2113話 喧嘩?両成敗
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あの後、ミリーたちに寝室に送ってもらい、子どものように寝かしつけられて眠った。朝起きたら、俺がミリーに抱き着いていて、カエデが後ろから俺に抱きついており、リンドは我関せずと少し離れた位置で、大の字で寝ていた。
ミリーたちの性格が分かる状況だったけど、起こしに来たのがミーシャたちだったので、母親たちに向かってズルいとごねてしまったのだ。父親として娘たちに好かれているのは嬉しいが、母親に向かってズルいって言うのはおかしくないか?
夫婦なんだから一緒に寝てもおかしくないだろ? ミーシャたちだって、たまに一緒に寝るし、こっちに来てからも一緒に寝てるだろ? ミリーたちは一緒になてなかったし、指導や指揮をとってたご褒美ってことで許してやってほしい。
って言おうとしたのだが、ミリーに言わない方がいい、と視線で訴えられたので、止めることにした。
娘たちと母親たちの口論というか説得というか……何といえばいいのだろうか? 娘たちが要求を突き付け、母親たちが妥協できる線を探っているんだけど、お前さんたちと娘たちの話し合いなのに、俺の名前が含まれているのは何故だ?
確かに今回の件は一緒に寝てたってことで、俺も数に含まれてはいるけど……俺の名前を出すなら、俺も話し合いに入れてくれよ。俺が話し合いに入れば、娘たちの意見に無茶が無ければ、ほとんど許可してしまう俺は、今回の話し合いに向いてないと拒否された。
確かに、娘たちの事は許しがちだけど、さすがに俺の名前が出てるんだからさ……はい、すいませんでした。俺は口出ししないので、親子で思う存分話し合ってください。それでも、俺が出来ないようなことは、拒否させていただきますので、あしからず。
妻たちに言わせれば、そんな要求を通すつもりは無いというが、俺にできないことだってあるんだから、最後の匙加減は俺が決めるよ?
妻と娘たちの話し合いが始まって30分、横槍と言いますか……シルキーたち総出で、ミリー、カエデ、リンド、ミーシャ、スミレ、ブルムの6人に雷が落とされた。比喩ではなく、物理的な現象として、雷が落とされたうえで、比喩的な意味の雷も落とされている。
俺が見逃されたのは、部屋の隅っこで小さくなりながら正座をしていたので、俺は巻き込まれてこの場にいると判断してくれたようだ。俺が私生活で、妻や娘たちに弱いことは周知の事実なので、その辺が今回は役に立ったというべきかな?
怒られはしなかったけど、小言を言われました……
シルキーたちによって、妻と娘たちの話し合いは、無いことになった。掘り返したら、連帯責任で6人が罰を受けることになったので、誰かが掘り返そうとすれば、誰かが止めるだろうとシルキーが言っていた。
ミリーたちに与えられる罰は、3人で少し違っていた。ミリーは、1ヶ月実家で母親からの説教付きの生活。酒好きのカエデとリンドは、1ヶ月のアルコール摂取禁止と鍛冶の禁止が言い渡された。
ミリーに与えられる予定の罪が、実家での生活なのは、ミリーは母親に頭が上がらず、苦手というか肩身が狭くなるので、実家にはたまに行くがすぐに帰ってくるのだ。ミリーがどれだけ偉くても、母親には勝てないということだろう。
ディストピアでの序列を言えば、俺が頂点で妻たちがいて、その下にグリエルたちが来るのだが、ディストピアに住んでいる人間の心境からすると、俺の次にシルキーが来て、ブラウニー、妻たちの順になるそうなので、シルキーがミリーの母親に頼めば、協力してくれるだろうと言っていた。
ミーシャたち子どもは、期間は母親たちと同じで、与えられる罰が、体を動かす時間がずっと走るだけになるのと、食事が精進料理のような味の薄い食事になるらしい。ただ、栄養価は計算されるので、成長には問題ないと言っていた。
ミーシャたちは、体を動かすことが好きだが、その中でも特に戦闘訓練が好きなので、それを無くして体力をつける為だけに走るようにするんだとさ。食事については、素材の味を楽しめるような食事にするんだってさ。
そもそも、シルキーが雷を落とした理由が、朝食に呼びに来たはずのミーシャたちが、朝食をそっちのけで妻たちと話し合いをしていたため、全員が飲食に関係のある罰というか戒めと、好きなことを禁止するという形だ。ミリーだけ少し違うが、基本は一緒の考えらしい。
ミリーの家族もディストピアに来て、生活に困らないように仕事も出来ているが、ミリーに頼らずに生活できるように、もし何かあったとしても問題ないようにお金を貯めているそうだ。食材は良くなっているが、昔の苦労を忘れないように、質素な食事を度々しているそうだ。
シルキーやブラウニーの食事に慣れてしまったミリーには、結構辛いらしい。わざわざ食べたいとは思わないが、今度経験してみるのもいいかもしれないかな?
カエデとリンドは、言うまでもないだろう。お酒断ちが、ドワーフには一番辛いっていうからな。その罰を受けたドワーフの様子を見れば、良く分かるだろう。日に日にやつれていくのが分かるからな……
ミリーたちが注意するのは、ミーシャたちの暴走だろう。今の所問題はなさそうだけど、思い出し時に我慢がきくかが問題になってくるだろう。早熟ではあるけど、まだまだ子どもなので、抑えが聞かなくなることもあるからね。
正座から解放されたけど、脚が痺れてて……回復魔法で治すから、ちょっと待っててくれ。
「ご主人様が両者の話し合いを止めれなかったことにも問題がありますので、足の痺れはその罰だと思ってください。もし魔法で治すようでしたら……スライムたちに、一緒に遊んでもらいましょう」
うぐ……スライムたちとはよく遊ぶけど、シルキーが許可を出すとなると、無限に遊ぶというか遊ばれる未来しかない! 少しだけ我慢すればいいので、治すことは絶対にしないぞ!
痺れ足で一生懸命歩いて、食堂へ向かった。
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