2055話 無駄にズル賢いシンラたち
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シンラたちの説得に成功した俺たちは、夜行列車といっていいのか、夜出発して朝にはラディッツへ到着する魔導列車に乗り込んだ。列車なので、どうしても部屋が細長くなってしまうが、しっかりと幅があるので移動に苦労するということは無い。
ただ、テンションの上がったシンラたち3人が寝落ちするまでは、大変だった。
寝室として用意しているベッド車両に入った途端、3人とも転がり始めたのだ。端から端まで何十メートルもあるのに、往復までしていた……それで気持ち悪くなるのであれば、大人しくなったのだが、反対に元気が良くなって寝るまで騒ぎ続けて大変だった。
シルキーたちの話をしたが、ここはまだ話に合った場所じゃないから問題ない! みたいなことを言われた。確かに建物を建てている間でもないし、場所も違うけど……とは思ったが、子どもたちに理解させることは、今回は難しいだろうから現地に着いたら、細かくしていこう。
最終的には、シンラを疲れさせるために、お腹スーハースーハーグリグリの刑に処して、疲れてダウンしたところにプラムとシオンをくっつけて、強引に眠らせた。普段より2時間は寝るのが遅かったので、明日の朝起きられるか心配だな。
妻たちも娘たちも自由に雑魚寝する形で就寝した。
ミーシャたちは俺にくっ付いて寝るかと思っていたが、ウルに抱き着く形で3人が寝ていたので不思議に感じたな。理由は4人が寝た後にすぐわかったんだけどね。
ウルがスカーレットたちから勉強を学び始めたあたりから、ミーシャたちと一緒に寝ることが減ったのだそうだ。少し前まで、シンラたちのように仲良く寝ていたのだが、俺と一緒にウルが異世界に連れ去られた後の落ち着くまでの期間以外は、別々に寝るようになっていたんだとさ。
それを寂しく感じたミーシャたちが、今日はウルに引っ付いて寝ているんだとさ。あの姿を見ると、ミーシャたちとプラムたちが姉妹だというのは、納得できるな。
それ以上に興味深いのは、血は繋がっていないけど同じような立場のウルとシンラだな。中心となる人間は、血が繋がっていなくとも同じような傾向がみられるのかね?
ウルも大切な娘だから、血が繋がっていないとか言うとなんかよくないか。生活環境が同じなら、行動が似てくるのかもしれないな。
新しく子どもたちが生まれたら、その子たちも同じようになるのかな? 男が俺とシンラだけなので、もう少し立場を向上させるために、男の子が増えてくれると嬉しいのだが……生まれてくる子どもたちは、女の子の方が多いのかね?
6人中5人が女の子。俺の種が女性を生みやすい体質なのかと、疑ってしまうな。
実際に体質はあるそうだが、それが絶対という訳ではない。実際にシンラが生まれているしな。
なんかの本に女性がオーガニズムを感じるようなエッチの方が、男の子が生まれやすいみたいだが……俺って淡白なエッチしかしてないのかね?
他にも色々産み分けるみたいなコツというか、確率をあげるための方法があったけど、全体的に見れば女の子が生まれやすい方法の方が当てはまっていた気がする。
特に、この2つ……エッチをする1日前に、射精して精子を薄めておく、というのと、女の子が欲しい場合のエッチは排卵のタイミングより2~3日前がいいって奴だな。
正確に言えば、そう言う期間に入ると毎日搾り取られるので、必然的に精子は薄くなる。チビ神の所為で……いや、おかげで精力面ではかなり強くなっていても、精子の濃さは物理的なものだからな。
それに、1日に何人ともすることになるので、排卵のタイミングも2~3日前という部分に当てはまりそうだ。
だから何だという話なのだが……男が増えない物だろうか? シンラは同性なはずなのに、敵みたいな関係になっているから特にな……
そのことが書いてある本を読んだところで、俺がどうしても男の子が欲しいと王侯貴族的な考えをしていないので、とにかく俺との子が欲しい妻たちの……積極的搾り取る方針は変わらないだろう。チビ神の付与した加護の所為で……それに、娘だと可愛がるから安心するらしい。
冷たくされているプラムたちであっても、ミーシャたちと変わらない愛情は注いでいる。唯一の男の子であるシンラに、若干冷たいのは気になるらしいが、それも若干であって放任しているわけでも、愛情を注いでいないわけでもないので、心配されていない。
唯一の欠点は、娘たちを可愛がり過ぎて、嫁に行かさない! 俺より強い男じゃないとだめだ! とか言う部分だと言われている。
この条件を唯一クリアできそうなのが、ライガだけだったりするんだよな。でもそのライガは、家族の事で恩を感じており、命を懸けてでも俺や家族を守る! みたいな熱い感じになっている。
ライガから見れば、ウルやミーシャたちは仕えるべき相手であって、共に並んで進む相手ではないそうだ。
俺の娘たちに魅力がねえのか! とか怒りそうになって、面倒だから黙ってなさいとミリーに怒られたのを思い出すな。
ミーシャたちから見ると、ライガはカッコよくて強いお兄ちゃん的立場らしい。レイリーに連れられて、ミーシャたちの訓練に参加することもあり、その時に強さを感じて、尊敬の眼差しを集めているそうだ。
それならレイリーはどうなのだと思ったのだが、血のつながりはなくとも曾孫に当たるので、甘々な好々爺になるだけだそうで、強さを知らないんだとさ。
正直、今でもガチで戦って勝ち越せる自信がねえんだよな。力と体力で押し切る以外に勝てる気がしない。年齢的に考えれば、エルフやドワーフの方が老練なはずなのだが、人間に近いレベルで人間の一生分以上鍛錬を積んだドラゴニュートだからこそだろう。
レベルが高くない(俺たちから見て)ドラゴニュートは、相手にならないが、Sランク冒険者クラスになれば、かなり強く感じる。
でもドラゴニュートが表舞台に上がってこないのは、その数の少なさだろう。出会った数で言えば、ドラゴニュートが圧倒的に少ない。エルフやドワーフ……ドワーフは腐るほどいるな……など比較にもならない。
俺があった事のあるドラゴニュートは、レイリーとリリーを除くと、5人だけだ。4人は、チラッと見ただけで話しもしたことは無い。最後の1人は、Sランクの冒険者で同族を奴隷としていた俺に、勝負を挑んできてボコボコにしてやった時に知り合ったな。
さて、起きる頃にはラディッツの街についているだろうから、そこからは馬車での移動だな。
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