それなのに、寒い時は普通に水が氷るんだよね。謎が深まる。
どうでもいい事を考えながらブッ君を起動させ、小説の続きを読み始める。
寝そべっているような体勢でブッ君をいじっており、気が付いたら顔にブッ君が落ちてきた。
どうやら、足のマッサージが気持ち良かったのか、いつの間にか半分寝ていたようだ。そのせいで手に持っていたブッ君が顔の上に落ちてきて、目が覚めたという状況だ。
こんな体勢でブッ君を読むことはあまりなかったので忘れていたが、横になりながらスマホをいじっていて、顔にスマホを落として鼻を骨折したっていう人がいたっけ。今の俺のような状況だが、さすがに骨は折れないだろうと思っていたが、予想以上に痛かったので、当たり所が悪ければ折れるのかな……
時間を確認すると、30分しか経ってなかった……おや? 小説を読んでいるのにそんな短い時間で、俺は寝てしまったのだろうか? 疲れているつもりは無かったけど、疲れが溜まってるのかな?
気になったので、ブラウニーたちに俺の様子を客観的に見た感想を言ってもらった。
肉体的な疲労は少ないかもしれないが、精神的な疲労が溜まっていたのではないか? 部下たちのために色々考えて行動しているから、気疲れしている可能性が高いのでは? 単純に、夜の営みで疲れているのでは?
などなど、色々な意見が返ってきたが、最後のそれは俺の所為じゃなくて、妻たちが子どもを欲しがるせいなんだよ! それに、チビ神に与えられた加護の所為で、妻たちを相手にすると俺の息子が元気になってしまうのが悪いんだ!
とはいえ、これだけしているのに、シンラたちの下の子を身籠らないんだよな。人数と確率的にあってもおかしくないのだが、その傾向がみられないのは何でかね? 俺のって、生存本能が弱いのかね? 妻たちは、誰かが身籠らない限り、避妊薬を飲まないって言ってたしな……
既に子どもを産んでいる6人は、避妊薬を飲んでいるらしい。やっぱり、みんなにも子どもができてほしいし、自分たちだけ2人目を産むのは違う気がすると言っている。
一時期よりはがっつかなくなっているけど、それでも相手の数が数なので、夜の営みをする日は大変なのである。寿命が無くなってしばらく経ったあたりからだったかな? 朝まで絞り取られることも多かったけど、いつのまにかそれは回数が減っていたな。
色々考えていると、今日はゆっくり休んでくださいと、いつの間にか現れたスカーレットに言われたので、ゆっくり休むことにする。寝る場所も拠点ではなく、東屋の横にベッドルームを置くので、そこで寝るように言われた。
というかスカーレットさんや、コンテナ野営地を持って来てたんですかい? 俺が専用に使っていたあれなら、拠点よりゆっくりと休めることは間違いない。
休みたくても食事はしておきたいのだが……
そんなことを思っていると、東屋のキッチンからいい音が聞こえてきた。続いて暴力的に空腹を刺激する匂い……俺のために食事を作ってくれているみたいだ。
1人での食事は、味気ないかもしれませんが、今日はシュウ様の好きな物を詰め込みますので、それで我慢してくださいだってさ。確かに1人で食べるのは寂しい気はするけど、にんにくの強烈な匂いと、鳥の焼ける良い匂いが……
ガーリックチップを一緒に作っているのかな?
1人前用の鉄板にチキンソテーが乗せられ、和風オニオンソースがかかり鉄板に触れたソースが弾ける。この演出もにくい! 美味しさの期待値を押し上げて、俺の胃を刺激してくる。
最後に乗せられたガーリックチップは、チキンソテーと一緒に口の中へ……パリッとした食感の後に、ジュワッと広がる鶏もも肉の肉汁。その味をさらに一段階押し上げる、和風オニオンソース。すべてがマッチして、至高の一品とも呼べる料理となっている。
ご飯も食べたかったが、そこまで味が濃くないので、これだけで完結するポテンシャルがあった。ご飯と食べる時は、もっと味を濃くします、とスカーレットが教えてくれた。
次に出てきたのは、唐揚げとフライドチキン。普通ならありえない組み合わせなのだが、今日の唐揚げは胸肉を使っているようで、いつもよりさっぱりしている。それに対してフライドチキンは、もも肉を使っているようで、ガツンと頭に響く美味しさがある。
ご飯が欲しくなるほど濃い味ではないが、それでもガツンとした味が続いたので、次は焼き鳥が出てきた。もちろんコッテリとしていない塩だ。脂は乗っているが、焼いている時にいい感じに脂が落ち、食べやすくなっている。
いつの間にかお酒も準備されており、思うままに焼き鳥を口へ運び、レモンサワーをグイッと飲む。いろいろな種類がさらに乗せられては、俺の口の中へ吸い込まれていく。
程よくお腹いっぱいになった所で、締めに小さな茶碗で親子丼が出てきた。優しい出汁の味が口いっぱいに広がり、幸せの塊が口の中に入り込んでくる。
食べ終わった俺は食事に満足して、スカーレットの準備してくれたコンテナの中でお風呂に入り、その後はベッドに飛び込むように乗って、そのまま眠りについた。
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