2140話 橋の完成
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俺が天井の事を考えている間に、土木組のメンバーはそのまま壁を作りながら移動している。初日に比べてレンガを作るスピードが速くなっているな。やっぱり慣れってすごいんだな。
壁はみんなに任せて、俺は天井の事を考えよう。
リンドの話通りに、ヒカリゴケを使うのはいいとして、問題は天井をどういう風に作るかなんだよな。メンテナンスの事も考えないといけないから、開閉ができるようにするのは絶対として、それ以上に問題なのはどうやって天井を作るかだな。
この部分はレンガで作ることは出来ない。いや、可能なのかもしれないが、一時的にくっつけられたとしても、すぐに壊れる未来しか見えない。
レンガは重さがあるし、つなぎの部分をしっかりしても、一枚板じゃないから、確実にその部分から折れると思う。軽い素材でやればいいだろうか? 梁みたいなのを通して、その上に並べるか?
結局それだと二度手間だな……なら、天井は木材にするか? そうすれば、メンテナンスは楽だよな。でも、天窓を作るとなると長い板が必要か?
梁と木で作ればいいか。正直天井なんて雨除けと太陽光の取り込みなだけだしな。適当でいい気がしてきた。通路の真ん中に支柱を建てて、支えにすればいいか。
とりあえず、天井の修理は大工や木工職人でも直せるだろう。そういう意味ではレンガがあれば、石工職人とか大工が壁を治せるかもな。
馬車を使う人間たちの悪意から、歩行者を守るための壁なので、十分に高ければそれだけで効力を発揮するよな。実力者がいて、壊されることを前提に話したら、キリがないからな。それこそ、クリエイトゴーレムをフルに使わない限りは、壊せない壁なんて存在しないからな。
とはいえ、もし壁を壊すような問題が発生すれば、橋の上なので逃げ場が無くなる。もし堀に飛び込んだとしても、俺の配下の魔物たちがいるので、ほぼ確実に捕まるだろう。
そう考えると、天井は適当でもいいだろうと思えてきたので、リンドに確認をとった。
「わざわざ石造りにする必要はないもんね。石の建造物だって、全てを石で作っているわけじゃないから、それで十分ね。壁が壊されることを考慮に入れてたら、きりないもんね。直しやすいって意味で、壁以外は木で作りましょうか」
そうなると、木の調達をしないといけないのだが、切り倒した木材はすぐには使えない。使う方法もあるけど、魔力を使ってまでする必要もないので、有り余っているDPで木材を召喚した。単純作業は人造ゴーレムがいるので、らくちんだな。
ソフトウェア……魔核の性能が上がってきているので、ある程度言語でのやり取りも可能になってきている。やり取りといっても、口頭指示を理解できるようになったというだけだけどな。
それでも、以前に比べてかなり性能が良くなっているので、日常生活の指示であれば理解が可能である。ただ、向いている仕事と向いていない仕事が極端なので、もっぱら訓練用として使われている。インプットした命令を実行することも、問題ないので便利ではあるんだよね。
で、今回は出した木材を指定の場所まで持って来て、次に指示があるまで待機という形をとる。
木材は橋の中心くらいにずらーっと並べて、そこから取ってきてもらう形だ。5体ほど出しておいたが、移動速度の関係で3体いれば十分だったな。
俺は歩道に少し突起を作り、その上に木材を乗せて、突起と木材がフィットするように加工する。フィットした木材はそのまま人造ゴーレムに保持してもらい、梁を通して固定する。一見バランスが悪いかとも思ったが、梁を柱に対して十字に通すことで、強度は上がっていたらしい。
俺は特に何も考えず、盾だけだとバランスが悪いから、柱同士もつないだだけなんだよな。
人手の数もあり、壁に追いつくことは無かったが、それに近い速度で追い上げはできたかな? 競争をしているわけではないので、関係ないかな。
柱と梁を建て終えると、みんなで天井……屋根のはりつけを行う。土木組は本来建築などは担当ではないのだが、初期の頃に教えたことによって、みんながある程度の知識を持っているため、リンドの指示で簡単に屋根が出来上がっていく。
屋根はみんなに任せて、俺は天窓とヒカリゴケ用のスペースを、作ることに決めた。
クリエイトゴーレムでスペースを切り取って、そこに窓枠を嵌めその下につるすように、ヒカリゴケの入ったガラス球を配置する。
初めは、平べったく窓に張り付ける形にしようかと思っていたが、ヒカリゴケは苔であるが、群体のような性質を持っているので、球状のガラス玉に詰め込むと、周りだけが光って内側は光らないらしい。
なんとも謎な植物である。そのおかげで、かなり楽できているんだけどね。
柱と壁に1つずつ配置する感じで、2列のヒカリゴケの玉が配置されることとなる。間隔は適当。
オヤツをはさんで、橋の整備は終了した……と思ったけど、よく考えたら、馬車道の方の外側にガードレールが無かった。ちょっとした段差はあるのだが、速度があると飛び越えてしまいそうなので、ガードレールをつけて、落ちにくくしておこう。
もしこれで落ちたのであれば、こちらの落ち度ではなく馬車の所為だということができるな。
さて、今日はこれでおしまいだな。すぐに終わるかと思ってたけど、結局手直ししてしまったな。まぁ、土台となる橋がしっかり作られていたので、問題なく手直しができたともいえるな。
みんなお疲れさん!
今日は、スーパー銭湯を解禁しようか。住人たちに開放している物ではなく、それと同じものがもう1個あり、それは俺の関係者専用として、ワイワールドに放置されている施設だ。
作るだけ作って放置している物もたくさんあるけど、ダンジョンの能力が建物にも付与されているせいか、掃除する必要が無かったりするので、出来る芸当ではある。
こっそりとブラウニーたちに連絡して、向こうの大広間みたいなところで食事ができるようにお願いしておく。治療師のお母さま方も、俺たちがいると居心地が悪そうだしちょうどいいだろう。
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