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ダンマス(異端者)  作者: AN@RCHY


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2101/2519

2101話 シンラの受難

アクセスありがとうございます。

 橋を作りに拠点に戻ると、ゲートを作った部屋の入り口の外で、シンラが不貞腐れた顔で待っていた。対照的に両サイドにいるプラムとシオンは、ニッコニコの笑顔でくっついている。


 状況の理解できない俺は、その場に立ってシンラの様子をながめる事にした。


 状況が改善することなく、5分ほどが過ぎた。


 俺が戻ってきたことに気付いたミーシャたちが、俺の疑問に答えてくれた。


 どうもシンラは、起きた時にベッドにしていた俺がいなくなっていたため、不満オーラを爆発させていたらしい。爆発と言っても、可愛らしい癇癪だったと姉たちは笑っている。


 起きた時に俺がいなかったことに、腹を立てているだけで、それ以外に何かがあったわけではなさそうだ。それなら、放置しておけばいいか。


 人をベッドに使ったのに、いなくなったからって八つ当たりされても困るからな。


 どうやら、話には続きがあって、プリプリ怒っていたシンラを、ライラが注意したことで、両頬が風船みたいに膨らんでいるんだとさ。


 注意された理由は理解できたようだが、まだ感情を制御できないシンラは、見るからに不満があると全身で示すように、今の状況になったのか。


 気持ちは分からなくもないが、それ以上に気になるんだが……注意された理由が理解できた、ってところにビックリしているんだけど……地球には、大人だって怒られた理由が判らない奴も一定数いたんだけどな。


「とーたん、それはこの世界でも一緒だよ。お母さんたちが前に話してくれたんだけど、貴族やお金持ちで甘やかされた人たちって、常識が通じないんでしょ? そうなってほしくないから、常識はしっかり身に付けるようにって、聞いたよ」


 その通りなんだけど、まだ小学校に入る歳になっていないシンラと、クソ貴族や金持ちの脳足りんを一緒にしたらダメだろ。注意の仕方によっては、自主性が失われてしまうんじゃないか?


 シンラの将来に不安を抱いていると、


「そんなことにはならないから、安心して。しっかりと、自分がしていたことを自分がされたら、どう思うのか考えさせたわ」


 ライラが現れて、注意をしたときの話をしてくてた。


 今回は俺がベッド代わりにされていたけど、シンラがその立場になったら……と言う話をしたようだ。とはいえ、大人の俺がシンラの上で寝ることはないから、プラムたちに協力をしてもらって、理解してもらったようだ。


 プラムたちなら、シンラにくっつくようなことなら、喜んで協力しそうだな。その時のシンラの様子が目に浮かぶな。


 ……って、そのせいで俺に八つ当たりしてるんじゃないか?


 ライラは苦笑しながら、頬をかいていた。


 何となく、そんな気はしてたのか……出来れば、俺に影響が少ない方法をとって欲しかったな。


 その後の話もあったようで、協力したとはいえ、シンラは自分がされて嫌だったから、プラムたちに色々言ったそうだが、尽く通用しなくて不貞腐れたらしい。


 くっついて寝るのは疲れる! と言って、シンラがプラムやシオンを抱き枕のようにしたのだが、2人は反対に喜んでしまった。上に乗るようなことも、シンラには苦痛でも2人は、嬉しいことだったようで、話にならなかったんだとさ。


 この状況も目に浮かぶわ。


 ブラムとシオンに関しては、もう少し大きくなってから、妻たちや姉たちに色々教えてもらうといい。


 シンラを放置して俺は仕事に戻ろう。


 ……で、シンラよ。何故俺の行動を邪魔するのだ?


 そもそも、俺って何も悪い事してないんだけどな……


 さて、どうするべきかね。ライラも一緒にどかそうとしてくれるが、シンラはプラムとシオンを味方につけて抵抗してくる。こういう時は本当に仲がいいよな。


 少し相手をしないと、どうにもならないかな?


 橋は、少し無理をすればすぐに作れるし、シンラの相手をしてやりますか。で、シンラよ、何がしたいんだ。聞いたところで、この子たちはその時のノリで遊んでいるから、明確に何がしたいということは無いんだろうな。


 大体俺に付き合ってくれるのは、体を動かす系の遊びなんだよな。となれば、


「シンラ、外に行くぞ!」


 勢いとノリで、シンラたちを外へ連れ出す。一緒にミーシャたちも来てくれるのが少し嬉しい。


 途中で、今日の御守り担当の妻たちも合流して、グランドへ出る。


 運動を始める前に、準備体操をしよう。ラジオ体操第一で体をほぐしていこう。


 ミーシャたちは俺の真似をして、しっかりと体を動かせているが、下の子たちは……体操っぽいんだけど、短い手足で下手だけど頑張って、ツイストダンスをしているように見える。


 笑っちゃいけないと思うのだが、一生懸命やればやるほど可笑しく見えてしまう。耐えられずに笑ってしまうと、シンラから無言の圧力がかかる。だけど、まだまだ迫力が足りないな。


 下の子たちは、姉たちの真似をすることにはまっているので、ミーシャたちの訓練をすることにした。午前中は勉強をしていたみたいで、体を動かしていないのでちょうどいいだろう。


 さすがに模擬戦をするためには身長が足りないので、ボクシングのミット打ちみたいなことをしようか。


 脛と手と前腕にミットをつける。屈み腰になってミーシャたちのミット打ちの相手になる。


 妻たちの訓練を受けているだけあって、3人とも動きがいい気がするな。ミットの音もキレイにパンパンとなっている。


 その後ろで下の子たちは、姉たちの真似をして手足をワチャワチャさせている。その姿がまた面白いので、笑いそうになってしまう。


 シンラたちも、姉たちのようにミット打ちをしたいのか、必死にせがんでくる。こんな時ばっか可愛らしくなりおって……仕方がないな。無理はするんじゃないぞ!


 って言った瞬間に、コロッと態度を変えやがって! こんな高等テクニックを覚えたのやら……子どもたちに翻弄されるなんてな。

ここまで読んでくださり、ありがとうございます。

ブクマや評価をしていただけると幸いです。

これからもよろしくお願いします。

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