2147話 壁を作っていくぜ!
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手間と時間がかかるが、壁の作成は進んでいく。クリエイトゴーレムを使えるのなら、こんな苦労なんてしなくていいのにな。DPで全部作るって話もあったけど、修理の事を考えると、こっちの造りの方が修理がしやすいので採用されている。
人造ゴーレムたちが段ボールを運ぶように、自分たちより重い石の塊を持ち運び、積み重ねていく光景はなんともチグハグな印象を受けるな。頭では理解できているんだけど、あんなに重い物を軽々と持ち上げていると、良く分からない気分になってくる。
だからと言って問題があるわけではないが、とてもむず痒い感じがして……なんかやだな。視覚から入ってくる情報と知識が、一致していないからこそ起こるこのむず痒さ。嫌ではあるが、我慢しないといけないな。
人造ゴーレムたちの行動を監視しながら、DPで弧を描くときに使う石を召喚できないかと、色々チャレンジしてみたが、俺が欲しいと思うような僅かな調整は無理だった。普通の街なら気にならないような石なら、問題なく作り出せるのだが……
1ミリメートル単位で調整できるわけではないので、召喚できる石を積み上げていくと、弧が大分急になってしまうので、今と同じものを積んだ後の、俺の魔法で調整するしかないようだ。
できればあまり隙間を作りたくなかったが、隙間は魔法で埋めて強度を出せるようにしないとな。
それにしても、こんなに綺麗な壁を作っても良かったのかね? 時間が足りず俺たちだけで作ることを考えると、ここまでキレイな物でないと、作れないんだよな。もしくは、雑に作るしかなくなってしまうので、後々の事を考えると、一択だったな。
本来壁は、マンパワーを前面に出して、時間をかけて作る物であるが、今回は作るまでの時間がかなり短いので、それに合わせた作り方をすると今回の方法か、魔法で強引にすべてを作り出して、魔力回復で腹がタポタポになるか……それくらいしか思いつかない。
不穏分子や工作員がいなくて、難民が全員俺の領民になるのであれば、DPで作った壁とかでもよかったんだけどな。
難民の街は今の計画では最終的に取り込んで、街の周囲で農作物を作ってもらうことになっている。今はぎゅうぎゅうに押し込めるような形で家を作らせるが、最終的にはこの周囲にさらに村のような物を作り、移住させて、広範囲で食料生産をさせようと考えている。
食料なのは俺の領地内で、エリアごとに区切った時、食料自給率が一番低いのがここなのだ。元々帝国から切り取った土地で、肉以外の食料は他の街に頼っていた地域なのだ。ちょうどいいので、自給率をあげるために難民には頑張ってもらおうかと思っている。
仕事を考えた時に、一番与えやすい仕事が農業だということもある。農業だって知識は必要だし、大変なので苦労はするが、指導する人間がしっかりいれば、素人でもある程度の食料を畑で作ることは可能だ。
難民の街の総意で、俺の領民になってくれるのであれば、DPを使っても問題がなくなるので、農地を作る時はダンジョンマスターのスキルをフルに使えるようになる。それでも、していいことには限りがあるので、全てをDP任せには出来ないけどね。
さて、もう少し進むと弧の起点となるべき場所に着きそうだな。一度人造ゴーレムたちの動きを止めて、中央にいるリンドに連絡をいれる。
「リンド、そろそろカーブにさしかかると思うんだけど、場所の指示をお願いしていいか?」
しばらくして、
『ちょっと待ってね、5分もあれば対応できるから、少し休憩してて』
了解なのだが、DPで石を作り出して人造ゴーレムたちに石を積ませ、魔法でくっつけているだけなので、そこまで消耗していないんだよな。多少頭が疲れているだけなんだよな……
5分じゃガッツリとした休憩は出来ないから、甘い物でも食べるか。
甘い物、甘い物……収納の腕輪の中を探してみるが、気分に合うような甘い食べ物が無かった……ケーキなど甘い物は入っているのだが、今俺が食べたいのはチョコレート系の何かなんだよな。
ガッツリチョコレートでなくともいいのだが、チョコレートがメインのお菓子が食べたい。考えたら、無性に食べたくなってしまったので、諦めるという選択肢が消えた。
自分で召喚できるということもあり、諦めないのなら召喚するしかない!
今の気分に合ったチョコレートを探していく。
ポッ〇ーやトッ〇が初めに目にはいったが、こういう感じじゃないんだよな。これだと、クッキー生地って言うのかな? その部分の主張が強すぎる。
他にも色々な種類のチョコレートのお菓子が表示されている。次に目にとまったのは……クラン〇ーだ。地球にいた頃は好きで、良くホワイトチョコレートのやつを食べてたっけな。
これも悪くないんだけど……他に目にとまるものが無ければ、これにしよ……あっ!
12個入りのチョコレート菓子が目にはいる。これも好きだったな。ホワイトチョコやイチゴ味などの俺が好きな種類も多く、当分補給に食べてたな。
これを発見してしまったので、俺は12個入りのホワイトとイチゴを召喚した。
あ~これこれ、久々に食べたけど美味いな~クラン〇ーも気になりはするけど、今回はこっちが正解かもしれないな。サクサクは無かった方が、今の俺の気分に合ってる。
1つ口に入れて、ブラウニーたちが用意してくれていた紅茶を飲む。甘い物に合わせるための紅茶だったので、口の中がさっぱりとする。チョコレートの風味も残っているが、紅茶の風味とマッチして、非常にオシャレな時間っぽくなっていた。
冷たいが水出し紅茶ではなかったので、ほのかに苦みと渋みがあり、それがまたチョコレートに合っていて、ついつい手が止まらなくなってしまいそうだ。
召喚した2箱の内半分をすぐに食べてしまう。気付いたら6個ずつ食べており、無意識にこれだけ食べていたことに自分でビックリする。
ビックリするけど、止められない……
『シュウ、お待たせ。場所を確認するから、目印になるように人造ゴーレムたちを等間隔で移動させて』
リンドから連絡が入り、何とかとどまることができた。
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