2075話 バカなの?
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今回の首謀者を捕まえようと思ったが、どうすればいいのだろうか? 報告にあった部署に、お金を預けておけば取りに来るのだろうか? どうすれば接触できるのか頭を悩ませたが、連絡を取る方法が無いのでその部署に許可書とお金を置いておくことにした。
その部署のトップには連絡がいっており、自分たちは何も知らないとのことだったので、そのトップも巻き込み監視することにした。現れるかもわからない人物を待つのは大変な作業になりそうだ。
ゼニスに連絡を入れてすぐにお金をその部署に届けるようにお願いする。木箱に入れて、名目を分かりやすく書いて置いておけば、気付くかもしれないな。後、部署でも人がいるところだと知らない人間が取りに来れないだろうから、倉庫や資料室として使われているところへ運び込んでおいて。
向こうの雨は激しくなっているようで、妻たちは子どもたちと一緒に内装を考えているみたいだな。土木組は別行動で、自分たちの棟の内装に取り掛かっているらしい。自分たちの後に使う人たちの事を考えて、広い空間に壁や通路を作っているみたいだな。
今回の拠点になる建物は、ビルに近い建て方をしている気がしている。あ~本当のビルの建て方を知らないので、俺のイメージだけどね。
ある程度大きなビルって、中にテナントとして入ってくる店が自分たちで内装を整えるって聞いたことだあるんだよね。返す時に原状復帰する必要があるから、大きく手を入れるのは大変とか聞いた覚えがあるけど、今回はそれに近い感じだと思う。
原状復帰させる必要はなく、使いやすいように改造していいというのが、今回の拠点なので大分ニュアンスは違うだろうけどね。
話を聞く限り、間取りを簡単な壁で作って、みんなで相談しているのだとか。作業を始めて30分と経っていないが、1つの問題が既に出てきているのだとか。
部屋の窓がどちらの方角を向いているとかではなく、内側に部屋を作ると窓が付けられないとのことだった。
その報告を聞いて、当たり前だろ! と思ったのだが、土木組は今までにここまで大きな建物を建てたことが無く、知識不足だったようで今回のようになってしまったのだとか。
なので多少部屋が細長くなるが、1つの部屋に1つの窓をつけれるように、建物の外側の壁に部屋を並べることで窓を設置できるようにしたようだ。
内側となる場所には、人が集まれるようにしており、そこでミーティングも出来るし、装備の整備もできるようにする形にしたようだ。そうすると、角部屋は結構広くなりそうだな。
そんなことを考えていたら、角部屋はある程度地位のある人間が使うことになるだろうとのことだ。今回は、土木組のみんなが集まるような場所にしてあり、そこでのんびりとしたり遊べたりする空間にしてあるのだとか。
子どもたちが寂しがるから、起きている時間帯は子どもたちのいる部屋に行ってくれると嬉しいな。
俺がそんなことを言わなくても、当たり前のように入り浸るから気にしないでくださいとか言われてしまった。
寮とは違うけど、兵士たちが駐屯する建物になるので、部屋ごとに差が大きいのは困るから、土木組の判断はいいかもしれないな。
俺が奪い取るまでのフレデリクでは、個室は無く4~6人で集団生活をしていたから、プライベートなスペースが無かったらしい。唯一あったのは、爵位持ちの子弟たちに与えられていたのだとか。
そんな状態だったので、部隊の隊長でも爵位持ちの子弟でなければ、隊員たちと同じ部屋に押し込められていたらしい。隊長にとっても隊員にとっても地獄でしかなかったな。
そもそも、能力が低いのに爵位持ちの子弟ってだけで個室を与えられ、無駄に出世が早かったりしたので、俺が乗っ取った後には大半の貴族関係者が兵士を止めていったっけな。
仕事を任せても部下に丸投げ、着服は貴族の権利、横領は当たり前、賄賂は小遣い稼ぎ……もうね、やりたい放題だったのよ。全員物理的に首を落とそうかと思ったわ。
っと、そんな懐かしいことは置いておいて、新兵時代の集団生活は連帯感や一体感を持たせるために必要だが、一定以上の練度になれば不要だと考えている。ここに来る兵士は……そう言えば、どくらいの練度があるのだろうか?
全員が素人に毛が生えた程度ということは無いだろうから、土木組の数くらいは指揮官クラスとしてやっていける人間はいるだろう。って、土木組の方は兵士じゃなくて、兵士をサポートする一般人だったっけ?
そこらへんは、後でも変えられるから気にしなくてもいいか。
自分たちの部屋も大切だけど、その前に治療院の人たちが生活するスペースの方を整えておいてほしいな。母親1人に子どもが1~2人はいる計算で、部屋を作ってほしい。僻地扱いだから、多少余裕をもって作るようにお願いする。
どのくらいの人数が来るんだろうな……難民が数万人規模を想定していて、治療師は大きな怪我くらいを想定して、数は必要ないと考えていたけど、自ら志願してくる治療師が多かったから、規模を増やしたんだったよな……
あそこで働いている人たちは、実際に苦労をしていた人たちだから、難民と聞くと思うところがあるのだろうな。病気だって大変だろうし、まともな治療だって受けられずに亡くなってしまう人も多いだろう。それでもこちらの責任ではないので、出来る範囲で行う予定だった。
だけど、治療院のお母さま方は、出来る範囲ではなく可能な限り沢山の人たちを、と言った感じで志願してきているんだよね。横で連絡を取っての志願ではなく、自分たちの意思での志願だったことに驚いている。
広い部屋だったら……配偶者がいる兵士が使うのかね? とても仲が良くて、子どもとかできた日には大変になりそうだな。兵士たちが多めに配置されるのだから、それに合わせて治療師も配置する必要があるか……
こんなところって言うと失礼だけど、難民とか関係なしに僻地になった時に来てくれる人はいるのかね?
どうでもいい事を妄想していると、魔導無線に連絡が入る。お相手は……監視室? スプリガンの人たちからの連絡だな。何か問題でも起きたのだろうか?
通話状態にすると……ゼニスが運んだイベント用のお金を取りに来た人間が現れたそうだ。
10秒くらい思考が停止してしまったが、何とか立ち直りいくつかの指示を出しておいた。ゴーストタウン内なら問題なく追跡できるが、念のためにシャドーを送り込み監視させることにした。
いつの間にかいなくなっていたグリエルたちに連絡を入れると、俺と同じように固まってしまっていたな。分かるぞその気持ち!
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