2102話 よくあるシュウのPON
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1時間ほど相手をすると、シンラも満足しているようなので、俺は仕事に行きますかね。
まぁ、満足しているシンラだが、実際にやった事といえば、ミット打ちを2~3分だけで後は姉たちの後姿を見ながら、プラムとシオンと一緒に手足をワチャワチャさせていただけだけどな。
いつもと違う体の動かし方をしたシンラたちは、運動の後にはウトウトとし始めていたので、今日の見守りの妻たちが3人を回収して、ベッドで寝かしつけてくれるだろう。起きたらお風呂かな?
ミーシャたちはシンラたちとは違って、真剣に体を動かしているので、結構汗をかいているようなので、シャワーを浴びに行くようだ。俺も誘われたが、橋を作るのに汗をかいたりするので、お誘いは辞退して仕事へ向かうことにした。
お供は聖獣たちだけだな。グレンも落ち着いて、ニコたちスライムも関わった全員で謝りにきたそうだ。謝らない選択肢はなかったからな。さすがのスライムたちでも、今回はしっかり謝ったか。
さて、一度に作るのも悪くないけど、無駄に疲れるからのんびりと1つずつ作っていくことにした。
ん~、土木組に教えたやり方で行こうかな。
「シエル、大きい姿に戻って水の上に浮いてくれ。その上に乗って作業するから、潜るのだけは止めてくれな」
俺の指示に従って、シエルは大きくなって気持ちよさそうに水の上に浮いている。その上に俺とダマが飛び乗り、レオは少しだけ体を大きくして、ウミヘビみたいに水堀の中を泳ぎ始めた。グレンは俺の肩に乗って、作業を見守るつもりらしい。
シエルの位置が悪かったので、少し移動するようにお願いする。
さて、まずは基礎を作る場所に筒を作り、中の水を抜く。そのまま飛び降りて、浸水してくる部分を埋めて……足元を一気に固める。ソナーを作成した基礎にかけると……うん、問題なさそうだな。
「あ~、失敗した……先に鉄の棒を埋めておくんだったな。せっかく省エネで頑張ろうかと思ったのに……」
固めた基礎に魔法で干渉して、鉄の棒を基礎に打ち込んでいく。ちょっと消費したけど、仕方がないな。適当にやったのがバレるな……
『主殿、本気で魔法を使えば、基礎に埋め込む鉄の棒はいらなかったのでは?』
「そっちも考えたんだけど、そっちの方が魔力を余計に消耗するから、今回はこの方法にしたんだよ」
ダマはそれで納得してくれたようだ。面倒で説明していなかったが、俺の魔法だけで鉄の棒を入れなで作ると、後で整備する人の力量次第では、干渉できなくなってしまうんだとか。俺もそうだけど、綾乃とバザールも同じみたいだな。
土木組が本気でやっても、一般的な魔法使いでは無理だが、土魔法に精通していれば問題ないらしい。この違いはイメージの差だと考えている。まぁ魔力も影響していると思うけどね。
一気に作るとそこらへんも関係して、干渉できるように整備するのも面倒だったりするんだよな。
さて、次に行くぞ!
『橋脚は作らないんですか?』
「橋脚より、基礎の部分に鉄の棒が入っているかが、今回のみそになるんだって。干渉できるレベルまで力を落とすと、どうしても基礎の部分とこの鉄の棒がないと、橋が壊れやすくなるみたいなんだってさ。俺は分からんけど、リンドがそういうから理由があるとおもうぞ」
ダマは納得したようなしないような表情を器用に作っていた。
必要分の基礎を作ったところで、拠点のある島へ向かい、そこから橋を作っていく。
橋脚が無くても基礎を俺の魔法で作っているから、マーカーの代わりになり、そこを起点に自分の位置とつなげて、橋を作り上げていく。土木組の作る橋と似たような造りにしないと、整備が面倒になるから、レンガを繋げるイメージで橋を作っていく。
『1つ疑問に感じていたのですが、難民の街を作った後に反乱があったら鎮圧した後、駐屯地を全部水堀にするのではなかったですか?』
…………
そういえば駐屯地って鎮圧が終わったら、全部解体して水堀を広くするって話じゃなかったっけ?
ダマに言われて、この場所の最終的な利用方法を思い出した……
「長引くかもしれないし、念には念を入れて作ってるだけだよ」
『……そうかもしれないけど、橋のメンテナンスが必要になるほど、長い間軍隊を駐留させるんですか? 橋のメンテナンスが必要になるのは、定期確認でも1年以上は先ではないですか? 本格的なメンテナンスは、下手すれば10年とか先ではないでしょうか?』
確かに、メンテナンスの事を考えていたけど、必要になる時期までここに軍が駐留するわけないな。それにダマの言う通り、駐留する軍隊がいなくなれば崩すつもりだったな……
これだけ話しているのに誰も気付いてないのは、みんなも失念しているだけなのだろうか?
今日の仕事をすべて終わらせてから拠点に戻る。
既にリンドもカエデも戻ってきており、今日の反省会のようなことをしていた。初めは、反省会かと思ったが、魔法の効率的な使い方をするために、基礎知識を教えているような感じだろうか? 仕事が終わった後なのに、勉強熱心なことで……
「シュウ君、実戦で学んだことを、きちんとした知識として身に着けるために、あの子たちは勉強しているのよ。今までは、基礎を叩き込んで、実戦を繰り返してあそこまで成長したけど、ここから先はしっかりとした技術と知識が必要なんだってさ」
「そういう事なんだ。俺はにわか知識に、適当に参考書を読んだだけだから、あまり実感がないんだけど、やっぱり知識って必要なんだな」
「シュウ君や綾乃さん、バザールは、この世界の常識では計り切れないわね。専門的な勉強をしてないのに、この世界の専門家より知識があるんだか恐ろしいわよ」
そんなもんかね。地球の専門家なんて、俺たちと比較にならないほどの知識だぞ。一歩前の学生だって、ありえないくらい知識があるんだぞ。
昼間に気付いたことを、ミリーに聞いてみた。
「え? 気付いてなかったの?」
あ~、俺が分かってて今回の話を進めていたと思っていた感じ? 誰も指摘しなかったのは、俺が分かってて話を進めている物だと思っていたらしい……
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