表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ダンマス(異端者)  作者: AN@RCHY


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

2196/2519

2196話 大切なモノを忘れていた

アクセスありがとうございます。

 シンラの怒りゲージを解消してから眠りについた。


 次の日目が覚めキッチンへ向かうと……そこにはバザールと綾乃がいて、ブラウニーたちに自動スライサーの説明をしていた。試作品なので、業務用に開発された物をDPで召喚して、それを見ながら既存のスライサーを改造しているらしい。


 あまり複雑な機構だと、この世界の技術で再現できないので、分かりやすい仕組みだった。


 簡単に言えば、足漕ぎミシンの応用でメインの車輪の回転に合わせて、スライサーを前後に動かすという物だ。上から食材を入れると食材の重さで固定され、野菜がどんどんスライスされていくという物だ。


 自動スライサーとは違う形の機械も置かれており、何かと思って聞いてみた。


「お肉を一定の厚さに切るのは、時間がかかるからどうにかならないかって相談されたから、食肉加工所なんかで使われている、肉専用のスライサーも一緒に作ったの。こっちは、召喚したものをゴーレム化しただけね。さすがに、これを商品化するのは面倒だからね。需要もそう多くないし、ブラウニーたちのいる場所に配置するだけでいいかなって」


 なるほどな。大量に食事を作る時に、肉の加工って大変だもんな。角切りならまだいいけど、薄切りとなれば時間がかかるよな。それを今まで頑張ってやってくれていたかと思うと、ブラウニーたちには頭が上がらないな。


 肉専用のスライサーは、円盤状の刃物を高速で回して、厚さを決めて肉をスライドさせることで、野菜のスライサーみたいに一定の厚さで肉を加工することができる。


 実際に使ってみると、かなり便利だということで、肉専用スライサーの量産をバザールが命令されていた。


 100台ほどは欲しいから、今日中に作っておくように! だってさ。スカーレットさんやい。容赦ないね……


 1度作っているから、スライサーを召喚してクリエイトゴーレムを使うだけで、あら不思議……完成してしまいました! となる。魔核はコピーすればいいので、2代目以降は1分もかからずに作ることが可能になっている。


 精密機械でも単一の用途の場合は、魔核にかき込む情報も少なくて済むので、1台目もそんなに時間はかかっていないのだとか。


 その証拠に、魔核にかき込まれた情報は、魔力を電気に変換して動力にする・スイッチのオンオフで電気をスライサーに流す・全体の構造強化・自己修復の4つしか書き込まれていない。


 色々なことをさせると、その分かき込む情報が増えるので、初めて作る時は色々考えて作らないといけないから、大変なんだよな。


 DPは多めに渡しておくから、量産頼んだぞ。野菜の方もたくさん欲しいみたいだから、業務用のをそのままゴーレム化でもいいぞ。製品化する時は、今回作った奴を元にさせればいいから、そっちは回収しておけよ。


 朝からバタバタしていたが、俺の1日は変わらず進んでいく。徹夜したらしいグリエルたちは、寝ぼけ眼のまま食事をとっていた。お昼まで仮眠をとって、昼食を食べてからディストピアに帰るそうだ。


 奥さんたちも、俺の妻たちと楽しんだようで、満足そうな表情をしている。急だったけど呼び出してよかったかな。普段とは違う過ごし方ができて、貴重な体験になったみたいだな。


 さて仕事に行きますかな。


 ウルたちは、今日は仕事についてこずに、1日ゆっくりするそうだ。


 本来なら休みなんだから、ウルたちには休んでもらいたい。俺は……優先順位があるので、それが終わってから休むことにするよ。


 避難民の街は、区画整理がすでに終わっている。インフラはまだだが、道路は整備されていて、一つひとつの家の敷地も区切られている。


 移住するように作っている街なら、複数の敷地を統合して家を建てることを許可するのだが、今回は避難民たちが住むということで、そう言った事を一切認めるつもりはない。


 避難民でもお金を持っている人間が、大きな家を作る可能性があるので、不公平にならないように正式に傘下に入るまでは、決められた敷地内に家を建て住んでもらう予定だ。


 豆腐建築で簡単に作れる建物を、200~300軒用意して、その後は石やモルタルなどを準備して、避難してきた人たちに作らせるつもりだ。


 すぐに畑仕事ができるわけでもないので、日中の空いている時間は自分たちで、家を建ててくれということだ。食料もこっちで準備するのだから、後は頑張ってくれ……といった感じだな。


 資材置き場もいくつか作っておかないとな。あまり遠くにあると運ぶだけで大変なので、中心の1区画を資材置き場にするのもありかな?


 下水は、いつもと同じように街の下に空洞を作り、そこへ下水を流し込んでスライムでキレイにする方式だ。排水は、専用のダンジョンへ流れるように作る。周りは掘がありダゴンも常駐するので、スライムでキレイになったとはいえ、堀に流すつもりは無い。


 下水処理のスライム層は高く作るつもりは無いので、そこまで時間はかからないだろう。


「シュウ、今更なんだけど上水ってどうしよっか?」


 言われて気付いた。ここって井戸掘れないし、使える水が堀しかないんだが……


「堀の水を使うか……川から水を引いてきて、水車で壁の上まで運んで、そこから各地に流す……1区画10軒程度に1つ蛇口をつけるか。公衆浴場を準備して、衛生面は大丈夫かな? 浄水橋も作らんといけないな。午前中にスライム層を作って、午後は上水の配置を考えるか」


 生活するうえで一番大切な水の事をすっかり忘れてたな。


 バレルの街を作った時は、真っ先に水を確保したのに、今回はみんなが忘れていた。近くに水源があったり魔道具で解決していたせいか、ポカしてしまったな。


 避難民たちが来る前に気付けたから良しとしよう。


 スライム層への入り口も、駐屯地に作るべきだろう。公衆浴場は少し手間だけど、駐屯地で作ったお湯を流している体にして、専用の魔導具を準備するか? 魔道具の管理を考えると、本当に駐屯地から送り出した方がいいかもしれんな。


 そこらへんは、またあとで考えるとして、さっさとスライム層を作りますかな。

ここまで読んでくださり、ありがとうございます。

ブクマや評価をしていただけると幸いです。

これからもよろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ