2088話 橋を作るぞ~!
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夕食後から寝る間では特に何もなく、今日あった事を話し合うなどして穏やかな時間が過ぎた。その話の中で妻たちが、シンラたちからは今日の働きによって、何もできないポンコツ人間から、物作りなら出来る人間に格上げになったみたいだと教えてくれた。
そのおかげか良く寝れたな。今日は、土木組と俺たちは別々の部屋で寝ることになった。っとまて、それが普通なのだから、別々に寝たなんて言う必要もなかったな。
寝る前にも外を確認したが、雨はまだ降っていた。こんなに長い時間振るなんて、初めてな気がする。そもそも、日本に比べて雨が少なかった気がするんだよな。雨が少なくても砂漠地帯は無いし、水も何故か枯れる様子が無いので、人々が生活するには問題ないんだよな。
神が遊ぶために作った世界だけあって、ある程度生活できるエリアを作ってあるんだろうな。他の大陸も似たような形をしていて、ある程度街ができているエリアは同じ傾向だったからな。
住んでいる人たちによって、ある程度住む傾向が決まっており、エルフなら森の中、ドワーフなら鉱山の近く、と言ったように傾向がある。後、大陸にいるすべての人間のレベルによって、生存地域の広さも決まっているような気がする。
俺たちの大陸が一番レベルが高いようで、他の大陸に比べると人間の生存領域が広い。そう考えると、昔の人間が頑張ったのだろうな。
っと、話がそれたが、今日は昨日と違い快晴だな。地面もしっかりと乾いており、昨日まで雨が降っていたとは思えない位になっていた。朝なのに乾いているのは、水はけがいいのかね?
初日から水堀の管理をしてくれているシリウス君に、雨によって増えた水について聞いてみたら、余分な水分は近くの邪魔にならない場所へ、全部まき散らしたそうだ。
もしそれをしていなかったらどうなっていたか尋ねると、大したことにはならいと言っていた。水はけが特段いい訳ではないが、悪いわけでもないので周囲で一番水の溜まりやすい場所に、流れ込むだけだったとの事。
住宅地があれば災害だけど、無いというか窪地には街を作らないのがこの世界の鉄則みたいだな。シリウス君って、さらっとすごいことをしているんだな。リバイアサンの能力を考えれば朝飯前なのかもしれないが、それでもすごい事には変わりないよな。
さて、今日は晴れたので、橋を作りましょうかね。
建設予定地へやってきた。そこで始めたのは、橋を作る上で重要なことを再度確認するためだ。
「橋を作る上で一番重要なことは、橋脚の下にある基礎の部分です。ここにきて家を建てた時も、しっかりと基礎を作ってから上の建物を作ったよね。基礎が大事だと言うことはみんなも理解していると思いますが、何故大事なのかを考えていきましょう」
そう言い始めて、みんなに考えさせる方向で話を進めていく。
土木組からは様々な意見が出たが、どの意見でも結論は安定性という部分が強調されていた。だけど、その安定性と基礎の部分を結び付けて答えられなかった。少なくとも日本でいえば、そこそこの高校へ進学できる程度には知識があるはずなのだが、知識を応用して答えを導くことは難しかったようだ。
……ふと思った。日本の中学生なら、この質問に答えられるのだろうか? 俺が中学生の時はどうだったかな? その年ごろじゃ、分からなかった気がするな。今なら当たり前のように考えられているから、この子たちも同じくらいだと思い込んでいたな。
分からなくて当たり前なんだから、答えに近付けるように導いていくのが、今回の俺の役目だな。
「じゃぁみんな、思い浮かべてみて。今回作る橋は石造りでとっても重くなるよね。それが岩のように大きな塊であれば重さは分散するけど、今回みたいに眼鏡橋と呼ばれるような橋の造りだと、橋と接触する部分が小さくなるよね。重さが一点に、力が一点にかかるとどうなるかな?」
ほとんど答えを言ってしまっているが、とっさに出てしまったので今回は仕方がないということで!
何人かのグループになって集まり、話し合いを行っている。俺の話を聞いている最中に、気付けている子もいたので、みんなで答え合わせをしているのだろう。間違ってもいいから、普通に答えてもいいんだけど、話し合ってから答えるのが癖になってるかな。ずっと一緒にいるしな。
5分くらいで答えが出たようで、基礎がしっかりしていないと橋が沈んでしまう、というところにしっかりとたどり着くことができた。安定させるため、でも間違いではないが、正解でもないので時間がある時は一度答えが出ても、もう一度考え直してみるように話しておいた。
「さて、橋脚の基礎となる部分を作るためにはどうしたらいいですか?」
これは、すぐにみんなが同じ答えを口にする。水をどかして作るというものだった。
「正解だね。じゃぁ、どうやって水をどけるのがいいかな? シリウス君たちに頼めば簡単だけど、今回はそう言う話ではなく自分たちの力だけでおこなえる方法を考えてみよう」
これは、知っていなければ分からない気がする。この方法を知らなくても、頭のいい高校生とかであれば、簡単にたどり着ける考えではあるが、実際に行おうとすればかなりの労力を必要とするんだよね。
最終的にたどり着いた答えは、水魔法で水をどかしている間に、違うメンバーが基礎工事を済ませるというものだった。
確かに間違いではないが、基礎工事にどれだけ時間がかかるか、水魔法による制御に失敗した場合のリスク、それより簡単な方法があることを伝える。そもそも、地球には魔法がないのだから、水をどかすのに継続的に魔法を使う必要はないことも話した。
継続的にという言葉をあえて使ったのは、魔法自体は使ってもいいということを伝えるためだ。
いいところまではいったのだが、正解にたどり着くことは出来なかったみたいだな。
「惜しいところまで来てるんだけどな。じゃぁ、この器を水堀の一部だと思って、自分たちで考えた方法を試してみよう。もし、やっている最中にもっといい案思い浮かんだら、ドンドン試してみるといいよ」
試してみようとみんなで、実験を始めた。どの子が初めに気付くかな。
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