表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ダンマス(異端者)  作者: AN@RCHY


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

2076/2519

2076話 想定していなかった事態

アクセスありがとうございます。

 まさか、初日のお金を運んでほとんど時間が経ってない状況で、事態が動くなんて誰も思ってなかったから、対応が遅れるところだったわ! 初日なのにしっかりと見ていてくれたスプリガンの皆さん……あなたたちは守り神ですね!


 っと、追跡はスプリガンの皆さんとシャドーに任せて……映像だけは、こっちに流しておいてくれ。リアルタイムで行動を追えるのは、ダンジョンの機能様様である。


 固まっていたグリエルとガリアが再起動したのか、慌てて俺の執務室に転がり込む勢いで入ってきた。俺が言うのも変だけど、お前たちって自分の仕事大丈夫なの?


 あ~、基本的には書類関係の仕事だけになってるのね。重要なところはしっかりと会議をして決めているから、その会議が無ければある程度自由に行動できるってことね。


 そう言えば、仕事が無いときはどちらかが早く家に帰っているって言ってたっけ。そう考えると、グリエルたちの仕事量は昔に比べて減っているんだな。今回みたいな緊急時でも、対応するべき時にいつでも動けるようにしていると……


 本当は、難民問題で時間を空けていたのに、良く分からん書類に振り回される形で時間を使わされているけど、大丈夫なんだろうか?


 そこらへんは、2人に任せるしかないな。俺たちのしなきゃいけないことは……この金を運んでいる人間の詳細を知ることだな。どこの部署の人間で、何でこんなことをしたのか、1人で計画したのか、色々知りたいことが沢山ある。


「グリエルとガリアは、こいつに見覚えはあるか?」


 2人とも首を振ってこたえた。どうやら、現地で採用……って言ってもすぐそこの隣街なのだが、ドワーフの爺さんたちが採用担当しているわけがないから、部下の誰かがしているってことかな。


 元々悪さをするつもりだったのなら、採用はされなかったはずだから……何か心境の変化があったか、敵勢力にでも飲み込まれたか?


「敵勢力が関係しているなら、痛打にもならない金額を盗み出すようなことはしないんじゃないですか? 小さい組織だったとしても、イベント1回で使い切れるような金額じゃ、長いことは維持できないですよ」


 だとしたら、心境の変化……魔が差したってことかね?


「魔が差したにしては、行動が早すぎて戸惑いがない気がしますが……」


 う~む、考えても仕方がないな。本人に聞けば分かることだ。いまするべきは、こいつの詳細を知ることが優先だろう。データベースにアクセスして、ゴーストタウンの従業員を調べていく。


 この時間にここにいるわけだから、おそらくゴーストタウンで働いているはずだ。ゴーストタウンの領主館に連絡しないのは、老ドワーフがこういう時に役に立たないからだ。


 俺たちがやれと言っても、自分でしなくていい仕事と判断すれば、部下に丸投げするのが当たり前なので、下手に情報を伝えると俺たちが調査していることがバレて、色々面倒なことになる可能性があるので、多少手間がかかってもこちらで探す方がいいのだ。


 ゴーストタウンで雇っている人間の数は、4桁は軽く超えているので、3人では手が足りないな。秘書や手の空いている部下たちに手伝ってもらって、どういった人間なのかを調べてもらっている。


 1年も経つと別人みたいになる人もいるので、働き始めの姿と今現在の姿が違う人も多いから、探すのも一苦労である。特に、女性たちは別人と言ってもおかしくない位見た目が変わるな。今回は男だけど、それでも写真があてになるのか不安である。


 ん~、追跡してもらっているお金を持ち出した男は、空き家のような所にお金を置いてから、領主館に戻っているみたいだな。周辺の関連施設ではなく、領主館で働いている人物なのだろうか?


 パラパラとページをめくりながら、監視室から送られてきている映像を見ている。


「ふ~、見つかりませんね……あれ? この部署って、新しくできた部署じゃなかったでしたっけ?」


「ん? そう言われれば、えっと……ゴーストタウンの住民から色々な意見を貰って、その意見からゴーストタウンのためになること実現していく部署でしたっけ?」


 …………


「シュウ様、また忘れていますね。1年位前だったと思いますが、何度も報告書が上がっているはずですよ」


 おうふ、実際に見に行ってなかったから、知識として認識できていなかったようだ。言われてぼんやり思い出せているが、本当にぼんやりなので細かいところまでは思い出せない。何か色々書いてあった事までは……思い出せているかな。


「ガリアに言われるまで、自分もその部署のことを思い出せなかったですけどね。確かあの部署は、ある程度ベテランが集められたはず。あの部署の名簿は……ありませんね」


 新しくできた部署には名簿が作られておらず、移動前の部署に名前が残っているようだ。


 ここら辺は改善しなければいけない所だな。新しく部署を作る……といっても、全ての部署の事をこちらでは把握できないから、各街でおこなってもらわないといけないよな。


「シュウ様、その前にこの人物が誰なのか調べましょう」


 そうだった。この後の事より、今現在問題を起こしているこいつの事を調べないといけないんだった。


 2時間ほど一生懸命探して、犯人らしき人物が4人に絞られた。ここから誰が移動したのかを調べないといけないのだが、どうすればいいのだろうか?


「それは、各部署を映して働いている人を見ればいいのではないですか?」


 うん、ガリアの言うとおりだな。今の時間であれば普通に働いているわけだから、元の部署にいない奴が候補の1人になるってことだな。


 そうやって絞り込まれたのが1人。3年前から働いている、ゴーストタウンでは中堅になりかけといったところだろうか。その人物が浮かび上がってきた。


 中立都市からではなく、帝国からの移住組の人間のようだが、当時の記録を見ると特に問題の無い人物のように思える。人が常に変わらないなんてことは無いが、それでもこんな事件を起こすのには違和感がある人物のように思われる。


 嘘のイベントなのは間違いないので、お金を着服していることは確定している。良く分からない空き家っぽい所へ運び込んでいたしな。そう言えば、そっちの方の監視はどうなってる?


 ……うん、誰もしてなかった。確かに指示も出してなかったし、俺が悪いのは間違いない。


 空き家を映した映像には、お金が詰まっていた箱が無くなっていた。どこいった?


 過去の映像を引っ張り出し、どこに移動したのかを慌てて探すことになった。

ここまで読んでくださり、ありがとうございます。

ブクマや評価をしていただけると幸いです。

これからもよろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ