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ダンマス(異端者)  作者: AN@RCHY


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2025/2519

2025話 シンラ、おやつ作りにはまる

アクセスありがとうございます。

 色々な風味のするキャラメルを作ってから、子どもたちにスイーツやお菓子作りのブームが来た。連日、おやつに食べる物をみんなで作るために、下の子たちが俺の所に襲撃に来るようになった。




 初日がキャラメルで、次の日はプリンだった。


 プリンと言えば、簡単に作れるデザートとして候補にあげられる。準備するのは卵・砂糖・牛乳の3つだ。


 スイーツは基本的に分量をしっかり計って、手順通りに作っていけば失敗は無い。基本で失敗する場合は、勝手にアレンジをしたり、レシピ通りにできていないということだ。


 パティシエになれば基本をしっかりしながらも、崩さずに一品として完成させることができる。アレンジは、そう言う上級者がやるべきことなので、シンラよ、無駄に色々しようとするんじゃない!


 プリンは比較的簡単に作れる上に、分量が多少適当でもなんとかなってしまう。覚え始めるならちょうどいいのかもしれないな。


 手順としてはこんな感じだ。


 1、鍋にグラニュー糖、水を入れて中火にかけ、茶色くなるまで煮つめる。カラメルを作る。この際、茶色くなり出すと一気に色が変わるので、注意が必要。火加減やタイミングをミスると簡単にこげてしまう。お湯などを足して調整するのもあり。耐熱の器に入れておく。


 2、ボウルに卵を割り入れ溶く、グラニュー糖を加えて混ぜていく。鍋に牛乳を入れて熱し、温まったら沸騰する前に火を止め、ボウルに少しずつ加えてその都度よく混ぜる。


 3、こしながらカラメルの入った容器に均等に流し入れる。


 4、蒸し器などにプリン容器を並べる。鍋の場合は、布巾を敷いた上にプリン容器を習え、容器の半分くらいの高さになるように水を注ぐ。ふたをして中火で熱し、湯気がたってきたら弱火にする。20~30分蒸し、粗熱が取れたら冷蔵庫で冷やして完成。


 プリンはこんな感じで作った。


 フワフワなプリンを食べてみたいと思ったので、割った卵を共立てでフワフワ食感にする。牛乳ではなく生クリームを使い、こちらも泡を立てておき、共立てに混ぜていく。カラメルは後がけでもいいかと思い、合わせた物を蒸してみた。


 うん、失敗した。フワフワのままできるかと思ったけど、泡がつぶれて萎んでしまっている。原因は良く分からなかったが、ブラウニーたちの見立てでは、生クリームの分量が多かったのではとのことだ。


 そもそもフワフワにしたプリンが美味しいのかと言われたら……あんまりおいしそうじゃなかった。貧困は俺の考えでは、美味しく作れる気がしない。作る意味があるかどうかは別にして、プロのパティシエやブラウニーたちなら、フワフワなプリンを完成させそうだ。


 とはいえ、フワフワのプリンって、それってもうプリンではないのでは?


 そう思っていたが、日本には卵を割らずに卵を高速回転させ、卵だけで作るたまごプリンというものがあるそうだ。そう考えれば素材は関係なく、味がプリンであれば、それはもうプリンと言ってもいいかもしれない。


 どうでもいい事を考えていたら、シンラに怒られてしまった。怒っている理由は、シンラの作ったプリンになりそこないの物が、俺の目の前に置かれているからだ。初めから最後まで1人で作ったのはいいけど、それを人に食べさせるのはどうかと思うぞ……


 それを食べるか悩んで、現実逃避をしてたら怒るとかやめてほしいのだが……


 シンラの手作りだから、プラムたちに食べてもらったら? というと、全力拒否でプラムたちが断固として食べないという姿勢をとった。まるで毒味だな……


 一応材料は一緒で、アレンジはさせていないので、死ぬような食べ物ではないだろう。だけど、しっかり混ざっていなかったせいか、所々分離しているのだ。ひっくり返して食べると大変なことになるので、俺だけお皿に出さず器のまま食べることになった。


 味はプリンなんだけと、食感がなんだか変だ。固まっている部分と液体の部分があるのだ。その食感がミスマッチで、どうにもならん……かなり不味い。食感が違うだけで、ここまで美味しく感じないんだな……これならミルクセーキみたいに、全部液体の方が美味しい気がする。


 素直に美味しくないと言ったのに、シンラは何故かドヤ顔になり、今度は何を作ろうか鼻息を荒くしてやがる。


 ブラウニーたちよ、シンラが作るのは百歩譲っていいとしよう。手伝いを拒否するなら、自分で食べることを条件に作らせるように、お願いしておく。このままだと、シンラの作った失敗作を毎回食べることになってしまう。それだけは絶対に阻止だ!


 ブラウニーたちから説明させ、もし自分で食べないのであればおやつは無し! と強く言われていた。自分で作った失敗したおやつを食べるのだから、その内つく無くなるだろう。自分で作るより、ブラウニーたちに任せた方が美味しいのは分かり切っているからな。


 だけど……子どもって、真似をしたがるんだっけ? 料理を作っているお母さんの真似をして、手伝いたいとか言うって聞いたことがある気がするけど、それってシンラにも当てはまるのかね?


 そんなこんなで、キャラメルを作ってから1週間、シンラは懲りずにおやつを作っている。失敗してもそれを食べているので、文句は言えない。食材を無駄にしているわけじゃないからな。これで食べずに捨てるとかいうことになるなら怒るが、食べているからな。


 プリンも失敗しにくいはずだったのに失敗したシンラは、次の日はゼリーを作ると言い出した。温度調節を間違えずに、ゼラチンを溶かして液体を固めればゼリーになるからな。ちょっと分量を間違えて、硬くなっていたが問題なくゼリーだったな。


 その次は、ショートブレッドを作った。バター、小麦粉、砂糖で作れるお菓子だ。まだ子どもで力なないので、混ぜるのはスライムたちに手伝ってもらっていた。等間隔に切るのはシンラが頑張ってやるが、ボロボロになってしまっていた。


 そのまま焼いたので、キレイにできている部分とボロボロの部分があったが、味はショートブレッドだった。混ぜてたのがスライムたちだったから、失敗は無いよな。


 ここまで見て分かったが、プリンより被害が少なくて簡単に作れるものを選んでいるようだ。


 プリンは酷かったからな……自分でやりたいがプリンの時とは違って、出来ない部分は任せているので大きな失敗は無いようだ。自分で食べることが条件になったから、頭を使ったんだろうな。こういう時ばかり賢くなるから困る。

ここまで読んでくださり、ありがとうございます。

ブクマや評価をしていただけると幸いです。

これからもよろしくお願いします。

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