2190話 クレープの事実
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個人的には、鶏の照り焼きが今回の一番だな。照り焼きソースなんだけど、七味が入っているのかピリッと辛いアクセントがあり、食べれば食べるほどまた食べたくなる味だった。結構大ぶりの鳥ももステーキを2枚もペロッと食べてしまった。
美味しかった理由としては、鳥ももステーキを焼いた後の肉汁を使って、照り焼きソースを作っていたので違和感なく食べれたのだ。これが豚や牛の肉汁を使っても、それなりに美味かっただろうが、ここまでの満足感は無かったと思う。
ハンバーグを焼いた後に、残った肉汁でハンバーグのソースを作るのと一緒だな。照り焼きじゃないから、砂糖・ケチャップ・ウスターソースに粗びきコショウでアクセントをつけたソースみたいだな。今回は、アクセントの粗びきコショウの変わりに、七味唐辛子ってとこかな。
とにかく、美味かった!
豚はさっぱりなんだけどコッテリとした、すりおろし玉ねぎをベースにした和風のソースがベストマッチだったかな。牛は……元々美味いので、塩コショウが最強かもしれない。ステーキではなく薄切りだったら、すき焼き風のタレとか美味しかっただろうな。
……こう考えると、俺の好みってやっぱり和なんだな。さっぱり食べれる青じそドレッシングも美味かったぞ!
ちなみにシンラは、何でも美味い美味いと食べている。コッテリソースの後にさっぱりソースでも、その逆でも気にせず美味い美味いと食べていた。
プラムとシオンは、ここに好みの違いはあるようだが、お互いの味覚を否定することは無く、シンラほどではないが、ブラウニーたちが作る料理なので、全部美味しいという結論になっていた。
ミーシャたちは、見事に半分に意見が分かれた。3人なのに半分というのもおかしな話だが、酒豪の血のせいなのか、お酒に合うコッテリした味付けを好んでいる。それに対してミーシャは、さっぱり系の味を好んでいる。
おそらく、ドワーフの味覚でスミレとブルムは揃ったのだろう。だから、半分という評価にしている。だからと言って、コッテリが嫌いだったり、さっぱりが嫌いだったりするわけではない。自分で注文するなら、これ! といった感じだな。
治療師の子どもたちは、年齢の低い方がコッテリとしたものを好んでおり、ある程度年齢が行くとさっぱりしたものを好んでいる。逆とまではいかないが、この年代の子って、だいたい濃い味が好きなイメージがあったけど、違うのかね?
その答えはすぐに分かった。
さっぱりしたものを好んで食べている子どもたちは、昔の食事を覚えているから、自分で食べる時は味の濃いものをあまり選ばないようだ。それに対して忘れている子たちや産まれる前に保護された治療師の子たちは、濃い味を好む傾向にあるようだ。
治療院で働いている本人と家族たちは、ブラウニーたちの指導を受けているので、家でも濃いものばかりを食べているわけではない。濃すぎる物を食べていると、体に悪影響が出ることもあるので、そこら辺も指導しているらしい。
冒険者みたいに体を使う仕事をしていれば、多少濃い味でも問題ないのだが、この年齢の子どもたちはいくら運動をしたからと言って、濃い味続きは良くないということだ。だけど、運動の後にはしっかりとスポーツドリンクを飲ませているので、電解質バランスという意味では問題ない。
俺の知らない所で、ブラウニーたちの頑張りがみられた話だな。
食後のデザートは、俺たち以外にはおやつに食べたフォークとナイフで食べるクレープが出て、俺たちにはベリー系の詰め合わせを鉄板で火を通して、器に入れた後に良く分からないゼリーのような物を上からかけて出された……
なんだこれ?
とにかく説明の前に食べろと急かしてくるので、口の中にベリーとゼリーのような物を一緒に運ぶ。
「うをっ! なんだこれ……多少冷たいのと熱いベリーかと思ったら、上にかけたやつめっちゃ冷たいんだが……シャーベットみたいだな。さっぱりとした冷たいやつと、芯は暖かいけど甘いベリーたち。美味いな」
こんなデザートは聞いたこと無かったが、前に試してみて美味しかったので、少し改良して今日初めて提供されたみたいだ。そりゃ食べたこと無いわけだな。
シャーベットみたいなのはジュレというらしい。まぁゼリーの一種で、寒天などで固めたモノを少しぐちゃぐちゃにしていた。ギリギリ凍る温度で冷やして、シャリシャリ感も残し食感も楽しめるようにしたようだ。時間が経つにつれて溶け、ベリーに良く絡みつくようになって、それもまた美味い。
でも、これならゼリーにベリーを入れて、固めればよかったのではないだろうか?
そんなことを考えていると、
「今回使ったベリーなのですが、砂糖などは一切使っていません。元々甘い実も多かったのですが、熱を入れることで酸味よりも甘みが強くなる種類を選んで、今回のデザートを作ったのです」
ほへ~。確かに熱を入れると甘くなる食べ物って、結構あるよな。酸味が飛んで甘くなったりするんだよな。原理は分からないけど、果物は8割くらいが甘みで、酸味やさっぱりした味はジュレの役目だったみたいだな。
クレープの話になったのだが、俺が今までフォークとナイフで食べるクレープと言っていたのは、フレンチが発祥のパンケーキの一種らしい。元々がこちらの意味で使われており、日本でクレープと言って食べているクリームなどを乗せて食べ歩くのは、原宿スタイルと呼ばれる物らしい。
フレンチでも生クリームやアイスを乗せることはあるらしいが、基本的には温かいまま食べるのが本来のスタイルらしい。ホットケーキと訳されることもあるらしく、温かいままが本来のスタイルなんだろう。
スタイルと言ったが、料理は常に進化を続けているので、正解が複数あってもおかしくない。
子どもたちは、クレープの方が良かったのか、ブラウニーたちにあっちがいいとお願いしている。子どもたちに出されるデザートは、妻たちの方へ運ばれて美味しくいただかれました。
個人的に原宿スタイルが久々に食べたくなったので、少したって子どもたちの目が無くなったら持って来てもあうことにした。今食べると、ミーシャたちはともかく、シンラたちは騒ぐだろうからな。
大人の悪いところが出たが、バレなければいいのだ!
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