表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ダンマス(異端者)  作者: AN@RCHY


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

2199/2519

2199話 単純作業は色々考えてしまう

アクセスありがとうございます。

 そういう意味では、王国も帝国も大変だよな。俺にそんなつもりは無いけど、武力で街を刈り取られてそのまま俺の土地にしちまったんだもんな。壁を境界に国が変わるわけだし……でも、これに関しては俺だけが悪いわけじゃないから、ノーカン。


 フレデリクに関しては、元々は王国の一部の扱いだったけど、国王が欲をかいて俺の事を国家反逆罪とか言って、冤罪を押し付けてきたのが悪い。あれが無ければ、俺たちはディストピアを作らなかった可能性も高い。


 俺自身がやるつもりは無かったけど、何とかして街の管理はしていただろうな。


 フレデリクを脱出する時は、本当に苦労したもんな。死ぬつもりは無かったけど、死ぬ可能性だってゼロではなかった。まさか密閉空間で、気化爆弾を使うはめになるとは思わなかったもんな。準備していた自分にビックリだぜ。


 高レベルだから気化爆弾の衝撃に耐えられたとしても、数千度の熱で焼き尽くす形となる。それに耐えられたとしても、酸素がないため呼吸が出来ずに吸い込めば、一呼吸で気絶をしてしまう。そして、そのまま酸欠で死亡。


 どの死因で死んだかは忘れたけど、3つの死因が上げられる凶悪な兵器だったな。


 今考えるとレベル300オーバーの人間が、密閉空間とはいえ衝撃波で死ぬとは思えない。そこに数千度の炎……これも大やけどを負うだろうが耐えられる高レベルは多いと思う。実際に、数千度の炎を吐くレッドドラゴンのブレスで、焼かれても即死する奴って多くないって話だし。


 ブレスで死ぬ場合は、火傷を治せなくて感染症などを併発して、残った生命力を奪って死ぬらしいからな。


 そう考えると、どんな高レベルでも平等に殺す、酸欠が死因っぽいな。


 今更だけど、数千度の熱で燃え尽きない体とかヤバくねえか……どのくらいの時間熱がこもっていたか分からないけど、一瞬ってことは無い。ブレスの吐かれている時間だけ食らうわけだしな。


 単純作業を始めると、どうしても思考が変な方に引っ張られてしまうのは、俺の特性なんだろうな。


 決まった形の水路を黙々と作っているせいか、昔の事を思い出したり炎で即死しない高レベルの人間の生体を考えたり、本当にどうでもいい事を考えていたな。


 上水路は水平に保って水を流し続ける形なので、リンドには水路の高さに移動してもらってズレがないかを確認してもらっている。


 一区画が大体50メートル四方なので、水路は50メートルと区画を分ける大きな道路分の間隔で作っている。一区画に15メートル四方の敷地が8つに中心に水を汲める蛇口を配置する形だな。


 広くは無いが2階建てを基本として、水路より高く家を建築することは禁止する予定だ。


 毒対策だったりもするのだが、水路に余計なことをされたくないため、グリエルたちが考えた方策だ。


 大半の避難民は本当に助けを求めているが、中には工作員もおり、そいつらが悪さをできないように考えた、苦肉の策だったりする。


 俺の傘下に完璧に入るのであれば心配する必要もない。それこそ土木組の力を使って、水路をゴーレム化してもいい。今やらないのは、もしも俺の手を離れてしまったらと考えているからだ。


 二度手間ではあるが、正式に傘下に入ってから完璧な工事をする予定だ。すべてはグリエルたちの考えに沿っての行動だ。


 まぁ、俺たちは街を作り終わったらディストピアに帰って、後の事はレイリーに任せるだけだから、簡単に壊れない程度にしっかりと水路を作ればいい。


 ん~まだ家が建っていないからあれだけど、格子状に上水路がはしっているのって……結構不気味だよな。


 まだ一部の区画の上にしか作っていないのだが、地面から水路を見上げると……鳥籠じゃないけど、なんか捕まっている感じがする。捕らわれた人みたいな感覚なんだよな。


 50メートル以上は離れて水平に水路があるんだけど、視界にいくつも入ってくる所為か、少し圧迫感がある。こんなことを考えられるのは、俺が贅沢だからだろうな。避難民たちなら、そんなことも考えてられないだろう。


「リンド、水路の高さは大丈夫そうか?」


『問題ないわね。数ミリのズレはあるかもしれないけど、それはしょうがない事だしね。安全な水が飲める状態にしてあげるんだから、多少のズレなんて気にする必要ないわよ。ここまでやる領主なんて本来はいないんだからね』


 この世界では、避難民=余所者。自分が面倒を看る相手ではない。街に来ても追い出して、国の中心に向かうように言うだけって話だ。


 国も積極的に助けるつもりは無く、金を使いたくないというのが本音みたいだ。


 避難民を保護するのに使ったお金を取り戻すには、数年では済まないだろう。何十年とかかってやっと取り戻すことができる。長期的に見ればそうかもしれないけど、この世界には魔物がいるのだ。街にもキャパがあり、すぐに大きくすることは出来ない。


 割に合わないから切り捨てる……そんな世界なのだ。


 地球だって、難民問題はある。資源は潤沢なはずなのに、対策を打ち出せずにいる国も多いんじゃなかったか? お金の問題もあるし、治安の問題もある。人が増えればいいという物でもない。


 自分たちの税金を、難民ではなく自分たちのために使えって言う人もいるんだっけ。


 俺の管理している街は、資源も資金も潤沢だから保護してもらえると、工作員を送り込んでいる国や街が言っているって話だったな。


 確かに保護はできるけど、工作員どもはいらん。お前らがいなければ、すぐにでも街に入れてやるのに、お前らがいるせいでこんな手間をかけてるんだぞ!


 そんなことを考えていたら、なんかムカついてきた!


 戦争を吹っ掛けて、こっちに難民を誘導した国……計画を立てたやつは、その内ひどい目に合わせてやるんだからな!


 工作員として活動している奴らも、覚悟しておけよ!


 拷問なんて生温い事はしない! 男なら最高級の秘薬を使ってホモークに快楽の限りを尽くさせてやる。女なら……オークキングにでも頑張ってもらうか。


 薄い本が描けるような展開になるだろうけど、人様の領地に手を出すんだから、それくらいの覚悟をしてもらわないとな。

ここまで読んでくださり、ありがとうございます。

ブクマや評価をしていただけると幸いです。

これからもよろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ